【5日の準決勝対決は①東福岡―東海大仰星、②大阪桐蔭―桐蔭学園】
第93回全国高校ラグビー大会は3日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場で準々決勝4試合が行われ、Aシードの東海大仰星(大阪第1)、大阪桐蔭(大阪第2)、桐蔭学園(神奈川)の3チームがそろって5日の準決勝に駒を進めた。Bシードでは前々大会の覇者、東福岡(福岡)が唯一4強に残った。試合後の抽選で準決勝は第1試合が東福岡―東海大仰星、第2試合が大阪桐蔭―桐蔭学園の組み合わせとなった。
準々決勝第1試合 東福岡30(T5G1PG1)―大阪朝鮮24(T4G2PG0)
展開力の東福岡か、強力FWの大阪朝鮮か。実力校のBシード対決となった試合は戦前の予想通り、両校が持ち味を発揮する好ゲームになった。東福岡が素早い球回しでトライを奪うと、大阪朝鮮がラインアウトからのモールで押し込む。一進一退の中、後半17分、大阪朝鮮が4つ目のトライで22―24と初めて逆転。だがその直後、東福岡がPGを決めて再逆転。さらに5つ目のトライを決めて逃げ切った。
第2試合 桐蔭学園26(T4G3)―天理14(T2G2)
キックオフ直後の2分と9分に桐蔭学園が立て続けにトライを奪い、ワンサイドのゲーム展開になるかと思われた。だが、そこから天理が低いタックルで相手の出足を止めるなど持ち前の粘り腰を発揮した。前半終了間際にはスクラムからの素早い展開でトライを奪って7―12の1ゴール差で折り返す。さらに後半6分すぎにはモールを押し込み、ゴールも決まって14―12と逆転した。平均体重で10キロ近く少ないFW陣の頑張りが光った。だが、その後は桐蔭学園が主導権を握り2つのトライを奪って勝負を決めた。
第3試合 東海大仰星66(T10G8)―報徳学園17(T3G1)
初の4強を狙う報徳学園がキックオフ直後、素晴らしい展開ラグビーを見せた。前半6分までに2つのトライを決め12―0と引き離した(写真)。だが、東海大仰星はそこで目を覚ます。前半14分までに2トライ2ゴールで逆転すると、その後も速い密集への集散とバックスの展開力で怒涛の攻撃を続け、前半に5トライ、後半にも5トライを奪った。これで東海大仰星は2回戦(仙台育英戦)、3回戦(名護戦)に続き3試合連続の2桁トライ。一方の報徳学園は前半3つのトライを上げたものの後半は零点に封じられた。
第4試合 大阪桐蔭41(T6G4PG1)―秋田工業3(T0G0PG1)
前半5分、秋田工は相手の反則でもらったPGをきっちり決めて3―0と先行。だが、その後は総合力で勝る大阪桐蔭がトライを重ねた。前半に3トライ、さらに後半も3トライ。秋田工は後半に入って約10分間、大阪桐蔭のオフサイドなど度重なる反則で敵陣深く攻め込みながらゴールラインを割れなかったのが悔やまれる。それだけに大阪桐蔭のタックルの強さや的確な位置取りなど堅固な防御網が光った。