【大きな5弁花、小葉には紫褐色の斑点】
カタバミ科カタバミ属(オキザリス属)の多年草で、道端や空地などでごく普通に見かける小さな黄花のカタバミやうすい紅紫色のムラサキカタバミと同じ仲間。ただ花はその名の通り明るい黄色の大きな5弁花で、花径は3~4cmほどになる。原産地は南アフリカのケープ地方。日本には明治時代の中頃に観賞用として渡来し、1960年代初め鹿児島で野生化しているのが最初に確認された。繁殖力が強く、今では関東地方から西日本にかけて広く見かけられるようになった。
草丈は20~30cmで、2~6月頃、株元から伸びた花柄の先に数個の花を付ける。別名「キイロハナカタバミ」。花の形から英名では「バターカップ・オキザリス」とも呼ばれる。葉は小葉3枚からなる3出複葉。小葉は先端の真ん中部分がへこんだハート形で、葉の表面には所々に紫褐色の斑点の模様が入る。学名は「Oxalis pes-caprae(オキザリス・ペスカプラエ)」。属名の語源は「酸っぱい」を意味するギリシャ語。カタバミの仲間に葉や茎に酸味のシュウ酸を含むものが多いことによる。種小名は「ヤギの足」を意味する。これは先が2つに割れた小葉の形からか?
オオキバナカタバミはまだ花の少ない、寒さが厳しい頃から咲き始めるためによく目立つ。数年前の2月初め「ランタンフェスティバル」で訪ねた長崎では民家の玄関口などあちこちで開花中のこの花を目にした。「春間近」を告げてくれる草花として毎年開花が待たれているのだろう。ただ繁殖力が旺盛で、株の根元に多くの鱗茎をつくって土の移動や掘り起こしによって増えていく。このため環境省は「生態系被害防止外来種リスト」(動植物310種)に登載し、野生化を防ぐため「入れない・捨てない・広げない」よう呼び掛けている。