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花ごよみ

映画、本、写真など・

恋のゴンドラ  東野圭吾

2017-05-06 | 本 な、は行(作家)

恋のゴンドラ

男女8人の込み入った恋愛模様。
短編になっていますが
全編ゲレンデで繋がっています。

やっぱり根津さんも登場。
そして舞台は里沢スキー温泉で
スノボがテーマ。

偶然が多くありすぎの、
狭い世間。

読みやすくテンポもよくて
サッと読めました。
ラストはそこで終わりは
ないでしょうといった感じ。
日田さん、幸せになって欲しいです。

期待が大きい東野作品、
そういう思いを持っていたら
ちょっと期待外れの感も…
予約で長い期間待ったのにしては
軽い作品でした。
「白夜行」「加賀刑事シリーズ」のような
重厚な作品も読みたいです。

  

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雪煙チェイス  東野圭吾

2017-04-02 | 本 な、は行(作家)

雪煙チェイス (実業之日本社文庫)

大学生が犯罪の疑いをかけられ
その容疑を晴らすため
アリバイを証明してくれる
スノーボーダーの女性を探しに
スキー場に向かう。

舞台は日本屈指の広大なゲレンデ。

白銀ジャック、疾風ロンドなど
と同じくゲレンデシリーズの一つ。

大学生を追いかけるのは
本庁より先に捕らえることを
命じられた所轄刑事の小杉と白井。

根津さん、千秋も絡んでいきます。
雪上結婚式などもあって楽しい展開。

テンポがよく読みやすい物語でした。
元々大学生が犯人ではないと、
分かっているので
安心して読み進めることができました。
この作品は犯人を探すことに、
重点を置かれていなくて、
アリバイを証明してくれる女性を見つけ
冤罪を晴らすのが
メインとなっています。

暗さ、深さは全くなくて
後には残らないですが
愉快な小説でした。



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危険なビーナス  東野圭吾

2017-03-28 | 本 な、は行(作家)

危険なビーナス

「後天性サヴァン症候群」を研究する義父、
絵の中に描がかれた真理。
絵を解析すれば数学最大の謎が解ける。
素数、リーマン予想さえ
決着がつくし目算もでてくる。

それほど価値のある絵の存在。
それが存在しているのを知っていながら
その絵を見られないのはたまらない
他の人間の目に触れられるのは我慢がならない。

行方不明の兄と義父、
二つの事件が繋がりを見せます。

「ウラムの螺旋」「サヴァン症候群」
について調べる機を与えてくれました。

ミニブタはだめでしょう。
きっと大きくなって手に負えなくなります。
飼っていたブタが巨大になり
困ったというのを
テレビで見ました。

「危険なビーナス」というタイトルとは
本の中身がちょっと違うような。
ちょっと思惑がはずれました。
ラストは思っていたのとは違う
結末になっていました。

読みやすい内容で、
一応は楽しめましたが
共感できる人物はいなかったし、
期待していた以上ではなかったです。





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リボルバー・リリー  長浦 京

2017-03-11 | 本 な、は行(作家)

リボルバー・リリー

舞台は関東大震災の一年後の東京、埼玉。
主人公は美しくも冷徹非情な諜報員、
「リボルバー・リリー」こと小曽根百合。

消えた陸軍資金の行方を握る少年、
それゆえ陸軍から追われることになった
14歳の少年細見慎太と出会い、
二人で逃走。

突然の不幸に向き合うことに
なってしまった少年。
彼と運命を共にする、
女諜報員百合。

とにかく逃げる、逃げる、
撃つ、撃つ、追う、追う…
手に汗握る追いかけっこ、
そして激しい銃撃戦。

陸軍兵士とヤクザ連合軍に対して
たった二人だけの熾烈を極めた戦い 。

危機一発な展開になっても
どうにか打ち開いて見せる百合。

すごいスピード感、
臨場感たっぷりの逃亡物語。


大正時代の雰囲気もよくとらえらていて、
情景が目に浮かんできます。

それにプラスして
奈加、国松、海軍大佐山本五十六等、
登場人物それぞれのキャラクターも
いい具合に描かれています。

反目する陸軍、海軍、
グイッと物語に引きこまれます。
リボルバー・リリーこと小曽根百合、
強すぎ、かっこよすぎです。





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どこかでベートーヴェン  中山七里

2017-02-02 | 本 な、は行(作家)

どこかでベートーヴェン (『このミス』大賞シリーズ)

「岬洋介シリーズ」の第1作
『さよならドビュッシー』に登場した
ピアニスト岬洋介の過去、
高校生時代の物語。

転入生、岬洋介の才能に対しての
同級生の嫉妬、イジメ…。

音楽科の生徒達の歪んだ心の中を覗くのは
読んでいて辛いです。
人間の若さ、未熟さは残酷です。

次元が全く違ってる人、
天才って言える人に対し、
凡人の心の中に嫉妬心が芽生えるのかなと
疑問に思いました。

岬洋介という人物は
一般人に比べ突出した
演奏技術を持つ天才ピアニスト。

そして、音楽に関する以外の常識や感性は
まるで子供のように
純粋な心のまま育ち
高校生になった岬洋介。
それを理解できない周囲の生徒達。

溢れんばかりの才能を持っていても
なかなかうまくいかないものですね。
最後は、ちょっとバラさない方がいいと思いますが
ああそうなんだって感じ。





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愚行録  貫井徳郎

2017-02-01 | 本 な、は行(作家)

愚行録 (創元推理文庫)

映画化を機に読みました。

ある凄惨な事件の被害者を中心に
それを取り巻く周囲の人々が、
語っていくことで
人間の愚行が明らかにされていく。

ルポライターのような人物が
被害者に関係した人達にインタビュー。
「あたし」がお兄ちゃんに対し語る部分を、
折々挟みこみながら物語は展開。

幸せな一家に突然襲いかかった惨劇。
被害者一家の知人、友人達が語る話は
結構現実味があって嫌みたっぷり。

犯人捜しというより
被害者と関わった周囲の人達の、
嫉妬、エゴ、格差社会が
もたらす心の暗闇など、
愚行の数々、人間の裏側に潜む悪意を
明らかにしていくのが
きっとこの本のテーマなんでしょう。

様々な愚行が明かされ、
イヤな気分になってきます。
心が重くなってしまい、
後味は悪いです。

インタビューの部分と、
「あたし」が語る部分、
ラストになってどういう風に繋がっていくのか
気がかりでした。

映像化もどんな構成になるのか気になります。







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恩讐の鎮魂曲  中山七里

2016-12-25 | 本 な、は行(作家)

恩讐の鎮魂曲

御子柴礼司シリーズ3作目。

介護をする仕事に就いていた者が
自分の命惜しさに、
他人の救命胴衣を奪い、
緊急避難という無罪判決を勝ち取る。
そして高齢者の虐待行為。

そんな人物が殺害された。
御子柴の少年院の元教官稲見に容疑がかかる。

違和感を感じ取る弁護士・御子柴。
そして介護施設を調査。

被告人と弁護士という関係で、
再会を果たした稲見教官と御子柴。

罪に問われた恩師稲見の弁護を
強引に買って出ます。

稲見の尊い自己犠牲の精神、
恩師の為に心を砕く御子柴。

救いたい恩師なのに恩師はそれを望まず
進んで罪に服すことを願う、
それを弁護する御子柴。

今回の依頼人は思い通りにいかない厄介すぎる依頼人。
贖罪を望む稲見の心に反して
無罪になるように弁護を進めます。

真実に近づいていくにつれ
稲見教官の潔癖な信条があぶり出されます。
判決後は無力感に苛まれる御子柴。
人間味を増した御子柴でした。
今回はいつものどんでん返しがなかったような。





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南極点のピアピア動画  野尻抱介

2016-12-25 | 本 な、は行(作家)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

4編からなる連作短編集。
最後の編では登場人物が全て登場。

この本では動画投稿サイトの
ニコニコ動画ではなくピアピア動画。
近未来を描いています。

宇宙に旅立つ恋人達。
軌道エレベーターをクモの糸によって作ります。
深海の旅でクジラと会話
宇宙から送り出されたロボットとの交流。
動画共有サイトピアピア動画と
ボーカロイドによって
壮大な宇宙開発プロジェクトを推進。
そして実現。
ピアピア動画が人を集めていきます。

なって欲しいと思える、
無限の可能性に満ちた
明るい希望に満ちた未来。
発想が愉快です。

悪い人もいないし、戦いもないし、
のどかで楽しいストーリーです。
暗さを全く感じない、
前向きでスケールの大きな物語でした。





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しゃぼん玉   乃南 アサ

2016-12-16 | 本 な、は行(作家)

 しゃぼん玉 (新潮文庫)

老人、女性、弱者だけを狙った
ひったくり常習犯。
自暴自棄な自分を、
はかないしゃぼん玉に例え
犯罪を繰り返しながら
一日、一日を過ごしていた主人公の翔人。

偶然たどり着いた、
宮崎県の山村で出会った、
老婆と村人達によって
人間の心を取り戻していく。

エピローグの
「おめえの面見るまでは絶対死なんぞ」
という婆ちゃん言葉、
今読み直しても胸が熱くなってきます。

帰る場所。彼を必要として待っている人達。
もうしゃぼん玉ではなくなったと感じた翔人。
人生の再生できそうで、よかったです。

来年、林遣都、市原悦子で
映画化されるようです。






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ヒポクラテスの誓い 中山七里

2016-10-04 | 本 な、は行(作家)

ヒポクラテスの誓い (祥伝社文庫)

舞台は大学の法医学教室。
医療ミステリーで、
5つの短編になっています。

主な登場人物は研修医の栂野真琴、
偏屈者の法医学の権威、光崎教授。
外国人准教授・キャシー。

医大の法医学教室に
「試用期間」として入った栂野真琴。

「既往症のある遺体が出たら教えろ」と
刑事に指示する光崎教授。
その光崎の感化を受け
おどおどしていた栂野真琴は
徐々にたくましくなってきます。

解剖することなしで
本当の死因が永遠に
闇になってしまうことって
かなりの数あるのかなと
思い巡らしてしまいます。

登場人物達それぞれの個性が際立っていて
分かりやすく読みやすい小説でした。

中山七里の得意技、
どんでん返しはなかったですが
結構楽しめました。

北川景子主役でWOWOWでドラマ化され
第一話がもう放映されました。
録画していてまだ見ていませんが…

本書の続編として
 「ヒポクラテスの憂鬱」という本も
刊行されています。




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