医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

黒子が動く

2024-01-11 05:30:19 | 薬局
責任ある人の発言には裏方の原稿がある。

あるメディアが厚生労働大臣との新春インタビュー記事を掲載していた。
今回の診療報酬+0.88%は「医療分野の賃上げを実現する水準を確保できた」としている。
その水準をどうするのかが、昨日の中医協で審議された。
細かい数字は示さないが、実質的な診療報酬の技術部分の+0.46%には、「40 歳未満の勤務医師・勤務歯科医師・薬局の勤務薬剤師、事務職員、歯科技工所等で従事する者の賃上げに資する措置分 (+0.28%程度)を含む」となっている。
この+0.28%がどのように配分されるか分からないが、インタビューでは「経営者によって適切に賃金として活用されるか、しっかりフォローしていく」としている。
何となく、賃金への配分は経営者任せとなりそうな気配を感じさせる。
中医協の審議からは「調剤基本料」への1点上乗せかな。
40歳未満の勤務薬剤師と事務職員はしっかりもらうものはもらうと主張した方がいいかも。
因みに、40歳未満の対象に事務職は微妙に入っていない。
(・)と(、)の違いがあるので事務職は全員かな?

また、+0.88%のうちの+0.61%は「看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種について、令和6年度にベア+2.5%、令和7年度にベア+2.0%を実施していくための特例的な対応」と明確な引き当て目標が示されている。
残念ながら薬局の勤務薬剤師や事務職員に対する+0.28%にはない。

さらに薬局を評価するポイントとして「かかりつけ機能」「医薬品供給拠点としての役割」 「重複投薬の是正、長期処方・リフィル処方箋への対応など医薬品の適正使用推進」の3点が上がっている。
確かに、中医協資料にも資料のページ枚数が多かったと記憶する。

「かかりつけ機能」としての重点報酬は、何と言っても「かかりつけ薬剤師指導料」である。
これは何度も言っているが、大事なことはなぜ算定しづらいのかの議論がない。
正直なところ“かかりつけ薬剤師”ではなく”かかりつけ薬局“としての評価じゃダメなのか。
ここが見直されない限り、いつまで経っても算定が増えることはない。
そして、いつまで経っても評価されることもない。
”かかりつけ薬局”なら患者も分かりやすいし、価値を認めてくれるような気がする。

次に「医薬品供給拠点としての役割」については、これから増える在宅医療に向けた対策じゃないかと思う。
特に、夜間休日への対応や麻薬、注射薬などへの供給が大事になる。
ここは地域の薬剤師会を中心に動いて欲しいところのようだが、そこまでのリーダーシップが取れるかどうかかもしれない。

最後に「重複投薬の是正、長期処方・リフィル処方箋への対応など医薬品の適正使用推進」については、あまりにも算定数が少ない。
そもそも医薬分業は薬を減らすことから始まっている。
その減薬に対する積極性が問われている。
と、言っても国はそろそろあきらめ気味な感じがある。
見捨てられるぞ。

この他にも医療DXと地域包括ケアシステムへの推進がある。
これも半分期待外れを感じているのではないだろうか。
新しい日本薬剤師会の会長に託すしかなさそうだ。

こんなことをマスコミのインタビューから見えて来る。
大臣の発言と言うより裏方の厚生労働省の考えだと思った方がよさそうだ。
コメント
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