く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<パンジー> 仏語「パンセ」に由来 物思いにふけるような花姿から

2014年01月15日 | 花の四季

【和名では「三色菫」や「遊蝶花」「人面草」とも】

 寒さに強いパンジーは花の少ないこの時期に花壇や窓辺をカラフルに彩ってくれる。スミレの仲間の5弁花で、19世紀前半以降、英国や北欧で野生のスミレを交配して多くの園芸品種が作り出された。磯野直秀氏の「明治前園芸植物渡来年表」によると、日本には明治末期の1866年に渡ってきた。オランダ船によって持ち込まれたようだ。

 本来は春の花だが、品種改良によって花期は10月頃から翌年の5月頃までとかなり長い。可憐な花姿の中に、冬の低温で早朝凍結していても日が差すと元に戻るたくましさも併せ持つ。大別すると大輪系の「ガーデンパンジー」と小輪系の「タフテッドパンジー」に分類される。最近では花の径が10cmを超えるものも出てきた。日本では直径2cm前後で多くの花を付けるものを、パンジーとは別にビオラと呼んで区別することが多い。

 パンジーの和名「サンシキスミレ(三色菫)」は学名の「ビオラ・トリコロル」に由来する。花びらが主に白・黄・紫の3色で彩られていることによる。パンジーという名前はフランス語の「パンセ(思索、物思い)」にちなんで名付けられた。花が人の顔に似て少し前かがみに咲くさまを、物思いに沈む人に見立てた。このことからパンジーは「ジンメンソウ(人面草)」とも呼ばれる。

 花びらの形がヒラヒラ舞う蝶々の姿を連想させることから「ユウチョウカ(遊蝶花)」や「コチョウスミレ(胡蝶菫)」という優雅な呼び名もある。残念ながらこう呼ばれることはほとんどないが、俳句の世界ではたまに使われてきた。「遊蝶花春は素朴に始まれり」(水原秋櫻子)、「パンジーの仔熊の顔に似たりけり」(森田峠)。

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