冷血(上)
高村薫の作品ではおなじみの、
合田雄一郎警部が出てきますが、
今までのシリーズとは、
少し違った感じ。
上巻は読み進めるのがつらく
もう止めようかと思いましたが
我慢して下巻も読みました。
犯人逮捕後の様子が、
書かれている下巻は、
上巻よりも読みやすく
なんとか読了することができました。
でも、とにかく長い。
理由なき犯罪。
説明不可能な残虐な行為。
考えることを放棄し、
反省というものを持ち合わせていない
空っぽの身体と心。
人間として理解したいと願い、
二人の犯罪者の過去を追いかけ、
犯罪の理由を執拗に探ろうとする合田。
合田の犯人を見る目に、
人としての深い心が、
感じ取られます。
それにしても重くて、
むなしい物語でした。