JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

山岳移動用?モバイルバッテリー

2016年09月22日 | 移動運用装備


 FT-817やFTM10sを山岳移動で使うにあたり、バッテリーをどうするか、考えています。以前にモービル機とノートPC用バッテリーで運用したことがあり、そう悪くはなかった記憶があります。ただ、耐久性は期待外れ、以降手を出すことはありませんでした。近頃は無線にも適したバイク用リチウムバッテリーも各社から出ているけれど、軽量でかさばらない、しかも安価という条件を満たすのは、やはりモバイルバッテリーかな、ということで性懲りもなく入手してみました。

商品名 PORTEC ジャンプスターター モバイルバッテリー







 車のバッテリー上がりの際に使うジャンプスターターを多用途に使えるようにした商品です。USBのほか、12V、16V、19V、21Vを3.5Aで給電できる仕様。容量は15000mAh。これで重さは400g弱と軽く、かつ薄型なので山岳移動用バッテリーの条件としてはまずまずでは? 3.7Vで15000mAhなので、12Vに換算すると4.6Ahくらいでしょうか。FT817は5W送信で2.0A、FTM10sは10W送信で同じく2.0A。どちらもフルパワーで3~4時間持ってくれれば、といったところです。自分の場合、山岳での運用は3時間程度、フルパワー出すことはほとんどないので、十分な容量かなと。



 付属のアダプターで充電し、まずはノートPCにつないでみました。19V設定で難なく起動してくれました。バッテリーとしては問題ないようです。次に、給電線を加工し、12V設定でFTM10sにつないでみました。12.5Vと表示され、起動。ホッとしたのもつかぬ間、なぜか十数秒でダウン。何度やっても同じ。ノートPCではそんなことはなかったのに、どうして? 実はこのバッテリーにはオフスイッチがありません。何も接続しないと自動的に電源オフになります。接続していても、電流が一定以上流れないと、接続していないと判断しオフになってしまうのです。ノートPCと違い、FTM10sの受信時消費電流は0.3A、この程度では「使っている」ことにならないようです。これは困った。ふと、最初に1回送信し、大電流を流してやれば、「接続されている」と認識してくれるのでは?と考え実験してみたところ、まさにその通り。その後、勝手に電源が切れることはありませんでした。でも、災害時にラジオの電源として使いたい、といった場合などは困ることになるのでは?





 さて、モバイルバッテリーで最も心配なのがノイズの発生です。以前にも電圧切り替え式のバッテリーで悩まされたことがあります。この機種では、430ではまったくなし、145で周波数によりS1~2のノイズが見られました。たとえば145.000MHzメインはノイズなし、145.160、145.180で若干みられ、しかし十数分後にあらためて確認すると消えている。ところが別の周波数でわずかに発生する、そんな感じで、まだらな現象がみられます。交信に影響を与えそうなほどではありません。電源ケーブルにパッチンコアを2ヶ所取り付けたところ、消滅はしないものの軽減され、一応これで良しとしました。ラジオ(AM、FM)にもノイズがみられますが、それがこのバッテリー由来なのかどうか判断しかねるところです。

 まだ山で使ったわけではないので、実際のところは?ながら、ほぼ1日受信してみて、バッテリーの持ち自体は悪くないとの印象です。電圧12.5→12.3V、残量表示100%→75%。





 なお、このバッテリーに付属のケースがFTM10s一式を入れるのにジャストフィット。これには感激してしまいました。もしバッテリーがダメになっても、このケースだけは使えるかな、と。


<追記>
 安定化電源とこのバッテリーを使った場合とで、弱い信号を受信し比較してみました(145MHz)。安定化電源で41~51程度で十分了解できる信号が、モバイルバッテリーに切り替えるとノイズにより信号自体が弱まったようになり、了解が困難になります。これは看過できません。リグの電源コードを短めにカットし、パッチンコア4個に増やしたところ一応収束し、安定化電源同様に聞こえるようになりました。この程度のノイズがこれほど了解度に影響を与えるとは・・・。油断なりませんね。このバッテリー、ノイズ対策は必須です。




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