日本裁判官ネットワークブログ
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 下記談話は,最高裁のHPからです。以前に載せた記者会見とはまた異なるようです。とにかく,長官が国民の皆さんに直接語りかけるのはとてもよいことです。以前は(私の記憶では,昭和30年代,40年代),日比谷公会堂などで,憲法週間の際に,最高裁判事の講演会などがあったようですが,最近は企画されていませんね。最高裁長官,判事の皆さんも,憲法週間の行事などで地方に出向かれることもあると思いますが,是非地方で直接国民の皆さんに司法の重要性や裁判員制度を語りかける機会を作って欲しいものです。一般受けするかどうかは別にして,裁判員制度の実施を視野に入れると,教育関係者や企業の経営者の皆さんに聞いてもらう意義はとても大きいと思います。
                記  
憲法記念日を迎えるに当たって
島田最高裁判所長官談話

 日本国憲法施行60周年の憲法記念日を迎えるに当たり,所感を申し述べたいと思います。

 裁判所は,憲法によって付託された司法権の担い手として,憲法の理念に従い,国民の基本的人権の擁護,法の支配の確立といった重要な使命を果たすべく,これまで努力を続けてきました。

 近年,我が国社会が急速に変貌を遂げ,国際化しつつある中で,裁判所が解決を求められる事件は多数に上り,尖鋭な利害対立を含む複雑で困難な事件も増加しています。裁判所に対する期待はますます高まり,社会の安定と発展の基盤となる司法の役割が一層重要になってきていると申せましょう。

 こうした中,広範で多岐にわたる司法制度の改革が行われました。これまでに多くの新しい制度が実施に移され,具体的な成果を挙げつつあります。私たちは,今後とも,真に国民の利益に適う実務運用が行われるよう工夫を重ね,適正で迅速な裁判と利用しやすく頼りがいのある裁判所の実現に向けて,さらなる努力をしていきたいと考えています。

 改革の大きな課題である裁判員制度の施行まで2年と迫ってきました。この制度は,我が国の刑事司法の有り様を大きく変えるものであり,また,国民の司法参加を実現するという点で大きな意義を有するものであります。私たちは,その円滑な実施に向けて,迅速でわかりやすい審理や評議の在り方を検討するとともに,国民の負担に配慮した裁判員の選定手続の設計を進めています。また,関係機関とも連携しながら,広報活動や国民が参加しやすい社会環境の整備などにも力を入れていく所存です。

 このような裁判員制度の準備に総力を挙げて取り組んでまいりますので,国民の皆様におかれましても,裁判員裁判の意義について更に理解を進めていただきたく願う次第であります。併せて,この機会に司法に対する理解を一層深められ,裁判所に支援と協力を寄せられますようお願いいたします。



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