く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<シラユキゲシ(白雪芥子)> 4弁の白花はケシに似て清楚だけど…

2014年05月17日 | 花の四季

【中国名「血水草」、茎を折るとオレンジ色の液がたら~り】

 中国東南部原産の多年草。ケシ科イオメコン属(シラユキゲシ属)の植物だが、この属はシラユキゲシ1種のみからなる。属名イオメコンの語源はギリシャ語で「東方」と「ケシ」から。山地の林床や林縁の湿った半日陰を好む。花期は4~6月。高さ20~40cmの茎の先に、ケシに似た直径3~5cmの白い4弁花を数輪つける。葉はハート形でフキに似る。

 英名は「スノーポピー」。和名、英名ともロマンチックだが、中国では「血水草」と呼ばれる。茎を折るとオレンジ色の樹液が出ることに由来するという。そこで茎を1本失敬して折ってみると、実際に橙色の液がたら~りと出てきた。根茎を生薬で「黄水芋(おうすいう)」、葉や茎を干したものを「黄水草」と呼び、解毒、消炎、打撲、皮膚病などに用いられる。。

 シラユキゲシは繁殖力が旺盛で、地下茎を四方に伸ばして生息地域を広げていく。神奈川県川崎市の「生田緑地」では2004~05年に数輪咲いていたにすぎなかったが、06年には数カ所で群落ができていた。このため、特定非営利活動法人「かわさき自然調査団」は生態系を壊す恐れがあるとして、以来毎年、駆除活動に取り組んでいる。

 群馬県桐生市でも2009年、スギ植林地の林道のそばで7m×4mの群落が発見された。県内では初めて。翌10年の群馬県立自然史博物館研究報告「短報」は「花が美しいシラユキゲシをスギ植生地の林床に意図的に植えたか、または自宅で増殖した株を何らかの理由で遺棄したと考えられる」と推測している。シラユキゲシに罪はない。だが、将来「特定外来生物」や「要注意外来生物」に指定されるかもしれない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする