日本裁判官ネットワークブログ
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法曹5月号に,3/17にチェックメイトさんが紹介した,ドイツのナチスの復活阻止のため、公の場で「かぎ十字」を掲示した被告人に無罪がでた事件についての紹介が書かれています。同紹介記事によると,ドイツでは,反憲法的団体の標章(マーク)を使用する者を3年以下の懲役又は罰金に処する刑法規定があるようです。地裁は,被告人に日本円にして罰金約58万円の有罪判決をしていました。これに対し上訴(ドイツでは,地裁が1審としてした刑事判決への上訴は連邦最高裁への上告のようです。)があり,無罪判決がでたのですが,上告審での公判手続では,弁護側と同様に,連邦検察庁も無罪判決を求めていました。これは,日本の刑事訴訟の常識に慣れた者としてはちょっとびっくりしますが,さらに上告審の判決は,「犯罪行為に反対する者は,罪に問われない」と判示つつ,「このことが分からない者は,罰として宿題を与えられる」と,またびっくりするようなフレーズが述べられているようです。この宿題とは,地裁が補償決定を書かなければならないことを意味しているようです。いろいろ興味深いですね。

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昨年11/21,12/27にお伝えした裁判員制度下における部分判決制度が導入されました。以下は読売新聞からですが,法施行前の改正という「異例」の改正のようです。しかしながら,裁判員制度という大プロジェクトを円滑に進めるため,また国民意識との調和を図るためにやむを得ない改正,いやむしろ望ましい改正のように思います。この趣旨の改正は,頻繁では困りますが,時に果敢に行うのがよいのではないでしょうか。従前の法律が間違っていたとは思いませんが,昔から「過ちて改むるにはばかることなかれ」(論語)といいますから。


同一被告複数事件の「部分判決制」成立…裁判員制へ法改正

 2009年に始まる裁判員制度に向け、複数の事件で起訴された被告の裁判を事件ごとに分離し、それぞれ別々の裁判員が審理する「部分判決制度」を盛り込んだ改正裁判員法が22日、衆院本会議で可決、成立した。

 裁判員の理解を助けるため、公判のビデオ録画も導入される。複雑で長期間にわたる審理を裁判員に強いないよう、政府は同法について、異例の施行前改正に踏み切った。

 今回の改正は、1988~89年に幼女4人を次々に殺害した宮崎勤死刑囚の裁判のようなケースを想定している。この裁判では四つの事件を順々に審理したため、1審の死刑判決まで7年かかった。裁判員制度で同じ方法をとると、裁判員の負担が大きくなる。


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いよいよ通達実施です。長年争われてきましたね。以下は,読売新聞からです。

離婚後300日特例措置、きょうから市区町村窓口で開始

 離婚後300日以内に生まれた子を一律に「前夫の子」とみなす民法規定(嫡出推定)の問題で、法務省が通達を出した特例措置の受け付けが21日から、全国市区町村の戸籍窓口で始まる。

 医師が作成した証明書を出生届に添付し、離婚後妊娠が確認できれば、「再婚相手の子」か、再婚していない場合は「非嫡出子」としての届け出を受理する。証明書には、〈1〉妊娠の推定時期〈2〉推定時期算出の根拠(超音波検査や生殖補助医療の実施日など)――を記す必要がある。

 法務省通達に基づく特例措置による受理であることを明示するため、戸籍の特記事項欄には「嫡出推定が及ばない」と記載される。


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