あなたが愛した記憶
この作者独特の毎度の残虐な表現、
不気味な空気が充満の冒頭。
民代と彩奈とのジャングルジムのシーン辺りから
一気に本の世界に入り込んでしまいます。
読み進めていくうちに謎が一つ一つ解明。
最後にはうまくつながっていきます。
ラストから戻ってプロローグを読むと納得。
結末の曾根崎の心にはつらさがありましたが
また救いも見えてきます。
記憶と人格の継承が子に、
悪の人格の引き継ぎが
起こってしまうなんて…
特別な遺伝子がなせる作用に、
翻弄される登場人物達。
魂が乗り移ったもう一つの存在、
二人で共有することは不可能で
もう一つの肉体は処分。
…な~んてあり得ない世界ですが
読んでいる途中はあまり気になりません。
発想はおもしろいものがありました。
でもこの本の不気味さは、
結構後を引きます。
あのジャングルジムのシーンから一気に話がオカルト(死語?)になりましたね(笑)
ただ、嫌な終わり方でした。
不思議な物語。
ストーリーが荒唐無稽。
そして不気味。
でもアイデアはおもしろいです。