医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

加齢市場

2023-01-04 03:40:39 | 薬局
人口が減って栄えた国はないと思うけど。

日本の総人口は2005年に戦後初めて前年を下回った後、2008年にピークとなり、 2011年以降、11年連続で減少している。
 2021年は約64.4万人の減少となっている。
因みに、鳥取県の人口は約57万人、島根県が約66.5万人なので、毎年山陰地区が徐々になくなるようなものだ。
人口の維持に大きく関係する出生数であるが、コロナのせいもあり2022年度の予測では80万人を大きく切り77.3万人となっている。

人口の減少は市場の消失にもつながる。
ここ数年の大きな問題に地域人口の減少がある。
子供が増えず、高齢者ばかりが残る。
高齢者は節約志向が強く消費にはつながらない。
唯一の消費拡大は医療費くらいかもしれない。
それも数の減少からゆっくり縮小していく。

昨年末に都道府県別の平均寿命が発表になっている。
それによると女性は岡山県がトップの88.29歳で、男性は滋賀県の82.73歳だそうだ。
因みに、平均寿命とは人が生存する平均年数、つまりは0歳の乳幼児が生存するだろうと考えられる平均年数のことを意味する。
したがって、その年齢まで生きた実績ではない。
全国の平均寿命は女性が87.60歳で、男性が81.49歳となる。
驚くのは2022年9月1日時点で100歳を超えた人口が9万526人もいる。
まさに人生100年時代と言われるにふさわしい。

12月23日の日経MJの記事に「ローソン、高齢者施設に冷食」の見出しが掲載された。
ローソンが高齢者施設に冷凍食品の配達を始めたようだ。
なかなか買い物に行けない施設入所者への新しいサービスメニューである。
関西地区から始めたようでお好み焼きがよく売れているそうだ。
その記事の横に「介護、高齢者など向けの加工食品市場規模」の予測が出ている。
2017年では約1,600億円規模が2026年には約2,100億円規模に成長している。
まだまだ市場規模としては大きくはないが、人口が減少して縮小傾向にある中での拡大傾向は見逃せない。

話は遠回りをしたが、これからの高齢者住居施設は、ある面での成長市場になる可能性がある。
薬局は単に薬を届けるだけではなく、そこに新たな市場があると考えると、その存在価値は大きい。
それに気づいているのがローソンだけじゃない。
ドラッグストアも進出してくる。
これからドラッグストが高齢者施設に攻めてくる。
油断することなかれ。

何をどうしたらいいのかは、何度も伝えてきたつもりだ。
ということで、仕事始めも気合を入れて臨んで欲しい。

「箱根駅伝」が終わった。
駒沢大学はお見事!
テレビだから見えていないのかもしれないが、走り終わった選手のコースに対するお辞儀が少なくなったように感じた。
そんなことを言うのはおじさんになったからなのかなぁ…。
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2 コメント

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中小調剤薬局コンサルの優勝は駒形大学に決定 (駒形ファン)
2023-01-04 20:04:29
2024年改定にむけて2022年からの折り返し地点、2023年年初となりますね。駒形大学門下生の皆様、いよいよ2024年の大変革にそなえるラストイヤーでございます。

世界全体で見ると先進国を中心に人口減少へ向かってますね。先進国は概ね人口減少傾向です。もしかしたら、この現象は人類が望んだものなのかもしれないとささやかれ始めています。少子化対策は医療費適正化の実現見通しが立ち始めたので、今後強化される見通しですよね。人口減少への対応策として人類は今のところ「DX」で答えを出そうとしています。省時間、省コスト、省リスク、省人間がDXの売りですよね。DX社会への過渡期には、残念ながら既存の既得権益的なお仕事が大きく減少することが予測されています。各国により事情が異なりますが、気になる日本、そして医療業界においてはどうでしょうか?そうです、調剤がDXの主役クラスで間違いありません。

調剤薬局業界に変革をもたらすもの
電子処方箋
リフィル
0402
オンライン診療&服薬指導
調剤外部委託
40枚規制撤廃
調剤センター
一気通貫型システムの構築
これらによって調剤業界はDXを成し遂げ、業界再編がこれから数年間のうちに完了する方向性です。
最近は本屋さんの淘汰と調剤薬局の淘汰が類似するのではないか?という指摘がありますが、、、そんなに甘くないのではないでしょうか?調剤は制度ビジネスですので、制度が変われば本屋さんがAmazonに淘汰されたこととは違う顚末になりそうですね。調剤の制度依存ビジネスの衰退は、調剤関係者が考えているよりも急速に進むのではないでしょうか?

ラストチャンスはあるのか?
志の高い駒形大学門下生の皆様は健康サポート薬局をよくよく掘り下げてお考えでいらっしゃると思います。健康サポート薬局は過去に「ラストチャンス」と厚生労働省の官僚が明言されたもので、今後の中小薬局の唯一の希望と言っても過言でない機能と思えます。2022年12月22日に公表されました新経済・財政再生計画においても健康サポート薬局は明記されていました。


わからないで済ませないで
DXと絡めて自分から再構築中の地域包括ケアに参加して、街の薬店ver.21世紀として門前薬局から脱却することが大切なのかも知れません。薬局でさえ困るデジタル化。あなたの街の高齢者は困っていませんか?医療のサポートサービスはいかがでしょうか?あるいは、、、、地方では公民館がオンライン診療会場として認められつつあります。それならば、、、面分業薬局がオンライン診療会場になっても良いのではないでしょうか?ある意味一気通貫です。え?二次医療圏、三次医療圏門前薬局?21世紀では不便・高額の理由で相応しくないという結論に落ち着くのでしょう。できるだけ早い脱却で調剤薬局の倒産を免れることが良いのではないでしょうか?

薬学部は放置していいのか?
2024年の診療報酬改定、また医師の働き方改革・医師のタスクシフティングに関連して薬剤師への業務委託・委譲が増加することが予測されます。今のところ看護師(病院内)業務のタスクシティングが有力視されています。新しい薬学部のモデルコアカリキュラム、研修制度の方向性を踏まえてもこれから国が求める薬剤師は病院内に偏っていて、少しも調剤薬局に期待されていないことがわかります。国の関心は看護師業部のタスクシフティングと介護士業部のタスクシフティングを薬剤師に期待しています。看護師、介護士の人材不足を薬剤師で補う方向性は、もしかしたら調剤薬局の大淘汰を予定していて、これにすり合わせる形で雇用を維持し、なおかつ医師の業務を看護師に委譲するかなり高等な作戦が見え隠れしています。薬学部教育は病院薬剤師、オンライン薬剤師の業務を中心に組み直す時代がすぐそこまで来ていますね。ところで、単科薬科大学からの独自創薬は薬事申請の性質上どうやってもできないことであり、なおかつ創薬に従事する薬剤師は極めて少数であることから、創薬自体を教育すること自体に意義があるのか?実務とかけ離れた教育をしていることに見直しが必要なのではないか?2030年代には向き合う必要があるのではないでしょうか?実務とかけ離れた教育でこれまでかなり多くの物議を醸し出してきた薬学部、無理やり感のある6年制への移行の是非など、薬学部は多くの問題を抱えています。今後は薬剤師の就職難が現実化し、OECD加盟国中最大の人口あたり薬剤師数に悲しい注目が集まりそうです。さらに少子化に拍車がかかる時代に世代あたり薬剤師数も世界No.1になったりしてしまうい勢いがいまだに残っています。薬学部は右を見ても左を見ても課題しかないです。大学経営で公益よりもお金儲けを優先した薬学部経営者は少なくありませんが、薬剤師の受給問題を最悪のものにしないために、こういった薬学部経営者の方々には最後の英断として閉学を行っていただくのも良いのではないでしょうか?

未来は?
薬局、コンビニ、高齢者住居施設でオンライン診療を円滑におこなうスタッフとしての薬局薬剤師、もちろん医療の電子化と電子化された医療システムの利用をサポートします。
診療の後はその場で服薬指導、調剤は外部委託です。そして確実に患者宅へ薬の配送をする健康サポート薬局。
いかがです?調剤室の中から外に出たら仕事がありそうでしょう?
過疎地域や高齢化が顕著な地域ではこれから10-20年ほどは需要がありそうではないでしょうか??
紙レセプトのお医者さん達が保険診療から退場させられそうです。いよいよです。医療で誤魔化しが効かない時代の幕開けなのかも知れません。
旧式調剤薬局におそらく未来はありませんが、21世紀型薬局には大きな可能性があります。
駒形大学門下生の皆様なら実現できそうです。

仕事があるってありがたいですね。
明日も楽しみです。
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想いが重いと思います! (駒形SAN)
2023-01-05 03:05:47
明けたけどあかない内容ですね。
今年もよろしくお願いします。
読むのに6分はかかりました。
多くの情報と課題が盛り込まれていて、整理して加筆すると論文になりそうです。

多少の異論は感じますが同感します。
どこかでお会いしてじっくり話が聞きたいと思います。
大きな転換期を迎えていることは確かだと思います。
人口が減って栄える国などありません。
グローバルで考えるとインドや中国、そしてアフリカや東南アジアなどの進出が世界を変えるんでしょうね。
それに対抗する1つの手段がDXなのかもしれません。
人口減少への備えです。
付いていけない人は時代から振り落とされるのも仕方のないことだと思います。

私も実感しています。
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