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先住民族同士、親交深めたい 白老に台湾・秀林郷の訪問団

2024-03-13 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年3月12日 18:47(3月12日 19:08更新)

台湾から訪れた潘秘書(左)にアイヌ刺しゅうを渡した大塩町長(中央)と山丸理事長

 【白老】町と友好交流推進協定を結ぶ台湾の花蓮県秀林郷の訪問団が町役場を訪れ、大塩英男町長や白老アイヌ協会の山丸和幸理事長と懇談した。

 町と秀林郷が2022年8月に協定を締結して以降、初の交流となった。秀林郷は原住民族と呼ばれる台湾の先住民族「タロコ族」が人口の約9割を占めており、協定は文化や観光などの交流を図る目的で結んだ。

訪問団は3~7日の日程で来道。5日、白老町役場や民族共生象徴空間(ウポポイ)で職員らと意見を交わした。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/986463/


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体験型観光推進を追加 釧路市が第2期ビジョン見直し案

2024-03-13 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年3月12日 19:23

 釧路市は、観光施策の指針となる「第2期市観光振興ビジョン」(2017~26年度)の中間見直し案をまとめた。新型コロナウイルス感染拡大など社会情勢の変化を反映し、体験型観光やワーケーションなどの推進を新たに追加した。3月末をめどに改定する。

 近年の体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」の世界的な市場拡大や、コロナ禍でのワーケーション普及など、同ビジョン策定時の17年度から観光産業を取り巻く状況は変化している。

 中間見直しでは、釧路湿原やアイヌ民族の文化を生かしたATの商品企画、冷涼な気候をアピールするワーケーション誘客などを盛り込んだ。経済の域内循環を狙いに、地場食材を活用した料理や加工品の開発にも取り組むとした。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/986497/


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『ゴールデンカムイ』だけじゃないーー格ゲー原作や巨匠作品まで、アイヌ文化の奥深さを知るための漫画3選

2024-03-13 | アイヌ民族関連

リアルサウンド2024.03.12 07:00

文=ニコ・トスカーニ

実写化された『ゴールデンカムイ』が好評である。 公開されてわずか17日間で観客動員数111万人、興行収入16.3億円を突破し、レビューサイトでも概ね好評である。筆者も鑑賞したが、マンガ原作特有のコスプレ感を多少は残しつつも、実写であることに違和感の無いレベルにビジュアルを落とし込んでいた。アクションを得意とする久保茂昭監督の職人芸も見事だった。

  WOWOWで続きがテレビシリーズになるとの発表もあり、実写版ひとつとっても息の長いコンテンツになりそうである。映画のスタッフ、キャストの続投も発表されており出来栄えも期待できそうだ。原作の連載が終了して記事執筆時点で早2年近くが経つが、TVアニメの最終章制作も決定しており、まだまだ熱は冷めそうにない。

  明治の北海道を舞台にした『ゴールデンカムイ』はアイヌ文化に関する描写を前面に押し出している。ここまでアイヌ文化を前面に押し出し、なおかつこれほどポピュラーになった作品は他に例がない。ここでは敢えて『ゴールデンカムイ』以外でアイヌを取り上げたマンガを取り上げてみることとする。

■内藤泰弘『サムライスピリッツ』(徳間書店)

  まずはSNKの対戦型格闘ゲーム『サムライスピリッツ』を原作とした本作を挙げておこう。正確には同シリーズに登場するナコルルがアイヌの巫女という設定である。ゲームが非常に息の長いシリーズ(一作目の発表は1993年)になったこともあり、アシリパ登場以前に最も有名なアイヌのキャラクターはナコルルだったかもしれない。

  シリーズ内でも人気のキャラクターであり、ナコルルを主人公にしたオリジナルアニメ『ナコルル-あのひとからのおくりもの』も発表された。後に妹のリムルルもプレイヤブルキャラクターとして登場している。

  ここで紹介するのは知る人ぞ知る『サムライスピリッツ』のコミカライズの傑作である。作者の名前を見て驚かれた方も多いであろう、何とコミカライズ担当は『トライガン』『血界戦線』シリーズの内藤泰弘氏である。

  本作は内藤氏が『トライガン』で有名になる前の連載で、ゲーム雑誌のファミリーコンピューターマガジンに掲載されていた。ゲーム原作としながら内容はほとんど内藤氏のオリジナルで、何と天草四郎以外の敵役はほぼ全員オリジナルキャラクターである。さらに主人公、覇王丸にあこがれる小綱という少年のキャラクターが重要な役割を果たす。

  血なまぐさく重厚な、青年誌掲載が適切と思われる内容で、内藤氏のファンにはかなり強くお勧めできる。残念ながら打ち切りの憂き目に遭ってしまったようで、最後は唐突に終わってしまう。本来の内藤氏の構想ではどうなっていたのか、個人的に非常に気になる作品である。

  蝦夷(北海道。同作は江戸初期が舞台)が舞台のエピソードもあり、ナコルルと原作には登場しないナコルルの仲間たちも登場する。ビジュアルは『ゴールデンカムイ』に通じるところがあり、装束や文化、弓矢を使った戦闘方などは内藤氏も執筆にあたって取材をしたものと思われる。

■武井宏之『シャーマンキング』(講談社)

  こちらも『サムライスピリッツ』と同じく、作品全体ではなくキャラクターの一人、ホロホロ/碓氷ホロケウがアイヌ文化をバックグランドとしている。ホロホロは北海道から上京してきたアイヌのシャーマンという設定であり、ナコルルと何となくイメージが共通する。違うのは戦闘スタイルである。

  ナコルルが短刀と鷹で戦うのに対し、ホロホロはスピリチュアルな戦い方をする。ホロホロが利用するのは大地の精霊・コロポックルで、コロポックルはアイヌの伝承に登場するカムイの一種である。カムイは「神」と訳されることもあるが、実際は「精霊」と言った方がより感覚的に近く、そういう意味で『シャーマンキング』は正しくカムイを描いていると言えそうである。

■手塚治虫『シュマリ』(手塚プロダクション)

手塚治虫『シュマリ』(手塚プロダクション)

 マンガの神様・手塚治虫のメジャーとは言い難い一作。『ゴールデンカムイ』以前では数少ないアイヌ文化を前面に押し出した例である。 

  舞台は『ゴールデンカムイ』と同じく明治時代(ただしもっと初期)で、おそらく野田サトル氏は本作を意識したのではと思われる部分が度々ある。

  イナゴの大群やオオカミなど北の大自然が容赦なく襲いかかる描写や、隠匿された五稜郭の軍用金を巡るエピソードなどかなりイメージが重なる。ポン・ジョン(小さなウンコ)という名前のアイヌの子供が登場するが、これも『ゴールデンカムイ』とイメージが重なる。大きく雰囲気が違うのは明治初期という時代から、北海道開拓に関するエピソードが多く、『ゴールデンカムイ』に比べて内地から渡ってきた和人の登場割合が高いことだろうか。

  物語は主人公「シュマリ」が逃げた妻・妙と相手の男を探し北の大地を彷徨するところから始まるが、その目的は序盤であっさり達成される。その後、物語は様々な人物か絡み合う姿が緩く繋がった一話完結の形式で描かれる。まるで大河ドラマのような重厚な内容で、マンガの神様がどれほど時代を先取りしていたのかこの偉人の凄さに改めて感服する。半世紀近く前の作品だが、電子書籍化されているので手に取りやすくなっている。『ゴールデンカムイ』が好きで仕方ない向きの方には強く推奨したい。 

  最後にマンガではないが中川裕氏の『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』を挙げておこう。中川氏は原作と実写映画でアイヌ語監修を務めた人物であり、『ゴールデンカムイ』のアイヌ描写について「もっと知りたい」と思った方には最良の一冊である。

  アイヌの精神世界を代表する「カムイ」の概念の解説から始まり、アイヌ人の先祖はどこから来たのか?、アイヌの伝承、アイヌ語の特徴、アイヌの食文化など原作に描写されたものは大体網羅されている。

 『ゴールデンカムイ』作者の野田サトル氏による書下ろしマンガもついており、原作読後、映画鑑賞後の作品をお替わりしたい気持ちの方にもピッタリだ。連載当時は敢えて日本語訳を載せなかった2巻14話のフチが主人公・杉本にかけた言葉の意味も解説されている。平易でも読みやすく、パンフレットのようなガイド本として気楽に楽しめるので気になる向きの方は是非手に取っていただきたい。

https://realsound.jp/book/2024/03/post-1597562.html


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台湾で撮影の「ソロ活女子4」、13日に全12話一挙配信

2024-03-13 | 先住民族関連

中央フォーカス台湾2024/03/12 16:21

13日にドラマ「ソロ活女子のススメ4」全12話が日本と台湾の動画配信サイトで一挙公開される(中華電信Hami Videoのユーチューブチャンネルから)

(台北中央社)台日共同制作ドラマ「ソロ活女子のススメ4」全12話が13日、日本と台湾の動画配信サイトで一挙公開される。主演の江口のりこが、南部・高雄や台南から、北部の平渓(新北市)、九份(同市)まであちこちに「上陸」する。

「ソロ活女子のススメ」は、江口演じる主人公・五月女恵が、退勤後にさまざまな「ソロ活動」にチャレンジし、一人の時間を楽しむ様子を描いた朝井麻由美のエッセー。2021年にドラマ放送が始まり、これまでシーズン3まで制作されている。シーズン4では、五月女がソロ活の新たなレベルとして一人で海外旅行に挑戦する。

シーズン4は、テレビ東京と台湾の通信大手、中華電信が共同で制作した。台湾人俳優も複数登場する。

11日に公開された予告編では、五月女が天灯(スカイランタン)を飛ばしたり、台湾先住民(原住民)族の集落を訪問したり、観光名所の九份の茶屋で流暢な日本語を話す店員と遭遇したりするシーンが映し出されている。

共演したホァン・グァンジ(黄冠智)は、過去に日本語での演技経験があり、日本語を学んだことがあったというが、今回は日本語で台湾先住民族ルカイ族を紹介することになり、「本当に頭が痛かった」と苦労を告白。主人公・五月女の自分に向き合い、自分を知る旅にひかれたとし、いつか「ソロ活男子」を演じてみたい、と冗談を交えた。

また天灯ショップ店員を演じたレジーナ・レイ(雷嘉汭)は日本語学科を卒業したことを明かし、学んだことがドラマで生かせるなんて思ってなかったとうれしそうに話した。「日台友好」をライフワークとして長年台日共同制作の作品に出演しているアンナ・リー(安娜・李)は「台湾のたくさんの魅力が、日本の皆さんに伝わってほしい」とコメントした。

配信は、台湾では中華電信のマルチメディアプラットフォーム「MOD」と動画配信サービス「Hami Video」で、日本では「Lemino」と「U-NEXT」でそれぞれ配信される。テレビでは4月3日からテレビ東京系で放送開始予定。

(葉冠吟/編集:中村充孝)

https://japan.focustaiwan.tw/entertainment-sport/202403120006


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大きな自然のなかで、人の営みにふれて カナダで叶う、わたしらしさを取り戻す旅

2024-03-13 | 先住民族関連

ランドネ2024/03/12

ランドネ前編集長の佐藤泰那さんが昨夏はじめて訪れ、すっかり惹きつけられてしまったカナディアン・ロッキー。後編では、佐藤さんが次回の訪問にそなえて注目している旅のコンテンツをご紹介します。

昨夏、カナディアン・ロッキーを歩いて旅をしながら、なじみ深い日本の自然と比べると桁違いに大きなフィールドにびっくりし、すっかり魅了されました。そんななか滞在中に興味がうまれたことのひとつに、先住民との自然との関わり方があります。事の発端は、カナダの友人に山でハーブティを淹れてもらったこと。初めていただく香りと味わいにおどろき訊ねたところ、ファースト・ネーションズで受け継がれてきたレシピで製造されていると教えてもらったことがきっかけでした。

日本国内でも北海道を旅すると、アイヌ民族が自然への畏敬の念をもって名づけた地名をよく目にします。名前の由来を知ると、目の前の風景にまた違った意味合いを感じ、愛着が生まれてくることもあります。

すっかり虜になったカナディアン・ロッキーの自然にも、もう一歩、近づきたい。そんな思いから、ファースト・ネーションズがどのように自然を捉え、共存しているのか、知りたくなりました。そんな古き良き伝統への好奇心を満たしてくれる旅が、アルバータを拠点に叶うのだそうです。

アルバータ州には、ファースト・ネーションズの集落が48、メイティ(ファースト・ネーションズとヨーロッパ人の混血子孫である先住民族)の集落が8つあり、地域ごとに多様な文化、言語、物事の捉え方が根づいています。

先住民たちが自然とどのように共存してきたのか、その一端に触れられる体験のなかで、わたしが気になっているものをふたつご紹介します。

ひとつめは、「マヒカン・トレイル」というプログラム。主宰は、アルバータ州ジャスパーで生まれ育ったブレンダ・ホルダーさんです。彼女はジャスパーに土着するクワラクワンテ族の通訳を代々務め、先住民の知恵を使ったワークショップやガイドツアーを開催しています。なかでもおもしろそうなのは、野生の植物から一人ひとりにあった薬をいっしょに作ってもらえるワークショップ。ブレンダさんはありとあらゆる植物に精通していて、自然のなかを歩いて季節の草花の採取をしながら、先住民が土地とどう関わってきたのかも教えてくださるのだとか。食べられる動植物や火おこしの方法など、生き抜くために大切な知恵を授けていただけるそうです。

ふたつめは、アルバータ州の州都エドモントンにほど近い「メイティ・クロッシング」。 1800年代後半に多くのメイティが入植した川に沿って建てられた施設です。メイティの歴史や文化などに触れることができるさまざまな体験が用意されているほか、宿泊をすることもできるので日帰りでも数日でも楽しめます。

夏のカヌーのツアーではビーバーの罠の仕掛け方を学んだり、冬はスノーシューを履いて小動物を捕まえる罠を設置したり、メイティの生活に欠かせなかった狩猟について学ぶことも。メイティの装飾品を作ったり、バイソンの干物を食べたり、伝統的なダンスを踊ったりとユニークな体験ばかりで親子連れでも楽しめそうです。ちなみにビーバーは、国立公園のシンボルマークになっていて、カナダの歴史や生物多様性、自然保護活動の象徴的存在。これらの体験をとおして、自然に寄り添って暮らしてきた先人の知恵に触れ、都市部で暮らす自分自身の日々の暮らしを見つめ直してみたいなと思っています。

もうひとつ、前回の旅を経て、忘れられない体験のひとつが、カナナスキスのテントサイトで眺めた星空です。わたしが堪能したのはバックカントリーですが、カナダにはアクセスしやすい場所にも無数のキャンプ場があり、さまざまな楽しみ方ができます。

ビギナーなら、グランピング気分を味わえる常設テントやRV車(キャンピングカー)を予約して、大きな自然のなかで夜を過ごし、朝を迎える体験がおすすめです。アルバータ州のキャンプ場は、冬も営業しているところもあるので、運が良いとオーロラを眺められることもあります。

星空を楽しむ選択肢としては、ジャスパー国立公園が人気。光害を抑制して夜空を保護する「ダークスカイ保護区」に指定されています。国立公園内にある町は人口4000人余りと小さく、夜間の照明を極力減らす取り組みが進んでいるため、街から近い場所でも澄み渡った夜空を見ることができるのだとか。毎年10月には大きなフェスティバルが催され、世界中から天文学者が集まるほどです。ガイド付きの星空観察やプラネタリウム体験、写真ワークショップなどに参加することもできます。満天の星空を眺めに、ジャスパー国立公園は一度は訪れたい場所です。

自分の力ではどうすることもできない、圧倒的な大きな自然に包まれて過ごすうちに、焦りが消えたり、複雑な考えがシンプルに整理されたり。そうして、自分らしさを取り戻させてくれる、そんなパワーがカナディアン・ロッキーにはあるように感じています。

そんな冒険へと軽やかに旅立つために注目したいのは、2024年4月4日から運航再開するウエストジェットの成田(東京)とカルガリー(アルバータ州)を結ぶノンストップ便。
往路は成田を夕刻に出発すると、時差の関係で、カルガリーには当日お昼に到着。その日から町に繰り出せます。復路はカルガリーをお昼すぎに出発し、翌日は成田に夕方ごろ到着します。その晩しっかりと休息をとれば、次の日からはお仕事に復帰することもできる、ワーキングパーソンにもありがたいスケジュールです。

まずは1週間のおやすみを作ることができれば、はじめてのアルバータ旅には充分です。本来の自分らしさを取り戻す旅へと出かけてみませんか。

https://funq.jp/randonnee/article/945967/


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カナダ環境・気候変動省、揮発性有機化合物の排出規制を強化へ

2024-03-13 | 先住民族関連

ELCネット2024.03.12

カナダ環境・気候変動省は、精油所の貯蔵タンクや積込み施設、石油化学工場などから排出される揮発性有機化合物(VOC)の排出規制を強化するための規則案を発表した。排出施設に対し、蒸気制御装置の設置と定期的な点検・修理を義務付ける。

VOCは、スモッグやガン・呼吸器疾患など健康被害の原因物質である。すでに2020年に、石油部門に対する揮発性有機化合物放出削減規則が成立し、カナダ全国25ヶ所の精油所、改質設備等は漏洩防止と修理、フェンスラインモニタリングなどが義務付けられている。今回の規則案はこれを強化するもの。近傍に精油所などが立地する先住民社会の環境と健康を守るため、規則案作成にはこれら先住民社会の協力を得た。

政府は同日、給油所からのベンゼン排出削減を図るリスク管理戦略に関する意見公募を告示した。カナダ保健省が2023年に発表した報告書によると、給油所近傍の住民は、地下のガソリンタンクなどから放出される発がん物質の曝露リスクが非常に高いという。

【カナダ環境・気候変動省】

https://eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&serial=50358


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1万1000年前に始まったオーストラリアの山火事に対する人類の影響

2024-03-13 | 先住民族関連

Nature Geoscience 2024年3月12日

オーストラリアのサバンナにおける火事の様相への人類の大きな影響は、ほぼ1万1000年前に始まったことが、湖堆積物中の木炭層の分析から明らかになった。このことを報告する論文がNature Geoscienceに掲載される。今回の知見は、気候変動の結果として山火事の頻度が増大するのをどのように管理するかについて、我々の理解を深めるのに役に立つ可能性がある。

火は長い間、オーストラリアの先住民コミュニティーで、景観を彼らの社会に有益な形に管理するため(例えば山火事を防ぐなど)に用いられており、意図的な火事は、植物や動物の個体数と生物多様性の両方に影響を及ぼしてきた。一方で、自然の火事(例えば落雷によって着火した火など)もまた広範に広がっており、地域の気候条件が景観の燃えやすさの傾向を決定している。オーストラリアにおいて、人類が存在した何万年も前にさかのぼる詳細な火事の記録がないために、自然の火事の体制に対する人類の影響がいつ始まったかを決定することが困難となっていた。

今回、Michael Birdらは、オーストラリアのノーザンテリトリー州にあるギラウィーン・ラグーンで得られた堆積物中の木炭と火災由来の化合物を分析し、過去15万年にわたるサバンナ生態系における火事の頻度と強度を再現した。その結果、およそ1万1000年前に、頻度が少なくより強度の強い火事から、頻度が多いが強度の小さい火事への、明瞭な変化が始まったことが分かった。Birdらは、これは、人類が火事を景観レベルで改変し始めたことを反映している可能性があると指摘している。

Birdらは、今回の知見は、人類がより強度の強い火事が起こる可能性を管理できた可能性を示していると結論付けている。Birdらはまた、先住民の管理技術を再実行することで将来の火事のリスクを軽減できるかもしれないと示唆している。

doi:10.1038/s41561-024-01388-3

https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/14830


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