く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ムジークフェストなら> 「トゥジュール・サクソフォンクァルテット」

2016年06月24日 | 音楽

【犬養万葉記念館で、「四重奏のための『万葉』」など好演】

 奈良県明日香村の犬飼万葉記念館で23日、「サクソフォンが奏でる万葉の調べ」と銘打ってサクソフォン四重奏団「トゥジュール・サクソフォンクァルテット」の演奏会が開かれた。ポピュラーな曲目を中心にアンコールを含め8曲演奏したが、中でも万葉歌に因む「サクソフォーン四重奏のための『万葉』」はサックスの豊かな表現力や音域の広さなどを再確認させてくれる好演だった。

     

 グループ結成は約10年前の1995年で、以来、毎年秋に大阪、名古屋、東京で定期演奏会を開いてきた。プロフィルによると、メンバー4人のうち辻本剛志、岩本雄太、山添悟の3人はいずれも大阪芸術大学の演奏学科を首席で卒業し、同時に学長賞も受賞。またアルトサックス担当の森下知子は大阪音楽大学出身で、2005年から「阪神大震災復興祈念コンサート」で20回にわたって単独公演を行い、毎回1000人を超える観客を集めているという。(写真は左から辻本、森下、山添、岩本の各氏)

 オープニングは「情熱大陸」(葉加瀬太郎作曲)。次いで「蘇州夜曲」(服部良一作曲)と「ホーダウン」(アーロン・コープランド作曲)。演奏者と観客席が近いアットホームな雰囲気で、リズムを刻んで主旋律を支えるバリトンサックスの低音がおなかに響く。この後、メインプログラム「サクソフォーン四重奏のための『万葉』」を挟んで、スウィング調の「故郷の空」(イギリス民謡)、「彼方の光」(村松崇継作曲)、そしてSMAPのヒット曲メドレー「SMAP!ノンストップ!」。

 「サクソフォーン四重奏のための『万葉』」は吹奏楽曲を多く作曲している櫛田胅之扶(てつのすけ)の作品で、「采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く」(志貴皇子)など5つの万葉歌をもとにした5曲から成る。1曲ごとに万葉記念館の岡本三千代館長のミニ解説と朗誦に続いて演奏された。哀愁を帯びた物悲しい音から迫力のある明るく艶やかな音まで、サックスの多彩な音色と様々な演奏技法を堪能させてもらった。アンコールは夏川りみのヒット曲「涙(なだ)そうそう」(BEGIN作曲)。4日前19日の奈良公園での野外ライブで、おおとりとして登場した夏川りみがこの曲を熱唱していた模様が鮮明に蘇ってきた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする