く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<下鴨神社「蹴鞠始め」> 華やかな装いで平安時代の優雅な遊びを再現

2014年01月05日 | 祭り

【初詣で客で幾重もの人垣、宙に舞う白い鞠】

 京都の新春を彩る恒例行事、下鴨神社の「蹴鞠(けまり)始め」が4日行われ、古式ゆかしく平安貴族の優雅な遊びを再現した。15m四方の「鞠庭」の周りには初詣で客で1時間以上も前から幾重もの人垣。蹴鞠始めの神事に続いて午後2時ごろから始まったが、後方からはたまに宙を舞う白い鹿革製の鞠と華やかな伝統衣装の水干(すいかん)に烏帽子姿の鞠人がちらっと垣間見えるだけ。

 

 一瞬1年後に出直そうかとも思ったが、せっかくここまで出かけてきたのだからと思いとどまり、爪先立ちになってカメラを持つ右手を掲げてシャッターを押した。鞠人は「蹴鞠(しゅうきく)保存会」のメンバーで、8人が円陣になり「アリャ」「オウ」といった掛け声とともに鞠を蹴り合う。だが、その掛け声も歓声に掻き消されがち。このため早々に会場を後にしたが、この後にハプニングがあったという。今年のサッカーW杯の開催国ブラジルのテレビ局の男性が飛び入りし、鞠に代えてW杯公式球を使って蹴り合ったそうだ。

 

 参道は多くの露店でにぎわい、境内にある「みたらし池」にちなむみたらし団子も人気を集めていた。赤々と燃え盛る焚き火の周りには暖を取る多くの初詣で客が輪をつくった。その中の外国の男性が神社関係者にしきりに何か問い掛けていた。どうも「ここで火渡り修行をやるのか」と聞いているようだ。そこで神社関係者が「やってみたら」と言うとその男性は「オー、ノー」。その代わり大きな木を焚き火の中に投げ込ませてもらっていた。

 「糺(ただす)の森」の南西にある摂社、河合神社はいま特別公開中。祭神の玉依姫命(たまよりひめのみこと)は「美人の神様」として崇敬を集めており、この日も女性を中心に多くの初詣で客が長蛇の列をつくっていた。「方丈記」の著者、鴨長明はこの神社の神官の家に生まれた。境内の一角には長明が終の棲家とした方丈(約3m四方、約5畳半)が再現されている(写真㊨)。「石川や瀬見の小川の清ければ 月も流れをたずねてぞすむ」(鴨長明、新古今和歌集)。「瀬見の小川」は今も河合神社東側を参道に沿って南北に流れる。

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