通信手段がなくなった災害の時こそアマチュア無線が役割を発揮する、という話を聞いていたし、自分でも漠然とそう思ってきました。でも、どんな場面でどう活用できるのか?そういう具体的なことは何も考えていませんでした。
想定されるのは、孤立した避難先で助けを呼ぶなどの緊急時の通信、避難所間とか避難所と支援活動の業務連絡など、いづれにしても非常時や業務的な場面ということになると思います。
では、個人レベルでの通信、たとえば家族間の連絡に使えるのかというと、これは難しいです。免許のことがあるし、たとえ家族全員に免許があったとしても、限られた周波数を家族間の連絡に使うわけにはいかないでしょうね。秘話機能もありませんので、そういう会話を電波でまき散らすのもどうかと・・・。もちろんアマチュア業務の法令上の制限もあります。ということで、アマチュア無線を使っての家族間の通信確保は不可能と考えてよいと思います。
以前にも書いたとおり、我が家では特小トランシーバーが活躍してくれました。アルインコのDJ-R20Dという機種で、5年程前、グループ登山の連絡用に買っておいたものです。携帯電話が繋がりにくかった震災後の1週目くらいまでは、あらかじめ時間を決めて連絡をとったり、開いている店の偵察とか、買い物時の連絡とか、近くの避難所での情報収集など、あるのとないのとでは大違いでした。
10mWで外部アンテナも付けられないので、通信範囲は限られます。試しにどの程度まで交信が可能なのか?先日、あらためて実験してみたところ、市街地でもそこそこ使えることがわかりました。5Wハンディ機のように面的にカバーするという感じではなく、交信可能な地点をピンポイントで探す必要があります。
自宅とJR仙台駅までは約1km。駅前のデッキで慎重に場所探しをしたところ、何とか交信できる地点を見つけることができました。手持ちの無線機を微妙に動かして「電波をとらえる」という感じ。サーッというノイズの中に、息も絶え絶えの信号が41で届いてくれました。下の車道に降りると、まったく交信できなくなりました。
続いて、職場までは約1.5Km。ビルの4階の窓際を動き回ってみましたが、交信できませんでした。職場と自宅をこれで交信できれば災害時に心強いと思ったのですが、残念です。近くにタワービルという21階建てのビルがあって、その最上階の窓際で試してみたところ、52で何なく交信できました。お互い10mWということで、59でガツンと入感はないですが、十分クリアに了解できます。
さらに、繁華街。ローカルな話になりますが、三越仙台店は不可。県庁前の勾当台公園はなんとか可。藤崎デパート前の路上も可。東北大学片平キャンパス可。仙台市博物館と国際センターも可。いづれも慎重に探り当てるという感じではありますが、あらかじめ交信できるポイントさえ押さえておけば、仙台駅および市内中心部をカバーできることがわかりました。
一方、たった300m程の距離でもビルの影になると、とたんに交信不能に。使いこなしは、アマチュア無線以上に難しく奥深い・・・?
電池の持ちはアマチュアハンディ機と比べると桁外れです。スイッチを入れっぱなしでも、数日は持ちます。トーンスケルチも使えるし、秘話機能付きの機種もあるそうで、家族間の連絡に好都合かと思います。
震災後、X相手に久しぶりの無線実験、というより無線ごっこ。携帯電話で話してもちっとも楽しくありませんが、トランシーバーは使うこと自体が楽しいです。
特小特集ありがとうございます。
私も特小大好きです。山ではそれなりに使うのですが、地上でも結構飛びますね!!!!
今度は、是非 山<==>山 でQSOお願いします。
何年か引き出しの中で眠っていたのですが、震災で活用することになりました。ビル反射?どの地点で交信できるか予想できないところが面白いです。今回は市内2Km圏内が限界でした。
今度は、たとえば、泉ヶ岳とか蔵王とか近くの里山とか、山頂と自宅で交信可能かどうか、を試してみたいと思います。
その時にRTGさんとも交信できれば最高ですね。
またお願いします。