く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<フユイチゴ(冬苺)> キイチゴの仲間で冬に果実が熟すから 

2014年12月06日 | 花の四季

【ジャムなど食用に、別名「カンイチゴ」】

 バラ科キイチゴ属。一見草のように見えるが、常緑の蔓性小低木で、地表を這うように匍枝を伸ばす。長い枝は2mほどにも。9~10月頃、直径2cmほどの白い5弁花を付ける。夏に果実を付けるキイチゴが多い中で、このフユイチゴはその名の通り11月から1月にかけて果実が熟す。別名「カンイチゴ(寒苺)」。

 果実は粒々の小さな赤い実が集まってできる集合果で、7~10㎜ほどの球形。口に入れると甘酸っぱく、生食のほかジャムなどに使われる。枝や葉の裏などには細かい毛が密生する。葉は大きく丸っこい心形で、戦時中には揉んでタバコの代用にされたそうだ。

 キイチゴ属は日本に約70種あるといわれる。主なものにミヤマフユイチゴ、コバノフユイチゴ(マルバフユイチゴとも)、鋭い棘があるバライチゴ、果実が黄色いモミジイチゴ、クサイチゴ、クロイチゴ、ゴヨウイチゴなど。よく似たミヤマフユイチゴはフユイチゴと違って葉先が尖っているのが特徴。

 フユイチゴは東北以西の本州、四国、九州に分布する。ただ、山形県では絶滅の危険性が増大しているとして絶滅危惧Ⅱ類に分類されている。他のキイチゴ属の仲間では鹿児島・奄美地方の固有種コバノアマミフユイチゴが環境省から絶滅危惧ⅠA類に指定されている。「あるときは雨蕭々と冬いちご」(飯田蛇笏)。

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