先住民族関連ニュース

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川本三郎・評 『大楽必易 わたくしの伊福部昭伝』=片山杜秀・著

2024-03-31 | アイヌ民族関連

毎日新聞2024/3/30 東京朝刊 有料記事2100文字

 ◆『大楽必易(たいがくひつい) わたくしの伊福部昭伝』

 (新潮社・2970円)

直線のおおらかさ、強さへ…にじむ憧れ

 伊福部昭(いふくべあきら)は戦後、旧世代の音楽家とみなされ長く忘れられてきた。一九七〇年代に芥川也寸志(やすし)や黛敏郎の師として再評価されるようになり、現代では単に「ゴジラ」の作曲家としてだけではなく、近代日本の独創的なクラシック音楽家として高い評価を得ている。

 この伊福部昭再評価に力あった一人は間違いなく音楽評論家の著者。これまでもいくつも、いっとき忘れられた作曲家への賛歌を書き続けてきたが、本書はその集大成。力作。

 自ら伊福部狂いというだけに敬愛の念が深く熱い。好きになったのは子どもの頃。年季が入っている。「キングコング対ゴジラ」「モスラ対ゴジラ」といった怪獣映画を見て、その音楽に気持が昂(たか)ぶった。やがてそれが伊福部昭という作曲家のものと知る。

 敬愛が始まる。七六年、中学一年の夏休みには、愛情が昂(こう)じ、伊福部の家にまで行く。聖地巡礼である。無論、訪(おとな)いを入れる勇気はなく、表から礼をしただけ。微笑(ほほえ)ましい。

 同じ年に弟子の芥川也寸志が指揮するアマチュア・オーケストラによる伊福部の戦時中の傑作「交響譚詩(たんし)」の演奏会に行き、はじめて敬愛する作曲家の本物を見る。熱烈な「伊福部信者」として心が震えたことだろう。

 大学生の時、デパートの古本市で伊福部自身も手元になくしていた「土俗的三連画」の楽譜を発見するくだりは感動的。

 やがて思い切ってインタビューに訪れる。気に入られ、何度も通うようになる。孤高の音楽家は自分を敬してくれる孫のような世代の青年の訪問を喜んだのだろう。

 本書には、著者の日本近代音楽史の深い知識に加え、折々の作曲家のなまの言葉が随所に引用され、厚みを増している。

 伊福部昭は一九一四年、北海道の釧路の生まれ。父親が警察署長や村長を務めたため北海道各地を転々として育った。この北の大地で生まれ育ちという出自が、原初的、土俗的といわれる伊福部音楽の特色を作ってゆく。

 子どもの頃から隣人であるアイヌの人々の暮らしに接する。彼らの素朴な音楽に感動する。札幌に移った時には亡命ロシア人の奏でるバラライカの音に魅(ひ)かれる。ロシア北方少数民族のギリヤーク(ニヴフ)の民族楽器トンクルを知る。

 伊福部がバッハやベートーヴェンに代表されるドイツの音楽家よりもロシア出身のストラヴィンスキーを愛した遠因は、少年時代のこうした音楽体験にあるようだ。

・・・・・・・

(評論家)

https://mainichi.jp/articles/20240330/ddm/015/070/024000c


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東京で伝え続ける沖縄 住宅街に「資料館」写真など5000点 /新潟

2024-03-31 | ウチナー・沖縄

毎日新聞2024/3/28 地方版 有料記事1795文字

「狛江の小さな沖縄資料館」を営む高山正樹さん(右)と宇夫方路さん。紙で作ったガジュマルの木の枝が天井まで広がる=東京都狛江市で2024年1月30日、鈴木玲子撮影

 入り口のドアを開けると、そこに突然、「沖縄」が広がっていた。東京都狛江市の住宅街。建物2階に「狛江の小さな沖縄資料館」があった。金網をくぐって中に入る。沖縄の在日米軍基地を囲む有刺鉄線付きのフェンスをイメージした。「フェンス、よくできているでしょ」。資料館を営む高山正樹さん(66)が、一緒に運営する宇夫方路(うぶかたみち)さん(65)と出迎えてくれた。【鈴木玲子】

 資料館は、沖縄の日本復帰から50年の2022年7月、沖縄の報道カメラマン、大城弘明さんの写真展を始めたのがきっかけだ。高山さんは、自身が手掛けるイベントや地図製作関連の会社事務所を改装した。

 大城さんから託された写真は、タイトル「ベトコン村」(1968年)など、激動の沖縄戦後史を写し出していた。ベトコンとは南ベトナム解放民族戦線のことで、60年代のベトナム戦争で、ゲリラ戦によって米軍に対抗した。米軍は沖縄北部・東村高江にゲリラ戦訓練施設を設置した。通称「ベトナム村」とも呼ばれ、戦闘訓練には高江の住民がベトコン役として動員された。高山さんは、沖縄を取り巻く状況を伝える説明文や年表を作って一緒に展示した。

 すると、沖縄の報道カメラマンの山城博明さんからも写真が届いた。かつて沖縄の女性たちが手の甲や指に施した入れ墨「ハジチ(針突)」の風習や、北部・山原(やんばる)の豊かな自然が写っていた。

 最近、戯曲「人類館」の舞台の写真が加わった。人類館とは、明治時代に大阪市であった政府主催の内国勧業博覧会に合わせて、会場の外に設置された「学術人類館」という民間パビリオンのこと。琉球人やアイヌ、台湾先住民らが見せ物として展示された。沖縄の劇作家、知念正真(せいしん)さんが76年、その出来事を題材に戯曲を発表し、沖縄で初演された。展示した写真は、大城さんがその初演を撮影したものだ。資料館には、こうした貴重な写真や年表、書籍など、集めに集めた沖縄関連の資料約5000点が並ぶ。

 そして目をひくのが、館内の真ん中にそびえるガジュマルの木の紙製オブジェだ。「ここにはアートが足りない」と感じて自ら作った。天井まで伸びた枝が展示と展示をつなぐように広がり、まるで高山さんの頭の中を表しているかのようだ。

・・・・・・・

https://mainichi.jp/articles/20240328/ddl/k15/040/173000c


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旭山動物園・美瑛・富良野ルート&ウポポイ・洞爺湖ルート 北海道HISオリジナル日帰り観光バス運行 「北海道キャンペーン」第2弾も開始

2024-03-31 | アイヌ民族関連

株式会社エイチ・アイ・エス2024年3月30日 10時00分

 株式会社エイチ・アイ・エス(本社:東京都港区 以下、HIS)は、北海道にて人気の観光地を巡るHISオリジナルの日帰り観光バスを5月25日(土)~9月30日(月)の期間限定で運行します。

 HISでは、グリーンシーズン到来の北海道での観光を更に充実いただけるよう、期間限定で札幌発着のHISオリジナル日帰り観光バスを運行いたします。旭山動物園・美瑛・富良野ルートとウポポイ・洞爺湖ルートの2コースを設定し、HIS主催の札幌滞在のツアーをお申込みの方は、どなたでも滞在中どちらか1回ご参加いただけます。

◆旭山動物園・美瑛・富良野ルート

催行日:月・火・木・土・日曜日

旭山動物園(自由昼食)、美瑛の丘・ケンとメリーの木、白金青い池、ファーム富田

所要時間:11.5時間

 ◆アイヌ文化に触れるウポポイ・洞爺湖ルート

催行日:水・金曜日

ウポポイ・民族共生象徴空間(自由昼食)、昭和新山(クマ牧場)、サイロ展望台、中山峠

所要時間:10時間

運行期間:2024年5月25日(土)~9月30日(月)※各日先着44名様限定

集合場所:プレミアホテル中島公園札幌、ANAクラウンプラザホテル札幌 ※札幌駅解散

 対象:HIS主催の札幌滞在ツアーお申込みのお客様

※いずれも、施設への入場が含まれ、別途入場料のご負担は不要です。

※内容は変更になる可能性がございます。

 また、旅先の不安を少しでも解消いただけるよう、5月10日(金)~9月30日(月)の期間限定で、新千歳空港到着ロビーにHIS北海道コンシェルジュ(相談カウンター)を設置いたします。現地情報のご案内、お得なクーポン配布など、お客様の北海道滞在をサポートいたします。

HIS北海道コンシェルジュ(相談カウンター)

設置期間:2024年5月10日(金)~9月30日(月)

営業時間:9:30~16:30(期間中無休)

北海道キャンペーン第2弾

現在開催中の「北海道キャンペーン」第2弾として「夏先ドリ編」を開始します。札幌・小樽のコースをお申込みで、ザンギやソフトクリームなど10個のメニューを全て楽しめる食べ歩きクーポンや、函館・湯川のコースをお申込みで、函館山ロープウェイ往復乗車券が付くなど、盛りだくさんの特典をご用意しております。

HIS北海道特集 https://www.his-j.com/kokunai/campaign/hokkaido/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001084.000005110.html


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カナダ先住民の衣類や道具展示 北方博物館で企画展

2024-03-31 | アイヌ民族関連

青山千裕 会員限定記事

北海道新聞2024年3月30日 21:47

カナダ・ユーコン準州に暮らす先住民の衣類や道具が並ぶ企画展

 【網走】カナダの北西部に位置するユーコン準州に暮らす先住民の文化を紹介する企画展が、北方民族博物館で開かれている。衣類や仮面、短剣など、文化を象徴する約50点が並ぶ。

 企画展は、自身もユーコン準州の先住民で同館と交流があるユクジーズ・ヴァン・カンペン博士が提案した。

 トナカイの角でできたスプーン(コレクション)やシラカバの皮でできた面(作品)、刺しゅうが施された衣装(コレクション)など、カンペン博士のコレクションと作品を展示した。

 ・・・・・

 4月7日まで。午前9時半~午後4時半。企画展の観覧は無料。一般550円、高校・大学生200円、中学生以下無料。7日午後2時半からは、カンペン博士による解説会を開く。定員20人で、事前の申し込みが必要。申し込みは同館、電話0152・45・3888へ。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/994549/


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チタタプ(ちたたぷ)

2024-03-31 | アイヌ民族関連

numan2024年3月30日

「チタタプ」の意味

「チタタプ」(ちたたぷ)とは、アイヌ文化の料理。魚や肉など何度も叩いて細かく切り裂き、味をつけたもの。たたき料理の一種で、なめろうやタルタルステーキに近い。

またこの料理を作るため、材料をたくさん叩くこと。

料理名の由来はアイヌ語で「我々がたくさん叩いたもの」。

「ci(=我々、私たち)」「tata(=たくさん叩いた)」「p(=もの)」。正式な発音では、最後の「プ」が小さくなる。表記が難しいため、本記事ではすべての音を同じサイズにしている。

野田サトル氏によるマンガ『ゴールデンカムイ』に登場し、知名度が上がった。両手に一丁ずつ包丁を持ち、「チタタプ、チタタプ」と言いながら調理する。またその場にいる全員が順番に叩く様子などが描かれている。

「チタタプ」の由来・語源

アイヌ語で「我々がたくさん叩いたもの」。

素材となる魚や肉をたくさん叩いて細切れにする調理方法に由来する。

「チタタプ」の活用

「ゴールデンカムイで知ったチタタプを食べたくて、アイヌ料理屋さんに行ってみました」

「肉はチタタプすればするほど美味しくなる」

「今夜のメインディッシュは、チタタプしたサケです」

「チタタプしたマグロを焼いてハンバーグを作るよ」

「ジビエレストランでチタタプ体験やってる」

「チタタプしてる推しの画像はこちら」

▼たくさん叩く理由

チタタプで材料をたくさん叩く理由として「魚や小動物の骨まで砕き、無駄なくすべてを食べ切れる」「老いた動物の固い肉も、柔らかく美味しく食べられる」などが挙げられる。基本的には生肉を調理しそのまま食べるものだが、細かく叩いた材料を汁物「オハウ」の具とすることもある。

▼チタタプの主な食材

チタタプに使用される食材は多岐にわたるが、いずれもアイヌの生活圏で捕れやすいものである。

魚:サケ、マス、ニシン、イワシなど

肉:リス、ウサギ、エゾシカ、カワウソ、ヒグマなど

▼チタタプは家庭で作れる?

『ゴールデンカムイ』の流行と共に、作中でも印象的な「チタタプ」は注目を集めた。アイヌ料理店、北海道料理店、ジビエを取り扱う料理店を中心に、チタタプを提供する店も増えている。レシピ自体はシンプルであるため、材料によっては自宅での調理も十分可能に思われるが、寄生虫や細菌などのリスクもある。

特にシカ肉を使用する場合、E型肝炎ウイルスのリスクは深刻である。

そのため本来は生食を基本とした料理だが、加熱調理をはじめとした各種対策は怠ってはならない。専門店によってはチタタプ作りを体験できるコースもあるため、より気軽に楽しみたい人は検討すると良いだろう。

▼『ゴールデンカムイ』内のお約束料理

チタタプは作中でたびたび登場するため、『ゴールデンカムイ』ファンにはおなじみの料理である。作中の調理シーンがグッズ化されたり、扉絵やおまけのネタに用いられたりと公式展開も多い。2018年には新宿で開催されたコラボイベントで「鶏のチタタプ オハウ仕立て味噌風味」が提供されている。

また2023年に横浜・大阪で開催された体験型イベント『ゴールデンカムイ 黄金遊戯』では、杉元とアシリパと共に新鮮なサケを手に入れるミニゲーム『チタタプって言えぇ!!』も用意され話題となった。

▼実写映画でも話題に

2024年に公開された、実写映画『ゴールデンカムイ』にもチタタプは登場している。

本作のフードコーディネーター・はらゆうこ氏が担当。アイヌ民族料理研究家・三神直美も監修を手掛け、材料の選定からリアリティを追求した。また、アイヌ語・文化監修を務めた秋辺デボ(アシリパの大叔父役)が、チタタプをする包丁の角度や速さも指導し、こだわりの料理シーンに仕上げられている。

ヒンナ(ひんな)

ニシパ(にしぱ)

https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/チタタプ-ちたたぷ/ar-BB1kMxqN


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金田一博士植樹の桜を公開 昭和35年、武四郎生誕地の庭へ 三重・松阪

2024-03-31 | アイヌ民族関連

夕刊三重新聞3/30(土) 16:10配信

国語辞典編さんやアイヌ語研究で有名

これから咲き始める金田一博士のソメイヨシノ=小野江町の松浦武四郎生誕地東側の庭で

 三重県松阪市小野江町出身で北海道の名付け親・松浦武四郎の誕生地を守る松浦武四郎誕生地保存会(杉谷義一会長、約30人)は30、31の両日、同町の松浦武四郎生誕地の東側の庭で、多くの国語辞典などを編さんしアイヌ語の研究でも知られる言語学者の金田一京助博士(1882~1971年)が、64年前に植樹したソメイヨシノを一般公開している。午前10時~午後3時。

 金田一博士は1960(昭和35)年に講演で来県した際、武四郎の生家を表敬訪問し、かつての生家の建物跡だった敷地内の畑にソメイヨシノ1本を植えた。

 現在はヤマザクラも植えられている。今は私有地だが、植樹から50年を迎えた2010(平成22)年に、同保存会が呼び掛けて毎年公開。コロナ禍の中断を経て昨年から復活した。

 会場には、金田一博士が訪問した当時の写真などが飾られており、ベンチも並べられているのでゆっくりと桜を鑑賞できるようになっている。

 今年は桜の開花が遅れており、30日午前は5輪前後が咲くのみ。同保存会の理事・飯田嘉之さん(79)=小野江町=は「今日が(ここの)開花宣言の日。1週間くらいで満開になると思う。咲いたらとてもきれいなので、多くの人に見てもらえたら」と話した。30、31日は、通常は有料の誕生地が無料で見学できる。

 同保存会は、桜が咲いたら改めて特別公開する予定という。

 問い合わせは松浦武四郎記念館TEL 0598(56)6847 へ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ad6dfbfc5f63f311dade3f535617b9fa79d84f32


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