医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

抗か向か

2013-10-30 05:59:53 | 薬局
ラッキー7はアンラッキー7なのか。

1処方につき7種類以上の内服薬の投与が問題になっている。
院外処方の処方せん料は内服薬が7種類以上だと40点になる。
ところが6種類以下だと68点と大幅に異なる。
もちろん院内の処方料も6種類までだと42点であり、7種類以上になると29点と減額になる。
さらに、院内では7種類以上になると薬価の9割しか請求できなくなる。
院内では7種類以上の投薬は踏んだり蹴ったりである。

この救世主として現れたのが一般名処方だ。
処方せん内に後発医薬品がある場合、一般名で記載すると最低薬価として扱われる。
そして、この種類の算定には「薬剤料における所定単位当たりの薬価が205円以下は1種類とみなす」ことになっている。
そうなると「剤」の中の合計が205円以下だと1種類となる。
ここに一般名処方の最低薬価が生きてくる。
但し、これは院外だけである。

さらに、この一般名処方にすると2点の加算が付く。
7種類だった処方内容が一般名にして6種類になると処方せん料が70点になる。
その差は30点となる。
これはかなり美味しい話だ。

なぜ、7種類でペナルティーがあるのか。
それは日本が薬を出し過ぎるためである。
統合失調症で精神科に入院している患者の4割が、3種類以上の抗精神薬を処方されている。
欧米では1種類が原則らしい。
この事は前回の中医協でも問題になっている。
実際に、ある方は統合失調症の治療として抗精神薬が7種類、その他睡眠薬などを含めて18種類も投薬されたそうだ。
これってあるよね。
抗精神薬が複数大量に投与されると強い眠気、イライラ感、認知機能低下、心臓への負担、便秘やのどの渇き、意思に反した体の動きなどの副作用が生じやすい。
日本の医療は足し算なので、副作用が出るとそれを抑えるために薬が追加される。
積もり積もって18種類となる。

では、減らせばいいかと言うとこれもかなり難しい。
体が慣れてしまっている。
急に減薬すると幻覚症状の悪化、強い不安感、不眠、興奮、吐き気、食欲不振などの症状が出やすい。
どうすりゃいいんだ。

要は、医者の薬が多すぎるって言ってやればいい。
そんなことから7種類ルールが設けられている。
因みに、欧米では65歳以上の高齢者に対する薬の種類は3種類が限度だ。
5種類以上になると処方医か監査した薬剤師の「製造物責任」が問われるそうだ。

あぁ~こわ!

ところで、統合失調症などの薬を「抗精神薬」って言うって知っていた!
てっきり「向精神薬」だと思っていた。
そこでネットで調べると「抗精神薬」になっていた。

通勤の自転車が寒く感じる季節になった。
まだ暗いうちの移動だからかな。



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