KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

里山に遊ぶ2020.01.11 鶴羽山(剣山)

2020年01月11日 | 香川の里山
久しぶりに土曜日の休日。朝起きると昨夜のお酒のせいで頭がガンガンする。

食欲もなくしばらくテレビの前で横になっていたけれども、

カーテンの脇から明るい日差しが差し込んでいます。このまま家でぐうたらしていても勿体ないので、

重い頭と重い体を起こして出かけることにしました。

遠出はできないので近場でどこかないかとGPSの地形図を見ていると鶴羽山が引っかかりました。

地形図には山名のない山ですが、ネットで調べてみると鶴羽山は別名剣山とも云うらしい。

剣山は近くの門入ダムの北側にもあるのですが、せっかくなら登った事のない山に。

先週は三座巡って最後に登ったのが石鎚山だったので、これで年明けから石鎚山と剣山を制覇?する事になります。


田面峠の手前の立割地区を北に入り、ため池の上の少し道が広くなった所に車を停めスタートします。

案の定、体調は絶不調です。しばらくはアスファルト道を山裾を目指して登って行くと、腰の曲がったおばあさんが

畑仕事をしています。90度近く腰が曲がっているのに。とにかく昔の人はお元気です。




その民家を横目に見ながら更にアスファルト道は続いています。

すると道の脇に小さく黄色い塊を付けた木々の林。近づいて行くと蝋梅の可愛い花がそこらじゅうに咲いています。

これだけの蝋梅の林を見るのは初めてです。










さらに進んで行くと今度は道の反対側にもかなりの数の蝋梅。先日の強風のせいか道の上にも花がたくさん散っています。







するのその林の名中に何やらうごめく物体が。『イノシシ!』

そう言えば事前にネットで調べて参考にした『さぬき里山 自然探訪&トレッキング』さんのレポートにも

イノシシをたくさん見かけたと書いてありました。『げ・げ!』と慌てて傍にあった折れた竹を拾って臨戦態勢?。

幸いイノシシは反対側の斜面を駆け上って行きましたが、その後は二本の竹を打ち鳴らしビビリながら歩いて行きます。




ほどなく道の脇に今にも崩れそうな廃屋が。更にその奥にももう一軒廃屋があります。

地形図にもこの二軒の廃屋は載っていました。







最後の廃屋から道は次第に急な登りになっていきます。落ち葉に隠れた砂利道は滑りやすく、

特に今日はショートの靴底がすり減った靴を履いていたため、時折足が滑ります。




しばらくその砂利道を歩いて行くと電波塔に着きました。その電波塔の脇で腰を降ろしていつになくたっぷりと水分補給をします。

この辺りが今日一番しんどかった時間帯です。




電波塔の脇から尾根に取り付きます。尾根の林の中をしばらく歩いて行くと『ココ?』と思うような

鶴羽山山頂に着きました。木々に囲まれ山名札がないと見逃しそうな山頂です。

さらに先には歩きやすそうな尾根道が続いています。













見晴らしも全くないので次に西側にある265mの標高点を目指します。

電波塔まで一旦戻り、そのまま尾根道を進んで行くと標高点です。




ここからは北西から西側にかけての眺望が広がっていました。

さらに西側には花崗岩の風化した道?が続いています。

ここで一枚脱いで忘れた人がいたのか、木に上着がかかっています。










GPSを確認してみると山裾に見えるため池の近くに下りれそうなので、そのまま下って行きます。

普段はいている登山靴でもこの道は滑りやすそうなのに、今日の靴では全くグリップが効きません。

腰が引けながらズルズルと滑りながら下って行くと、尾根の先に大岩!




ここからの眺望も最高です。北西には津田湾の端から端まで一望でき、西にはさぬき市から更に三木町、高松市の里山が見渡せます。

南には笠ケ峰とその奥には阿讃の稜線が続いています。










しばらくその眺望に見入った後、先に進もうと大岩の足元を下ってみますが、滑るわ滑る。

そしてその先も崖になっていて、とても回り込めるよな場所ではありません。







仕方がないので下って行くのは諦めて、元の道に戻ります。

電波塔まで戻り砂利道を少し下ると枝に巻いたピンクのテープが風に揺れてゆらゆら。

そう言えば先程のレポートの中に、剣神社に続く尾根があると書いていたので、

テープの横を道の脇から南への尾根に取り付きます。道は明瞭で歩きやすい道です。




木々の間から先ほど下ろうとした岩壁が見えます。とてもじゃないけどあんな所『無理せず良かった!』




しばらくすると道の脇に自然石をくり抜いた手水鉢。その脇には祠の無い神社の跡があります。







ここでGPSを見てみると引き返すよりも、そのまま下った方が早そうなので進んでみます。

ところがこれが大きな間違いで、次第に尾根には木々が茂り立って歩く事が出来ません。

それでも屈んで、行く手を遮る細い枝を折りながら歩いて行くと、唯一この岩のところだけが開けていました。







度々GPSを確認しながら往路の道をめがけて藪の中に突入していみます。こうなるとイノシシ対策の?

竹の用心棒も持っていられません。両手両足を使って滑り落ちて行きますが、踏み外して尻もちどころか

背中全体を打ったり、つんのめりして前に一回転したり、久々に大苦戦です。










それでも何とか登って来た道に飛び出すことができました。靴の中や襟元から入った背中の小さな枝がチクチクします。







ホッとしながらアスファルト道を戻って行くと、往路で見た蝋梅の淡い香りが漂ってきました。

するとまた同じような場所で今度はウリ坊が道を横切って行きました。

また早速竹を拾ってカンカンと音をたてながら歩いて行きました。




結局、距離は3.8kmと短い距離なのに2時間30分も山の中をうろついていました。

真冬に似つかわしくない暖かい日和でたっぷりと掻いた汗と、イノシシで掻いた冷や汗に

二日酔いもいつの間にかどこかに飛んでいった、楽しい里山歩きでした。