羊と鋼の森
森で育てられた主人公。
ピアノの調律に魅了され
調律師として、生きていくことを
選んだ一人の青年。
彼の心の成長、調律師としての成長を
靜かで美しい文体で描いています。
彼のピアノに対する情熱が伝わってきます。
描写の美しさ、音、香りの表現、
作者ならではの素敵な文章で綴られていて
澄み切った空気の中に
佇んでいるような感覚になります。
巧みな表現が様々な所に点在しています。
際だった事件も起こらないし、
ハラハラするところもないけど
はるか遠くにある森の中に静かに佇み
人の優しさを感じ取るような作品。
心が浄化されるような、
ひとときを過ごせました。