先住民族関連ニュース

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差間正樹さん(ラポロアイヌネイション(旧浦幌アイヌ協会)会長) 2月6日死去 73歳 先祖の遺骨、古里に取り戻す

2024-03-12 | アイヌ民族関連

 

会員限定記事

北海道新聞2024年3月11日 10:25

秋サケの遡上(そじょう)に感謝する伝統儀式「アシリチェプノミ」を終え、浦幌十勝川の川岸で「生活に根ざさない文化はいずれ消えてしまう」と話す差間正樹さん=2022年9月

 墓地から持ち去られたアイヌ民族の遺骨の返還を求めて奔走し、実現させた。北大や東大などから古里に戻った遺骨は103体に上る。十勝管内浦幌町の地に、子孫らの手で再び埋葬した。

 「先祖に地元で眠ってほしいという願いは、尊敬するアイヌの先輩から受け継いできた」「遺骨返還は、やり遂げた思いでいっぱいです」。そう語っていた。

 昨年5月、国際シンポジウムに参加した海外の先住民族らを、かつてアイウシコタン(集落)の墓地だった場所に案内した。沼地を前に、「この光景を見ると非常に残念でね。歴史的に不正義。大学の先生が遺骨を持ち去った後、一帯の土は堤防の盛り土にするため掘り返され、今は沼になっています」と静かな口調で語った。

 浦幌町出身。両親はアイヌ民族のことを一切話さなかったという。自分は何者なのか心に引っ掛かっていた。高校時代、近寄ってくる同級生から揶揄(やゆ)するようにこうささやかれた。「地元の町に汚いやつらがいるんだよ」。興味がないふりをしたと、後に明かした。

 心境の変化は40歳になってから。「私はアイヌです」と名乗るようになった。きっかけは、アイヌ文化研究者の故萱野茂さんが記した「日本人でもないのに、らしく振る舞い日陰でこそこそ生きるよりは、アイヌ民族として生きようと決めました」という言葉だった。

 晩年は地元の浦幌十勝川でサケを捕獲する権利の確認を求め、・・・・・・

(八雲支局 椎名宏智)

 ※写真説明の「アシリチェプノミ」の「リ」と「プ」は小さい字。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/985766/


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“御神渡り現象”が出現 アイヌの人たちは「カムイ・パイカイ・ノカ」(神の歩いた跡)と表現する自然現象 北海道弟子屈町・屈斜路湖

2024-03-12 | アイヌ民族関連

TBS2024/3/11

北海道東部の屈斜路湖に「御神渡り現象」が出現しました。
 全面結氷した湖面からせり上がって、山脈のように連なり、高いところは1メートル以上あります。

 「御神渡り現象」は、日中と夜の気温差で氷が膨張と収縮を繰り返して起きる、冬にしかみられない自然の造形です。

 アイヌの人たちも「カムイ・パイカイ・ノカ」=「神の歩いた跡」と表現したといいます。

 御神渡り現象は、屈斜路湖の東側でしばらくは見られそうだということです。

 さて今週、氷は成長するより、とける方向へと進んでいきそうです。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1047685?display=1&mwplay=1


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アイヌ神謡集は「祖母の遺稿集」 知里幸恵の生涯、札幌で講演会 /北海道

2024-03-12 | アイヌ民族関連

毎日新聞2024/3/11 地方版 有料記事486文字

知里幸恵の生涯や「アイヌ神謡集」について解説する藤村久和さん=札幌市北区で2024年3月10日、真貝恒平撮影

 アイヌ民族の口承文学を「アイヌ神謡集」にまとめ、19歳の若さで亡くなった知里(ちり)幸恵(1903~22年)の生涯やアイヌ神謡集をテーマにした講演会「知里幸恵とアイヌ神謡集」が10日、札幌市北区の北海道大学術交流会館で開かれた。

 一般社団法人北海道開発技術センターの主催。講師は「アイヌ、神々と生きる人々」(福武書店)、「アイヌ学の夜明け」(小学館)などの著書がある北海学園大名誉教授の藤村久和さんが務めた。

 東川町で製作された知里幸恵の人生を描いた映画「カムイのうた」のアイヌ語、アイヌ文化の監修を担当した藤村さんは「・・・・・

【真貝恒平】

https://mainichi.jp/articles/20240311/ddl/k01/040/018000c


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白老で町伝統文化継承者展 31日まで 神謡も披露 大須賀さん展示解説

2024-03-12 | アイヌ民族関連

苫小牧民報2024.03.11

白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は、企画展「白老町伝統文化継承者展」を開いている。アイヌ民族の口承文芸筆録の翻訳で町の文化伝承に貢献したとして、町教育委員会から1月に町の伝統文化継承者に認定された大須賀るえ子さん(83)=町緑丘=に関する資料を展示する。口承文芸筆録の翻訳集など100点で、31日まで観覧できる。

展示資料について解説する大須賀さん(左)と武永館長

 同継承者展は2022年から毎年、この時期に開いている。

 今展では、大須賀さん主宰の「白老楽しく・やさしいアイヌ語教室」が発行してきた口承文芸筆録の翻訳集をメインに、大須賀さんの祖父宮本イカシマトクさんの肖像、祖母サキさんが着用したルウンペ(木綿衣)、大須賀さんが町内の土産店に勤めていた頃の写真などを並べる。

 開幕初日の9日は展示解説会を開き、町民ら約60人が参加した。1947年9月に録音されたサキさん(当時65歳)のカムイユカラ(神謡)の録音を紹介し、大須賀さんによる神謡の披露も行った。

 武永真館長は「企画展を通じ、並々ならぬ熱意と努力で受け継がれた白老地方のアイヌ語研究の軌跡とまなざしに、ぜひ触れてほしい」と来場を呼び掛けている。

https://hokkaido-nl.jp/article/33159


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「ゴールデンカムイ×白い恋人」コラボ、谷垣ニシパの色気たっぷりな特別デザイン缶が3月14日から発売決定。「アシㇼパ」「レタㇻ」「鶴見中尉」に続く第4弾

2024-03-12 | アイヌ民族関連

電ファミニコゲーマー2024/03/11 13:28

石屋製菓株式会社と石屋商事株式会社は、北海道銘菓白い恋人ゴールデンカムイコラボ缶第4弾を3月14日(木)より発売すると発表した。

野田サトル氏のマンガを原作とする『ゴールデンカムイ』は、もともと「週刊少年ヤングジャンプ」誌上にて2014年から2022年にかけて連載された作品だ。作中では日露戦争での活躍から“不死身の杉本”とも呼ばれる主人公・杉元佐一が、アイヌの少女・アシㇼパとともに、網走監獄の死刑囚が隠したとされるアイヌの埋蔵金を求めて冒険を繰り広げていく。

2018年からテレビアニメ化が行われているほか、2024年1月には実写映画版が公開され、大きなヒットを記録した。さらに3月4日(月)には新たに実写ドラマ版が発表、今秋にもWOWOWで放送、配信される予定となっている。

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『ゴールデンカムイ』実写ドラマシリーズ「北海道刺青囚人争奪編」が今秋に放送決定。キロランケ役・池内博之さん、インカㇻマッ役の高橋メアリージュンさんら新キャストの情報も解禁

白い恋人」と『ゴールデンカムイ』は2020年に第1弾のコラボ缶を「アシㇼパ」と「レタㇻ」の絵柄で発売。その後、2022年にも「鶴見中尉」の絵柄で第3弾を発売するなど、かねてからコラボした商品展開を行ってきた。

そして今回の第4弾では「谷垣源次郎」を絵柄に起用。描き下ろしオリジナルイラストを印刷したコラボ缶は36枚入り(ホワイト27枚、ブラック9枚)で、価格は4100円(税込)となる。3月14日(木)より「ISHIYAオンラインショップAnnex」をはじめ、白い恋人パーク ショップ・ピカデリーや、ISHIYA札幌大通本店で販売される予定だ。

商品に関する詳細については、以下のリリースも参照されたい。

「ISHIYAオンラインショップAnnex」はこちら白い恋人パーク『ゴールデンカムイ』コラボ第4弾に関する公式ニュースはこちら

https://news.nicovideo.jp/watch/nw14520515


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【第96回アカデミー賞】先住民女性として初めてアカデミー賞にノミネートされた『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のリリー・グラッドストーン、主演女優賞ならず…!

2024-03-12 | 先住民族関連

ムービーウォーカー2024/3/11 11:35

現地時間3月10日(日本時間3月11日)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催中の第96回アカデミー賞授賞式。主演女優賞賞は『哀れなるものたち』(公開中)のエマ・ストーンに輝き、先住民女性として初めてアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされていた『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(公開中)のリリー・グラッドストーンは受賞を逃した。

民族衣装にも注目 画像提供 Apple

本作は、1920年代のアメリカ・オクラホマ州で実際に起きた、石油を巡るアメリカ先住民オセージ族を狙った連続殺人事件を描いたサスペンス映画。監督は巨匠マーティン・スコセッシ、主演はスコセッシ監督とは6度目のタッグとなるレオナルド・ディカプリオが務めた。

第81回ゴールデングローブ賞ドラマ部門でも、先住民女性として初めて主演女優賞を受賞するという歴史的快挙を成し遂げたグラッドストーンだったが、オスカーは惜しくも逃す形となった。ちなみにグラッドストーンは本作のあとも、サンダンス映画祭で上映され、大絶賛された主演映画『ファンシー・ダンス』(Apple TV+にて2024年に公開予定)が待機中だ。

文/山崎伸子

https://moviewalker.jp/news/article/1186541/


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【アカデミー賞2024】犬の参加に裸芸も…授賞式必見シーン13

2024-03-12 | 先住民族関連

ELLE 2024/03/11 BY YOKO NAGASAKA

エマ・ストーンの感動のスピーチから、ケナジー炸裂のライアン・ゴズリング、そして日本の山崎貴監督のエールまで必見シーンをピックアップ。

現地時間3月10日(日)にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第96回アカデミー賞授賞式。今年は日本でも女性たちの圧倒的な支持を得た『バービー』に『哀れなるものたち』、スリリングな展開で話題になった『落下の解剖学』、そして間もなく公開される『オッペンハイマー』と話題作が多数ノミネート、日本の映画ファンにとっても注目のアワードになった。そこで今回は授賞式の見逃せないシーンをピックアップ、レポートする。

司会のジミー・キンメル、冒頭からアカデミー会員を批判

今回のアカデミー賞のノミネーションで多くの人を驚かせ、失望させたのは大ヒット映画『バービー』のグレタ・ガーウィグとマーゴット・ロビーがそれぞれ監督賞と主演女優賞にノミネートされなかったこと。オープニングのモノローグで司会のジミー・キンメルはしっかりそれに言及。「バービーはグレタ・ガーウィグのおかげでフェミニストのアイコンになった。多くの人が彼女は監督賞にノミネートされるべきだと信じてましたよね」。会場のセレブたちから拍手が起きるとジミーは「でも彼女に投票しなかったのはあなたたちなんですよ。関係ないみたいに振る舞わないで。あなたたちがやったんですよ!」。候補作を決めるのはアカデミーの会員たちの投票であり、会場に集まったセレブたちの多くがその会員。彼らが票を入れれば候補になったと厳しく指摘した。

ジミーは「マーゴットも外したくなかった。彼女がこの大ヒット作をまとめ上げたんだ」と主演と制作を務めたマーゴット・ロビーを絶賛。会場で前後した席に座ったライアン・ゴズリングとマーゴット・ロビーを指し示すと「見て、バービーとケンだよ」。そう言われて手を繋いでみせたライアンとマーゴットにジミーは「君たちのどちらかが今日オスカーを受賞しなくても、きみたちはすでにもっと重要なもので勝ってるんだ。つまり遺伝子ガチャで当たりを引いてるんだよ。それを知っておいてほしい」。ちゃんと笑いをとるところがさすがジミー。名コメディアンである。

ジョン・シナ、ほぼヌードで登場

衣装デザイン賞発表の前フリでジミーは今年が「アカデミー賞史上最もクレイジーな瞬間の50周年」であることを紹介。1974年の授賞式でプレゼンターのデヴィッド・ニーヴンがエリザベス・テイラーを紹介しているとき、舞台上をストリーカーが横切った事件を紹介した。「今日全裸の男がステージを横切るところを想像できる?」。すると舞台の袖から俳優で元プロレスラーのジョン・シナが顔を出し小声で「ジミー!」。シナは50周年を記念し、素っ裸で舞台上を駆け抜ける演出を引き受けていたもよう。でも「気が変わった。こんなにエレガントなイベントでそんなことをするのは正しいこととは思えない」「こんな趣味の悪いアイディアを提案したことを恥じるべきだと思う。男性の体はジョークじゃないよ!」

でも舞台に出て衣装デザイン賞は発表しないといけない。受賞者が書いてある封筒を渡されたシナはそれで前を隠しながらビルケンストックだけの姿で横歩きでステージの上へ。「衣装はとても大切です。もしかしたら一番大切かもしれません」と説得力の溢れるプレゼンをスタート。とはいえこのままだと、封筒を開けなくてはいけない発表の瞬間は放送禁止シーンになってしまう可能性が大。候補者たちを紹介している間にジミーがカーテンをギリシャのトガ風に着付けて切り抜けた。

“ケナジー”炸裂

映画『バービー』の「I’m Just Ken」で歌曲賞にノミネートされていたライアン・ゴズリング。観客席でパフォーマンスを始めたライアンはバービー役のマーゴットの耳元で歌ってからこの映画の音楽を担当したマーク・ロンソンの待つステージへ。そこにはケンに扮したバックダンサーたちに加え、作品で他のケンを演じた4人-シム・リウ、スコット・エヴァンス、キングズリー・ベン=アディル、チュティ・ガトゥも全員集合。たくさんのケンたちと一緒にパフォーマンスを繰り広げた。

後半にはギタリストのスラッシュとベーシストのウォルフガング・ヴァン・ヘイレンも参戦。ライアンは再びステージの下におりてグレタ・ガーウィグやアメリカ・フェレーラ、マーゴット・ロビーらこの映画のキャストにマイクを差し出して一緒に歌うと、映画『ラ・ラ・ランド』の盟友エマ・ストーンとも合唱。ケナジーが炸裂、いい意味でケンダムと化したステージに会場のセレブたちも大興奮。大歓声と拍手が起きた。

ビリー・アイリッシュ、2度目の歌曲賞

ケンも頑張ったけれど残念ながら受賞はならず。同じく映画『バービー』の「What Was I Made For?」を手掛けたビリー・アイリッシュとフィニアス・オコネルが受賞した。2人は映画『007/ノー・タイム・トゥー・ダイ』の「No Time To Die」に続いて2度目の受賞。ビリーは「アカデミーのみなさん、本当にありがとう。こんなことが起きるなんて思っていませんでした。とても幸運で光栄に思っています、グレタ、どこ? 愛してる!」と監督のグレタ・ガーウィグに感謝。

「この曲、この映画、そしてこの映画が私に感じさせてくれたことにとても感謝しています。この映画やこの映画の素晴らしさに影響されたすべての人にも」と真面目にコメントしつつも、最後はビリー節が炸裂。「親友のゾーイ、一緒にバービーで遊び、そばにいて一緒に大人になってくれてありがとう。ダンスの先生、合唱の先生、ミス・ブリガム、私を信じてくれてありがとう! ミス・T、私のことを嫌ってたけど、あなたはいい仕事をしたよ!」

(写真はステージで同曲をパフォーマンス中のビリー)

先住民族のパフォーマーが迫力の演奏を披露

KEVIN WINTER//GETTY IMAGES

歌曲賞といえば『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』からノミネートされていた「Wahzhazhe (A Song For My People)」も忘れてはいけない。作曲家のスコット・ジョージは先住民族のザ・オセージ・シンガーズと共にステージに登場。民族衣装によるドラムの演奏とダンスと共に歌を披露、会場のセレブたちのスタンディングオベーションを受けた。

https://www.elle.com/jp/culture/g60153082/what-happpend-at-academy-award-240311/


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豊かな自然に交わるカルチャー、カルガリーには学びと冒険が待っている

2024-03-12 | 先住民族関連

Pen 2024.03.11 文:青山 鼓

息をのむような雄大な大自然と、その歴史上の成り立ちから多様性に富んだバックグラウンドを持つ人々が暮らすカナダ。なかでもエコツーリズムが盛んなことでも知られる北米有数の大都市であるカルガリーは、旅行者に豊かな体験と楽しみを与えてくれる。2024年4月4日には成田からの直行便が再開。いま最もホットなデスティネーションを紹介したい。

豊かな自然と深遠な先住民の叡智、そして州最大の都市

カルガリー中心部からほんの30分も車を走らせれば、そこには起伏に富んだ大平原が広がる。(C)Erik McRitchie

カナダ西部に位置するアルバータ州は、3000m超級の山々が連なる世界遺産カナディアン・ロッキー、ダークスカイ保護区(Dark Sky Preserve)として漆黒の星空を観察でき、カナディアン・ロッキーを望むマリーン湖で有名なジャスパー国立公園、また荒涼とした大地の広がるバッドランドなど、雄大な自然とともにさまざまな体験ができるエリア。州内にはジャスパー国立公園を含む5つの国立公園があり、ウインタースポーツやトレイルウォークなどのアクティビティに留まらず、ウッドバイソンやビッグホーンシープといった野生動物と出会える環境も整えられている。

また同州には、ファースト・ネーションズと呼ばれる北米先住民族の集落が48、メイティと呼ばれるファースト・ネーションズとヨーロッパ人の混血子孫である先住民族の集落が8つあり、民族の血をひくガイドから、何千年もの間この地で生き抜いてきた祖先たちの文化や豊かな知恵を学ぶこともできる。地域の自然環境や歴史、文化を保護することを目的としたエコツーリズム先進国であるカナダの、サステイナブルな旅行スタイルも心に刻みたい。

そんなアルバータ州の玄関口とも言えるのが、カナダ有数の経済都市であり人口140万人のカルガリー。石油産業で発展してきたカルガリーは、年間800万人以上の観光客が訪れる、活気あふれる街。カナディアン・ロッキーまで約80kmと極めて近い高原地域に位置し、カウボーイの祭典「カルガリー・スタンピード」の開催地としても知られ、治安のよさも観光客を集める理由のひとつ。

ロッキー山脈を見渡せるランドマークであるカルガリータワーや、絶滅危惧種の野生動物を保護する取り組みを積極的に行っているカルガリー動物園、カヌー遊びやアイススケートなどが楽しめる市内中心部にほど近い川沿いのプリンシズ・アイランドパークなど、市内にも見どころは豊富だ。

クラフツマンシップを、履いて、飲んで、知る

カルガリーと、都市を取り囲む雄大な自然を持つアルバータ州について触れてきたが、旅の拠点となるであろう市内での体験も、豊かな旅行のためには欠かせない。まず訪れるべきは「ヘリテージ・パーク(Heritage Park Historical Village)」。カルガリー市街地近くにあり、1860年初頭の毛皮貿易の時代から現代に至るまでの歴史をうかがえるテーマパーク。寄付などによって集まった工芸品など50,000点の品々、複数のテーマ別に再現された街並みが西部開拓時代の様子を物語る。

また、カルガリーに残るクラフツマンシップを間近で触れることができる「アルバータブーツカンパニー(Alberta Boot Company)」の工房も立ち寄りたい。王立カナダ騎馬警察のブーツも手がける1978年創業のブーツメーカーで、ダウンタウンのブティックではその製作工程も見学することができる。素材はすべて天然皮革。グッドイヤーウェルト製法、コルク加工されたミッドソール、スチールのアーチサポートといった伝統的なこだわりを守り続け、そして「わたしたちの使命は、あなたのユニークな旅にオーセンティックなアルバータブーツを履かせること」と言い切る。もしカルガリーを訪れるなら、スーツケースにはブーツ1足分のゆとりが必要かもしれない。

世界中のあらゆる情報に瞬時にアクセスすることができるようになった現代において、その地に行かないと真価を体験できない文化のひとつが「食」だ。アルバータ州ならではの素材といえば、カナディアン・ロッキーの恵みである氷河水と、広大なプレーリーで育った麦。そう、この地を訪れたならぜひ味わってほしいのが、州内に170以上あるという醸造所でつくられるクラフトビールだ。ラガー、ペールエール、IPA、そしてピルスナーと、多様なスタイルのビールを楽しめる。ディナーではブランド牛であるアルバータビーフのステーキをぜひ。やわらかい赤身肉は独特の食感が記憶に残る逸品。カルガリー市内のファーマーズマーケットを訪れ、ローカルの食文化に触れてみるのも面白そうだ。

恐竜アドベンチャーで5億年の“時間旅行”を

カルガリーから北東に110km離れたドラムヘラーには、毎年約50万人が訪れる博物館がある。「ロイヤル・ティレル古生物博物館(The Royal Tyrrell Museum of Palaeontology)」だ。アルバータ州で発見された恐竜の化石や古生代カンブリア紀ウリューアン期(約5億800万年前)の古代生物の試料、標本を10万点以上管理している研究教育機関でもある。T・レックスをはじめとする35体もの恐竜の全身骨格の復元像が動きのあるポーズで立ち並ぶ1階フロアは圧巻。地球誕生から現在まで、46億年にもおよぶ生物の進化の歴史を肌で感じられるスポットだ。カルガリーからドラムヘラーに向かう道中にある「ホースシュー谷(Horseshoe Canyon)」は、多数の恐竜の化石が発掘されたエリアであるバッドランドを見渡せるビューポイント。地中に眠る恐竜たちに想いを馳せながら眺望を堪能してはいかがだろうか。

ドラムヘラーの街から南東に約150km先にあるユネスコ世界遺産登録の「州立恐竜公園(Dinosaur Provincial Park)」は、現在も化石の発掘が進められている世界屈指の場所。ロイヤル・ティレル古生物学博物館の発信基地であるフィールドステーションもあり、化石の展示だけでなく恐竜研究のガイドツアーも開催。恐竜化石発掘体験も行われている。恐竜化石が埋まる地層を自分の足で探索できる機会はなかなか貴重だ。ロイヤル・ティレル古生物学博物館同様に子どもたちへの教育活動を積極的に行っており、年齢層別にデザインされた、ガイドによる多種の教育プログラムが用意されている。園内の「恐竜ウォールテント(Dinosaur Wall Tent)」はベッドや電気ヒーター、ファイヤーピットを備えており、快適なキャンプが可能だ。

魅力あふれるアルバータの旅が、もっと身近に

2024年4月4日から東京とアルバータ州カルガリーを結ぶ成田空港からのノンストップ便が再開する(カルガリー発は4月3日から)。機体はボーイング787ドリームライナーで、ビジネスクラス、プレミアムクラス、そしてエコノミークラスの3クラスを用意。西部カナダ・アルバータ州での旅は、温かな人々のなかで多様な価値観と壮大な地球の歴史に触れる心の冒険。自分を高める一生モノの体験がそこにある。

https://www.pen-online.jp/article/015404.html


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