昨日、グループホームのスタッフ向けに研修を行なってきました。
主催者から仕事がきつく定着率が悪い業種なので、夢と希望が持てる内容を依頼されました。
人に夢と希望を与えられるほど、自分に余裕などないのですが・・・
取り敢えずテーマを「夢は実現する」に決めました。
これは最近こっている本のタイトルをまねてみました。
内容はいつも話している事に調味料を加える程度にと考えていました。
さて、前日に連絡があり参加者が100人程度になるとあります。
あやや!
責任感が強い私は、100人の参加者に涙と感動の1時間半を提供しなければなりません。
タイトルは思いつきです。
朝から落ち着きません。
夢に関する本を引っ張り出してエッセンスをひねり出します。
何とか1時間半になる様に工夫をして、いざ会場へ!
参加者が期待している熱い視線を感じます。
胸元には汗が音を立てて流れているように感じます。
司会の紹介が始まり覚悟が決まります。
先ず始めに「夢」について事例を示しました。
17年前に出会った一人の男の話です。
・・・話した内容を書き出すと長くなるので、ここまで!
最後に「認知症高齢者の声」を朗読して終了です。
我ながらいい内容だったとご満足!
「日本で初めての老人ホームといわれている特別養護老人ホーム「浜松十字の園」(開設昭和36年)の職員が代弁した「認知症高齢者の声」をご紹介します。老いは誰もが避けて通れない道、老いに伴い認知症も待っている老後。あなたのご両親も、そしてあなたも、最近は働き盛りのシニアも認知症に苦しんでいる。」
『私たちからのお願い! こんな気持ちをわかって下さい』
住み慣れた場所とは程遠い場所。知っている顔のないところでの生活。
「ここが部屋ですよ」と言うのに、私以外の人が寝ている。
目的がなくて歩き回っているように見えるかもしれませんが、違うのです。
ただ自分の居場所がなくて、自分がどこにいるかわからないのです。
ただ不安で、不安で、イライラしてしまうことがあるのです。
どこかに行きたくてもその術(すべ)がわからず、人間関係もうまくいきません。
ご飯を食べたくない日もあるし、眠れない日もある。
自分の目の前にあるものが気になって、手にとって見たくなるときもある。
上手く歩けなくても、車椅子でも、少し動きたいときもある。
そんな時は、じっとそばで見ていて欲しい。
決して大きな声で「何やっているの!!」とか「だめー!!」とか、
わたしの気持ちも知らないで言わないでください。
私にも青春時代があり、輝いていた時がありました。
私の自信や自慢につながるような努力や苦労がありました。
そんな時代があったことも知らず、今の私だけを見ないでください。
家族が面会に来ても名前を忘れてしまっていたり、顔がわからなかったりする時もあります。
そんな時は、そっと耳元で名前を教えてください。
忘れてしまっていることを知っているのに、「この方どなた??」などと意地悪するのはやめてください。
どうかお願いです。私の歩んできた道、性格、趣味、病気、症状、いろいろな事、いろいろな私を理解してください。
「こうして欲しい」とお願いすることを、ワガママと思わないでください。
私は、買い物も一人で出来ないのですから。
医療スタッフ・ケアスタッフ・家族、私を支えてくれる人たちが、同じ意識で、同じ方向を向いてケアしてくれると、とても幸せです。
幸せと感じたら、徘徊(はいかい)も妄想(もうそう)も幻覚(げんかく)も不安もみんな消えて、イライラすることもなくなり、皆さんを困らせることも少なくなるかもしれません。
ただ忘れないでください。 私も 同じ 人間です!!
(出典:「麻生区の高齢者施設を訪ねて」柿生地区社会福祉協議会 高齢者福祉委員会
「浜松十字の園」視察研修報告 平成17年度報告書)
主催者から仕事がきつく定着率が悪い業種なので、夢と希望が持てる内容を依頼されました。
人に夢と希望を与えられるほど、自分に余裕などないのですが・・・
取り敢えずテーマを「夢は実現する」に決めました。
これは最近こっている本のタイトルをまねてみました。
内容はいつも話している事に調味料を加える程度にと考えていました。
さて、前日に連絡があり参加者が100人程度になるとあります。
あやや!
責任感が強い私は、100人の参加者に涙と感動の1時間半を提供しなければなりません。
タイトルは思いつきです。
朝から落ち着きません。
夢に関する本を引っ張り出してエッセンスをひねり出します。
何とか1時間半になる様に工夫をして、いざ会場へ!
参加者が期待している熱い視線を感じます。
胸元には汗が音を立てて流れているように感じます。
司会の紹介が始まり覚悟が決まります。
先ず始めに「夢」について事例を示しました。
17年前に出会った一人の男の話です。
・・・話した内容を書き出すと長くなるので、ここまで!
最後に「認知症高齢者の声」を朗読して終了です。
我ながらいい内容だったとご満足!
「日本で初めての老人ホームといわれている特別養護老人ホーム「浜松十字の園」(開設昭和36年)の職員が代弁した「認知症高齢者の声」をご紹介します。老いは誰もが避けて通れない道、老いに伴い認知症も待っている老後。あなたのご両親も、そしてあなたも、最近は働き盛りのシニアも認知症に苦しんでいる。」
『私たちからのお願い! こんな気持ちをわかって下さい』
住み慣れた場所とは程遠い場所。知っている顔のないところでの生活。
「ここが部屋ですよ」と言うのに、私以外の人が寝ている。
目的がなくて歩き回っているように見えるかもしれませんが、違うのです。
ただ自分の居場所がなくて、自分がどこにいるかわからないのです。
ただ不安で、不安で、イライラしてしまうことがあるのです。
どこかに行きたくてもその術(すべ)がわからず、人間関係もうまくいきません。
ご飯を食べたくない日もあるし、眠れない日もある。
自分の目の前にあるものが気になって、手にとって見たくなるときもある。
上手く歩けなくても、車椅子でも、少し動きたいときもある。
そんな時は、じっとそばで見ていて欲しい。
決して大きな声で「何やっているの!!」とか「だめー!!」とか、
わたしの気持ちも知らないで言わないでください。
私にも青春時代があり、輝いていた時がありました。
私の自信や自慢につながるような努力や苦労がありました。
そんな時代があったことも知らず、今の私だけを見ないでください。
家族が面会に来ても名前を忘れてしまっていたり、顔がわからなかったりする時もあります。
そんな時は、そっと耳元で名前を教えてください。
忘れてしまっていることを知っているのに、「この方どなた??」などと意地悪するのはやめてください。
どうかお願いです。私の歩んできた道、性格、趣味、病気、症状、いろいろな事、いろいろな私を理解してください。
「こうして欲しい」とお願いすることを、ワガママと思わないでください。
私は、買い物も一人で出来ないのですから。
医療スタッフ・ケアスタッフ・家族、私を支えてくれる人たちが、同じ意識で、同じ方向を向いてケアしてくれると、とても幸せです。
幸せと感じたら、徘徊(はいかい)も妄想(もうそう)も幻覚(げんかく)も不安もみんな消えて、イライラすることもなくなり、皆さんを困らせることも少なくなるかもしれません。
ただ忘れないでください。 私も 同じ 人間です!!
(出典:「麻生区の高齢者施設を訪ねて」柿生地区社会福祉協議会 高齢者福祉委員会
「浜松十字の園」視察研修報告 平成17年度報告書)
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