kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

見極める2

2019-05-10 | 陸上競技

続きを。陸上競技についてほとんど書いていなかったので「病んでいる人の愚痴」blogとして存在していた気がします。それはそれでいいのかなと思いますが。「自分らしく」という言葉。よくわかりません。私自身がどのような人間なのか。自分の中で「誰かに何かを与えること」で自分を保っているのではないかと思います。本来であれば見返りを求めるべきではない。勝手にやっているのだから。それでも「何か」を求めようとしてしまう。未熟です。

 

 

で、練習について。前の記事に書いたようにミニハードルを使っての練習で少し回復してきました。もちろん、それが本当に直結するかどうかは分かりません。これまでも練習で走れていてい試合で走れないというのがあったので。これは私の「見た目の動き」と重なる部分がありました。素早い動きをすることで「きれいに走る」というのはできていた。しかし、進んでいるかどうかは別問題。進んでいたと思いますが、それが10進めるところを7くらいしか進んでいなかったのかもしれません。ミニハードルを入れてやったときに「進む」という感覚が戻ってきたようでした。

 

 

それでも数人は進みません。バラバラです。どうするのかを考える。新入生でかなり力がある選手がいます。中学時代に12秒台で走ったことがある。これはうちの学校としてはほとんどないことです。わざわざ遠方から来てくれています。入学前から中学校で練習をしていてくれたのですが全く走れていません。14秒台でしか走れないという状況で入ってきました。これはかなり計算外。13秒5で走ってくれればと思っていたのですが。0.6秒は遅れています。

 
 
走りを見ていてもとても12秒台で走ったことがあるとは思えない感じ。本人が一番しんどいと思います。何とかしなければいけない。
 
 
また、ピッチを中心に走るToも同様に「感覚がよくない」と口にし続けます。負荷をかけると全く動かなくなる。脚に力が入らない、地面に力が伝わらないというのを何度も言います。感覚的には鋭い方だと思います。ボディーコントロールなどはずば抜けています。が、思うように走れない。ここは考えなければいけない。「スイッチング」だけの問題ではないのだと思います。
 
 
ひたすら考えましたが解決の糸口が見えません。Hoからは中学時代の動画を送ってもらってずっと見ていました。接地のポジションが前になっている、重心の移動が小さいという基本的な部分しか動画では見えてきませんでした。客観的に見てなかなか分からない。もちろん動きがバラバラなのが一番の原因だとは思うのですが。しかし、それだけではない気がしていました。
 
 
本人に「中学時代はどんな意識で走っていたのか?」を聞いてみました。すると「落とす意識で走っていた」と。なかなか分かってもらえない部分だと思いますが衝撃でした。感覚的なものなのでこれを上手く表現するのは難しいのですが。力説しても「こいつ何言ってるの?」と思われる部分なのかなと思います。が、あえて書きます。
 
 
なぜ衝撃を受けたのか。私の指導は多分他の指導者とは随分違います。走りを少しずつ作っていく。時間をかけて感覚を作っていくものです。練習の全てに意味づけをして明確な考えのもとで練習をしています。
 
 
その指導コンセプトは「接地ポジション」と「耐える:という部分が中心。それと同等に重視しているのが「前に送る」いう感覚。このスタイルでずっとやってきました。makinoやnaoは脚を送る感覚が弱い時には走れません。話をして確認すると「落とす意識が強くて返ってこない」という言葉が出ます。地面を蹴る動作になるのでそのまま脚が流れてしまう。それにより次の動作が遅れてきます。
 
 
かなり動きを徹底します。その感覚を身につけるために様々なことをやります。それにより走りが大きく変わってくる。進む動きになる。Saは県選手権の後に「スイッチング」と「膝の引き出しに伴う重心移動」を取り入れることで進み始めました。ピタッと合うのだと思います。その事にある程度自信を持ってやっていました。
 
 
が、「落とす意識で走っていた」という部分。これはある意味私が指導しているポイントと真逆の考え方です。「前に送る」ことと「下に落とす」という言葉だけでも全くちがう。信頼できる指導者にお願いして指導してもらうときにも「スプリントコンセプトが同じ」場合にのみお願いしています。ここまで真反対の感覚の中で指導をするという機会は全くありませんでした。
 
 
ある場所でスプリントの話をしたことがあります。その時の話の中で「足は勝手に上がってくるからそれを落とすだけでいい」という部分がありました。マニアック過ぎて誰も面白くないのですが。私の感覚でしては反対でした。「脚を前に送って重心が移動すれば勝手に脚が落ちる」という部分があります。脚を落とさないと転倒してしまうからです。落とさなくても勝手に落ちる。落ちる時に接地ポイントがズレなければ走れる。そう考えて指導をしてきました。
 
 
ハッとしました。実際、「勝手に上がってくるから落とすだけでいい」と言われていたチームの選手、かなり強かった。その時は深く考えることはありませんでした。当時は自分の指導に固執していた感じがあります。それほど若くはありませんでしたが「今のやり方で上手くいっている」という自負がありました。スプリントに関する考え方が違うなという部分が大きかった。
 
 
今回、選手の話を聞いて本人に「落とす意識」で走らせてみることにしました。単純に落とすのではなく「前で落とす」という感覚で。「落とす意識」で走ればピッチが上がります。が、その場足踏みになってしまう。重心の移動が生まれにくいからです。「落とす意識」でいいので約束として「前で落とす」ということにしました。地面に力を加えると自然に反発がもらえて脚が上がってくるのかもしれない。だとすればそれを徹底しておくために「前で落とす」という意識づけをする。
 
 
すると動きが安定しました。素人みたいな話を書いているかもしれませんが。遅れていたフォロースイングが遅れなくなる。前に送る感覚がなくてもフォローが遅れなくなる。前述の「勝手に上がってくるから落とすだけでいい」という話と内容が一致する。もちろんまだまだやらなければいけないことがあるのですが走りが変わりました。本人に確認すると「高校に入ってから前に前にという意識で走っていた」と。それが本人にとってマイナスになっていた可能性がある。
 
 
めちゃくちゃマニアックな話になっています。あまりにも衝撃だったのでgt先生に報告したのですが「意味分からん」と言われて一蹴。まーそれもそうでしょう。興味のない部分に関してはなかなか分かってもらえない。
 
 
ここに関してはもう少し触れたいなと思うことがあります。この記事に関しては「客観的事実のみ」を書いておきます。マニアックで興味がある人は是非とも個人的にこのことに関して意見交換をしたいなと思います。本気で。
 
 
次はもう少し突っ込んで書きます。多分。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする