【雛鳥10羽、孵化は5月下旬? 母鳥に見守られてすくすく成長】
奈良国立博物館新館前の池に現れたカルガモ親子がいま観光客の人気を集めている。18日午後5時すぎ、親子は観光客でごった返す東大寺大仏殿前の交差点南西側にある小さな池(「鷗外の門」のそば)にいた。親鳥と雛鳥10羽。雛といってももう結構大きい。しばらくすると、雛鳥たちは母鳥に「集合、行くわよ」と促されるように池辺に上がり、一団となって西側にある博物館前の池に向かった。
雛鳥が陸(おか)に上がって歩き始めると、母鳥は最後尾から見守っていた。博物館の池まで50~60mほどあるだろうか。カルガモの姿に気づいた観光客も少し距離を置いて一緒に進む。博物館の池は東から西に向かって低くなっており、高さ50cmほどの段差が2つある。母鳥は下を覗き込みながら、また「さあ下りるよ」とでも言うようにみんなを促す。もう何度も通い慣れたコースなのだろう、雛たちもほとんど躊躇することなく、次々に飛び込んでいた。最初の池で見掛けてから約20分。この間、母鳥がずっと10羽の雛鳥全てに目配りしている様子が印象的だった。
最初に目撃されたのは5月下旬か。同博物館ミュージアムショップのホームページは最新情報として「カルガモも待ってまーす♪」というタイトルで紹介している。「カルガモが沢山の赤ちゃんを連れてお散布の練習です。カラスに注意しながら親鳥がやさしく見守っています」。添えられた写真を見ると雛鳥もまだずいぶん小さい。全員(?)ここまで育てた母鳥は立派。だけど、その気苦労も雛鳥が飛び立てるようになるまでもうしばらく続く。
(P.S.) 翌19日、付近を通りかかったついでに博物館前の池に寄ると、母鳥と幼鳥は西側の石張りのせせらぎの中にいた。その後、11羽は新館正面側の池に移動。しばらくすると、博物館の職員さんが現れ食パンをちぎってやり始めた。朝夕2回与えているという。その職員さんによると、生後約4週間で、飛び立つまであと1カ月ほどかかりそうということだった。