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薪ストーブ|薪焚亭
薪ストーブの分解/いよいよ本体にメス

薪ストーブの分解シリーズを毎日ではないけれど書き続けてますが、画像はすべて吾が家のメインストーブであるバーモントキャスティングスのアンコールのものです。

アンコールの場合、まずは二次燃焼室への入口にあたるスロートフードを少し持ち上げてスライドさせて外すんだが、このパーツは高熱にさらされて歪んでいることも多くて、激しく歪んでいたりすると外しにくいこともあります。 そんな時はハンマーで少し叩いてやると外せるんだが、もう何度もやってるので、最近ではコツをつかんでることもあって叩かなくても簡単に外せます。
その後、ファイヤーバックを押さえている左右のクサビを下からハンマーで叩きながら抜いてファイヤーバックを外すのだけれど、このパーツはかなりの重量物です。 先に手前のアンダイアン(薪止)を外しておいた方が作業しやすい。これはボルトで固定してあるだけなので簡単に外せます。
ファイヤーバックを取り出すと見えてくるのが軟質セラミック製の二次燃焼室です。 焚き方にもよるのだろうけど、吾が家の場合は相当焚き方が悪い、て言うか、酷使しているのか、だいたい3~4年でかなりボロボロな状態になってしまいますね。
二次燃焼室の触媒(キャタリティックコンバスター)が収まる部分の損傷が大きいとそこから排気がもれてしまうので、大きな隙間の場合は、そこに適当な太さのガスケット(グラスファイバーロープ)を詰め込んだりして、できれば5年は使いたい。

現在(2012年)、ダッチウエストジャパンでは金属触媒、バーモントキャスティングスのファイヤーサイドではセラミック触媒が標準となっているんだけれども、あくまでも自分の焚き方、見解としてですが、逆が良いように思えて仕方がない。
金属触媒は反応温度が低いし、構造上表面積も大きいので、触媒としての性能はセラミックより上なんだと思うが、欠点として、目が細かいゆえに目詰まりしやすいことと、過燃焼による溶解が起きることがある。
セラミック触媒は金属よりも目詰まりしにくいことと、熱に強いことがあるんだが、問題はその構造で、セラミックの周りを金属枠で囲んであって、これが過燃焼に弱い訳です。 触媒自体は過燃焼の高温に耐えられても、金属枠が歪んでしまって結果としてセラミックを壊してしまうパターンが多いのです。
更に酷いケースでは大きく歪んだ金属枠が二次燃焼室の壁まで壊してしまうこともあります。 その点、全てが金属製の触媒だとこの歪みがセラミック触媒と違って全体的なものになるので、二次燃焼室の破損率が下がります。
特にアンコールの場合には金属触媒が有効だと思っていて、デファイアントやダッチウエストのFAシリーズなどと違ってバッフルプレート(炎返し)がなく、スロートフードという残留ガスの誘導路、触媒のカバー的なものしかないので、炎をそのまま取り込んでしまって決して分散してくれないのです。 もちろん上手に焚いている方も見えますので、このことはあくまでも自分の焚き方の場合という前提ですが、これまでの経験からそう思う訳です。
もう一台、FA225も焚いているんだが、バッフルがあるのでセラミック触媒は3年使っても壊れなかった。 けれども、金属触媒は2年の使用で中心部が過燃焼からか少し溶解してしまった。
そんなことから、自分としてはバッフルを備えたFAシリーズならセラミック触媒がいいと思う訳です。 バーモントキャスティングスでもデファイアントならバッフルがあるのでセラミックもいいでしょう。 もちろん、過燃焼に気をつけて焚けば性能的に優れる金属触媒は魅力的なものです。 どちらの触媒を選ぶかは最終的にユーザーの好み次第でしょうかね。

次に両サイドのエアープレートを外します。上下2本のボルトで固定されているだけなので簡単です。 一次空気はこの空間を通ってフロントドアの上部へ導かれ、ガラスを汚れにくくするエアーカーテンとして炉内に供給されてます。
ここのガスケットは3/8サイズで、気密保持のためにもできれば3~5年に一度は替えたいところです。
右側のエアープレート内部には自動温度調整機能のための一次空気サーモスタットが格納されてますが、この時は特に異常もなくワイヤーの張り具合も問題無しだったので特に何もしません。
※稀にあることなんですが、空気調節のレバーの動きがおかしいなと思ったらここを疑ってください。 パネル接合に使われたはみだした耐火セメントが欠け落ちてワイヤーに引っかかっていることがあります。
一次空気サーモスタットは定期交換部品ではないでしょうが、動かしてみて一次空気の取り入れ口の開閉がスムーズに出来ていればまぁ大丈夫でしょう。 でもバイメタルは劣化するので、5年くらいで交換しておけば間違いなさそうです。


吾が家の薪ストーブはコーナー設置なので後ろ側に人の入れるスペースがなく、背面を見るのはなかなか難しい状況なんだが、状態の悪い薪を焚いた時に出来たらしい液ダレのあとが数本見えます。

それと、煙突口元のガスケットが寿命でした。上から覗いてみると部分的に0.5ミリ程度の隙間があり、ここの5/16ガスケットも要交換ですね。
つづく
※この記事は2006年の7月に書いたものを基に、今の感覚で加筆したものです。

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