医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

避けて通ると裂ける

2019-03-13 04:45:25 | 薬局

考え方を検討するとどうなるのか。

 

先月27日の衆議院予算委員会で、調剤の現場で薬剤師以外が行える業務について質問があった。

その後、自民党の厚生部会でも同様の質問があった。

それに厚生労働省の担当局長が「有識者の意見を参考に考え方を検討する」と答えている。

この件は既にブログでもお伝えしている。

その検討する具体的な内容が見えつつある。

 

薬剤師以外の者が、「医薬品棚に医薬品を入れる行為」「医薬品棚より医薬品をピックアップする行為」「PTP包装から錠剤を分離する行為」「PTP包装から錠剤を分離し、分包機に入れる行為(分包機に錠剤を蓄積する行為)」と示されている。

但し、処方箋に基づく行為についてはダメなようだ。

上記行為を処方箋に基づかなければ問題ないと受け取れる。

 

現実に、ある薬局関係者が厚生労働省に直接聞いたそうだ。

そこでも同じように錠剤に関しては、処方箋に基づかないこととして「ダメとは言っていない」との返事をもらっている。

では「良いんですか」と聞き返すと「良いとは言えない」と返ってきたそうだ。

「ではどうしたらいいのですか」と聞くと「何とも言えない」だそうだ。

結局どうなのか分からないが、処方箋に基づかない錠剤のピッキングはダメではない。

 

ある大手調剤チェーンでは処方箋を受け取って薬局内指示箋が発行されるらしい。

その指示箋に従っていわゆる事務職が錠剤の「取り揃え」を行う。

薬剤師はその「取り揃え」を処方箋で確認して「調剤完了」だそうだ。

的を射る対応である。

 

さて、ここまで来ると問題の「調剤料」の確保・維持は難しくなる。

こんな情報を得て既に対応が始まっているのが大手調剤チェーンである。

既に、9割が機械やロボットによる調剤が可能な薬局もある。

今まで処方箋の扱いがないドラッグストアも実証実験を開始した。

 

先日、日本薬剤師会の臨時総会が開催されている。

そこでも質問が出ているが、その答えは曖昧で何を言っているのか意味不明である。

これでは有識者からの参考意見に対抗できない。

しかも仲間内でいくら何を主張しても声は届かない。

”内弁慶”では意味がない。

どうも”パンドラの箱は“は開けられそうだ。

 

出張先で数軒の薬局を訪問してきた。

薬剤師と打ち合わせをしている間、調剤室内ではピンクの白衣を着た事務職員がせっせと調剤らしき業務をしていた。

施設の予製をしているようだ。

錠剤を分包機に入れての一包化や、散剤の分包、軟膏も練っていた。

あれはまぼろしだろうか。

 

薬剤師会の幹部の薬局ではどうなっているのか見学したいものだ。

もちろんすべての調剤業務は薬剤師で行われていることだろう。

見習いたいものだ。

そろそろ“パンドラの箱”は、被害が大きくならない内に自らで開けた方がいいかもしれない。

心の準備ができるから。

 

 

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