火花
図書館で60人ぐらい順番を待って
やっと読めました。
お笑い芸人、二人。
徳永と天才肌の先輩の神谷。
面倒な男を自ら装っているような徳永。
彼の思いそのまま他人からは
面倒な男と認識されていた。
神谷は周囲の人とは異なっていた。
徳永に対し神谷は独自の目で
向き合ってくれた。
物語の主人公である徳永は
自分の発言が人を傷つけることを
恐れる繊細な心の持ち主。
彼は面白い人間でいるより
せこくない人間と見られたい人。
それに対し神谷は表現に全く制限がない。
周囲にこびることもない。
そんな人間になりたかった徳永は
拒絶しながらも神谷に憧れてしまう。
徳永が感じるのと同じく、
神谷の送るメールの文末の真意など、
才能を超えた彼の心は想像しにくいです。
読んでいる者にとっても
理解しにくいところがありました。
神谷の最後の行為も謎です。
心の葛藤と焦燥感。
淡々とした語りの中ににじみ出る
ものさびしさがありました。