経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

4/9の日経・猫鈴議論の休業補償

2020年04月09日 | 今日の日経
 昨日公表の3月景気ウォッチャーは、墜落とも言える結果で、リーマンショック時の最低記録を一気に割った。4月は、緊急事態宣言によって、景気が更に悪化していると考えられ、そら恐ろしい状況である。東京はロックダウンではないとされるが、休業要請の範囲については、ホームセンター等の物販に及ぶ可能性もあり、実際的な違いは、大して変わらないようにも思える。

 法的根拠を持つ休業要請が始まり、補償をすべきとの議論が喧しいが、これは、鼠が「猫の首に鈴を付けよう」と主張するような、実行が困難な解決策である。難しいのは、補償の範囲の決め方だ。仮に、飲食店が3か月休業するとして、従業員は解雇して雇用保険で面倒を見てもらうことにすると、残る支払いは店舗賃料だから、補償は、地主の所得の保障とほぼ変わらなくなる。これに違和感を覚える人もいるのではないか。

 一つの方法としては、3か月間の賃料の8割の免除を受けた飲食店に、公庫が2割分の融資を別枠で即決することである。地主も、店子が潰れて賃料ゼロになるよりはマシだから、優良な飲食店なら免除に応じるだろう。もし、免除で地主の経営が苦しくなるようなら、つなぎ融資を行う。財政は融資の保証料を負担する。他にもやり様はあろうが、いずれにせよ、補償の範囲の提案がなければ、いかに騒いでも、猫鈴議論にしかならない。

(図)



(今日までの日経)
 人出減少、なお限定的 丸の内半減、欧米には及ばず。緊急事態宣言を発令 首相「接触8割減を」。資金繰り支援45兆円 政府が緊急経済対策決定。「1世帯30万円」早期給付に壁 英米は納税情報と連動。経財相「現金給付、複数回も」 児童手当は1万円加算。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アベノミクス・底打ちのち崩壊 | トップ | 2月まで堅調も見えてきた奈落 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

今日の日経」カテゴリの最新記事