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体験型観光推進を追加 釧路市が第2期ビジョン見直し案

2024-03-14 | アイヌ民族関連

会員限定記事

北海道新聞2024年3月12日 19:23

 釧路市は、観光施策の指針となる「第2期市観光振興ビジョン」(2017~26年度)の中間見直し案をまとめた。新型コロナウイルス感染拡大など社会情勢の変化を反映し、体験型観光やワーケーションなどの推進を新たに追加した。3月末をめどに改定する。

 近年の体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」の世界的な市場拡大や、コロナ禍でのワーケーション普及など、同ビジョン策定時の17年度から観光産業を取り巻く状況は変化している。

 中間見直しでは、釧路湿原やアイヌ民族の文化を生かしたATの商品企画、冷涼な気候をアピールするワーケーション誘客などを盛り込んだ。経済の域内循環を狙いに、地場食材を活用した料理や加工品の開発にも取り組むとした。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/986497/


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自分を新しく=小国綾子

2024-03-14 | アイヌ民族関連

毎日新聞 2024/3/12 東京夕刊 有料記事 911文字 小国綾子

もろさわようこさんの人生の歩みや思想、言葉が今を生きる私たちに伝わってくる1冊。「志縁のおんな もろさわようことわたしたち」(編著・河原千春)=小国綾子撮影

 女性史研究家、もろさわようこさんが99歳で亡くなった。国際女性デーを間近に控えた1日、訃報記事を見つけ、彼女の著書などを改めて読み返した。

 軍国少女として育ち、20歳で敗戦。新聞記者、紡績工場内の学校教師などを経て、女性運動家の市川房枝さんが主宰する婦人問題研究所員に。女性を指すなら「婦人」が一般的だった1960年代、侮蔑の対象だった「おんな」という言葉をあえて用い、「おんなの歴史」「信濃のおんな」など多数の著書で女性差別を生む社会構造に切り込んだ。

 72年、部落解放全国婦人集会の講演で彼女はこう問うた。「部落解放を言う人が男女差別をしていないか、女の解放を言う人が部落差別をしていないか」。半世紀以上前に、マイノリティー性の「交差」を可視化する「インターセクショナリティー」という概念を見いだしていたのだ。

 講演で政治批判し「留飲が下がりました」などと聴衆に喜ばれるたび、「結果的に体制の安全弁的役割をしているのではないか」と思い悩んだ。戦前なら命がけだった権力批判が今はお金になる、と。

 自らの言葉に裏打ちされた生き方を模索し、82年、人権や平和活動に取り組む女性たちの交流拠点として「歴史を拓(ひら)くはじめの家」(現・志縁の苑(その))を長野県佐久市に開いた。自己解体を求めてアイヌ、東北を訪ね、基地を押しつけられている沖縄にも長く暮らし、そこに拠点を開いた。

 言葉だけでなく行動を――

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https://mainichi.jp/articles/20240312/dde/012/070/004000c


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アイヌ協会、秋に台湾視察へ 先住民の施策調査、初の海外

2024-03-14 | アイヌ民族関連

2024年3月13日 19時00分 (共同通信)

 他国の先住民と交流する「白老アイヌ協会」の山丸和幸理事長(左)=2023年12月、北海道白老町

 北海道白老町の「白老アイヌ協会」が先住民に対する施策の調査や民族交流のため、今秋に台湾の先住民「タロコ族」が暮らす花蓮県秀林郷を視察する計画であることが13日、分かった。協会の海外視察は1948年に前身組織が設立されて以来初といい、海外の事例を「先住権」を訴える活動に生かす考えだ。

 町などによると、11月上旬頃に協会の山丸和幸理事長らが訪台し、秀林郷でタロコ族と文化交流などを行うほか、台北市で開催予定の「国際旅行博」に大塩英男町長らと参加する計画。事業費約500万円のうち約8割は新年度のアイヌ政策推進交付金を充てる方針で、町議会の特別委員会で近く議案を審査する。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/315015


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【北海道 東川町】映画『カムイのうた』公式ガイドブック販売開始

2024-03-14 | アイヌ民族関連

北海道 東川町2024-03-13 09:00

映画のストーリー解説やキャストのコメントなどが収録

北海道東川町では、1903年に生まれ19歳の若さで亡くなったアイヌ文化伝承者、知里幸恵(ちり・ゆきえ)さんの生涯をモデルにした映画『カムイのうた』を製作しました。本映画は、アイヌ文化と共に、大雪山国立公園を有する東川町が「大雪山文化」を次世代に伝えることを目的に、昨年から北海道での先行上映、1月26日より全国各地で上映を行っています。
この度、映画の公式ガイドブックが東川ミーツせんとぴゅあ店で発売しましたのでお知らせいたします。ガイドブックには映画のストーリー解説や製作秘話、主要キャラクターを演じたキャストたちのコメントなどが全34ページにわたって掲載されています。価格は税込1200円で現在販売中です。

販売価格、販売店

映画『カムイのうた』公式ガイドブック
1,200円(税込/全34ページ)
販売店:東川ミーツせんとぴゅあ店
〒071-1426 北海道上川郡東川町北町1丁目1−2

https://newscast.jp/news/7413841


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実写映画『ゴールデンカムイ』入場者プレゼント≪第二弾≫原作者・野田サトル先生描き下ろしアートボードが、全国合計30万様限定で配布決定!

2024-03-14 | アイヌ民族関連

アニメイト2024-03-13 18:15

3月12日(火)までの公開54日間で、観客動員数188万人、興行収入27.8億円を突破し、まだまだ大ヒット公開中の映画『ゴールデンカムイ』。

この度、映画大ヒットの感謝を込めて、入場者プレゼント≪第二弾≫原作者・野田サトル先生描き下ろしアートボードが、全国合計30万様限定で配布決定となりました!

入場者プレゼント≪第二弾≫配布決定!

第一弾に引き続き、超豪華両A面となるA5サイズのアートボードで、1面には、野田サトル先生が新たに描き下ろしたカラーイラストでカーテンコールに登場する杉元・アシㇼパ・尾形・白石・鶴見・土方の姿と直筆のメッセージを。

そしてもう1面には、遊び心満載の3コマ・4コマ漫画のモノクロイラストが…! 映画の内容とリンクした人気キャラたちのここでしか観れない激レアイラストになっています。

劇場入場者プレゼント

全国合計30万名様限定
映画『ゴールデンカムイ』大ヒット御礼ッ!!野田サトル描き下ろしアートボード第二弾ッ!!︎(A5サイズ)
内容:
1面/野田先生描き下ろしモノクロイラスト
1面/野田先生描き下ろしカラーイラスト

3月20日(水・祝)より、『ゴールデンカムイ』上映館にて、配布開始。本作鑑賞お一人様につき、1つプレゼント致します。
※通常上映・IMAX上映、4DX上映、共通のプレゼントとなります。
※劇場により、数に限りがございます。無くなり次第終了となりますので、予めご了承ください。
※特典は非売品です。転売、内容の複写・複製などの行為は一切禁止となります。
※詳細は映画公式HPをご覧ください。

映画『ゴールデンカムイ』作品情報

2024年1月19日(金)全国公開/IMAX同時公開

ストーリー

舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治末期―。

日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。

そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。

囚人の刺青は24人全員で一つの暗号になるという。

そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは、行動を共にすることとなる。

同じく金塊を狙うのは、大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉。日露戦争で命を懸けて戦いながらも報われなかった師団員のため、北海道征服を目論んでおり、金塊をその軍資金代わりに必要としていた。

そして、もう一人、戊辰戦争で戦死したとされていた新撰組の「鬼の副長」こと土方歳三が脱獄囚の中におり、かつての盟友・永倉新八と合流し、自らの野望実現のため、金塊を追い求めていた。

杉元&アシㇼパVS.第七師団VS.土方歳三・・・!!

雄大な北の大地を舞台に、一攫千金!三つ巴のサバイバル・バトルが、今始まるッ――!!!!

スタッフ

原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)  
監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)
アイヌ語・文化監修:中川裕 秋辺デボ
製作幹事:WOWOW・集英社
制作プロダクション:CREDEUS
配給:東宝

出演者

山﨑賢人
山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 栁俊太郎 泉澤祐希 / 矢本悠馬
大谷亮平 勝 矢/高畑充希
木場勝己 大方斐紗子 秋辺デボ マキタスポーツ/井浦 新
玉木 宏・舘 ひろし

公式サイト
公式ツイッター(@kamuy_movie)
公式Instagram
公式TikTok

(C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1710319015


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岸田政権はウポポイ等に国民らの税負担で更なる公金投入も

2024-03-14 | アイヌ民族関連

アセアンポータル2024年3月13日

岸田政権は、「第4回 ウポポイへの誘客促進に関する有識者検討会」を3月14日に開催することが明らかになった。

国土交通省北海道局では、アイヌ文化の復興・創造等の拠点としてオープンした「民族共生象徴空間(ウポポイ)」への誘客に取り組んでおり、年間来場者数100万人を目指した「ウポポイ誘客促進戦略」の策定に向けた助言を得るため、「ウポポイへの誘客促進に関する有識者検討会」を令和5年9月に設置していた。

今回は、戦略策定に向けた最終的な議論を行う第4回検討会が開催されることとなった。開催形式は、WEB開催となる。予定している議事は、『北海道局説明』『意見交換』となる。

なお、第3回目に開催された検討会では、『口コミサイトでウポポイを見ると、投稿数が少なく、評価はとても低い。しっかり分析を行い、マイナスの評価をなくしていくのが観光戦略において重要』『アイヌ文化はこの20年間でも移り変わっており、今も生きている』『国や地域は、覚悟を決めてもう一度予算をかけてプロモーションや内容の充実を図る必要がある』などの意見があがっていた。

なお、岸田政権では、アイヌ関連施策を推進しており、令和5年度は【国立アイヌ民族博物館の運営】として13億円を投入、【アイヌ政策推進交付金交】として20億円を投入している。

https://portal-worlds.com/news/asean/33506


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スウェーデン サーミ族に何百年と伝わる工芸品の技法を取り入れたアクセサリーを展開するYOHEI NOGUCHIから新作のシルバーブレスレットが3月19日より発売開始!

2024-03-14 | 先住民族関連

エルザ2024/03/13 10:48YOHEI NOGUCHI

北欧の先住民サーミ族に何百年と伝わる刺繍技法の装飾工芸品「Duodje(ドゥオッチ)」を制作するYOHEI NOGUCHI (ヨウヘイ ノグチ)より、この度新作を発売いたします。

レースのように繊細な編み模様がほどこされた、「YOHEI NOGUCHI」のトナカイ革のブレスレット。デザイナー自ら模様を編み込み、一点一点制作しています。サーミブレスレットを知らない人にも身近に感じていただけるようにと始めたシルバーラインから新作のブレスレットとネックレスが発売されます。

こちらの新作は、サーミブレスレットに使用するピューターワイヤー2本を捻ったものを型取り、鋳造をして楕円状のリングにし、それを繋げたチェーンのブレスレット&ネックレスを作りました。

こだわりのポイントは留め具で、片方は丸平の金具に隙間を作り、もう片方の丸平の金具の溝に差し込むことで留める仕様をオリジナルにし、ミニマルなデザインに仕上げました。

インラインのsilverラインは編み込みの模様がほとんどであり、好き嫌いが分かれることもあるため、今回採用した捻った模様は幅広いファッションに取り入れやすいデザインとなっております。

シルバーで過去に制作していなかったチェーンタイプのものは、より幅広いお客様に手に取っていただけることを目的としました。コーディネートにも取り入れやすいシルバーラインから、サーミブレスレットにも興味を持っていただきたいと思っております。

デザイナーズコメント

シルバーラインのテクスチャーは繊細かつ華美な輝きが無いところが特徴。

チェーンブレスレットにこの繊細さを掛け合わせることで、どんなスタイリングにも男性女性どちらでもスタイリングに合わせることができます。

カップルでペアでつけてもらうこともおすすめです。

こちらは3月19日よりgraf shop ( 大阪府大阪市北区中之島4-1-9 graf studio 1F)にて開催されるのPOP UP STOTEにて発売を開始いたします。製作点数に限りがあるためポップアップでのみの販売になるYOHEI NOGUCHIの製品をお手に取っていただける機会となっておりますので、是非この機会にお越しください。

スウェーデンに何百年続くサーミ族の伝統技法をモダナイズしているYOHEI NOGUCHIとは

YOHEI NOGUCHIとは一点一点手作りで北欧サーミ族の伝統的な手法を用いて「Duodje (ドゥオッチ)」という製品を制作をしているアクセサリーブランドです。トナカイの革、ディテールに使用する角、ピューターワイヤー(錫糸)を使用しており、その材料はすべてスウェーデンより輸入をしています。

YOHEI NOGUCHIが作りだすドゥオッチは、各パーツの経年変化も魅力の一つです。柔らかいピューターワイヤーの表面が潰れてくることで、その部分に輝きが生まれていきます。

トナカイのレザーはキメが細かくしっとりとした手触りで、長年着用することで手からの油分で色が濃くなっていき、腕に馴染み自分だけの形になっていくのが特徴です。一点一点野口自らの手作りで、北欧サーミ族の伝統的なアクセサリーを制作しています。

人の生活に合わせて経年変化し、その人だけの価値あるものに変化していく。そんな唯一無二の美しさを商品を通してお届けしているアクセサリーブランドです。

https://www.instagram.com/reel/C4ZP_B8P8DA/?igsh=MWx3bmZocTQ4Yjl0eA==

■YOHEI NOGUCHI POP UP 開催概要

会期:2024年3月19日(火)~31日(日)

※3月23日(土)・24日(日)午後はデザイナー在予定

定休:期間中の月曜日

時間:11:30-18:00

場所 : graf shop(大阪府大阪市北区中之島4-1-9 graf studio 1F)

問合せ 06-6459-2100 shop@graf-d3.com 

3/23.24にはワークショップも開催。

ABOUT DESIGNER

野口陽平 YOHEI NOGUCHI

1985年東京生まれ。学生時代のアルバイト先で、北欧のサーミ族のブレスレットDuodje(ドゥオッチ)に出会い、繊細なピューターワイヤーの細工技術と、力強さを感じる伝統的なデザインが融合した部分に強く惹かれ、独学で製作を開始。

サーミ族によって、家族の幸せを祈り編まれるDuodje。経年変化を経て自分に馴染んでいく特徴にも、身飾品の枠に留まらない価値を感じる。2017年にデザインから製作までを手がけるアクセサリーブランド「YOHEI NOGUHI」をスタート。

ブライダルリングの制作やイベント出展、アパレルブランドとのコラボレーションなどにも参加。新宿伊勢丹やBEAMSでのPOPUPなど、国内での経験を経て、2023年には海外での取り扱いがスタート。新しい領域に活動の幅を広げている。

https://beauty.oricon.co.jp/pressrelease/1829550/


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ナルヴィックのヘアパーラー/Frydenlund Hair Parlour【ノルウェー/13分】

2024-03-14 | 先住民族関連

戦禍を超えてー17歳のアナが進む道

SST Mar. 13, 2024

Story

【あらすじ】
第二次世界大戦の真っ只中、ノルウェー・ナルヴィクにある小さなヘアパーラー。
戦争がすぐそばにありながらも懸命に生きる人々。
それは17歳のアナも同じ。未来に向かって一歩ずつ踏み出していく。実話に基づく。

Director

Hanne Berkaak
ノルウェー・オスロを拠点にイラストレーター兼監督として高く評価されるHanne Berkaak。BerkaakはロンドンのRoyal College of ArtでCommunication Art & Designの修士号を取得し、ニューヨークのParson’s School of Designでアニメーションを学ぶ。先住民族サーミ人をルーツに持ち、幼少期には遊牧生活を送っていたことで、彼女は思いがけない視点から物語を作る才能を身につけた。平凡な人々と彼らの心に潜む闇にフォーカスし、滑稽にたっぷりの遊び心で描くのが彼女の作品スタイルだ。

Info

製作国:オランダ
ジャンル:アニメーション
製作年:2021
上映時間:約13分
配信期間:2024/3/13~2024/6/13

https://sst-online.jp/theater/15135/


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歴史語り直す先住民演劇=佐和田敬司・オーストラリア演劇研究者

2024-03-14 | 先住民族関連

毎日新聞2024/3/14 東京朝刊 有料記事 1317文字

 先月、東京で開催された「オーストラリア先住民映画祭」のために、豪先住民の女優・劇作家・映画監督、リア・パーセルが来日した。映画化もされた彼女の戯曲「家畜追いの妻」は、豪州の国民的作家ヘンリー・ローソンの短編小説と、同じ題名、同じ設定を持つ。短編小説の舞台は19世紀末の奥地で、夫の長い留守中に子供たちを抱えながらひとり奮闘する白人女性を描く。パーセルはそこに、先住民への熾烈(しれつ)な差別と、女性への性暴力を描き込んだ。誰もが知る国民的な物語を借用しつつ、先住民と女性が、今まで語れなかった過去の真実を証言し、ひいては国の歴史をも語り直したのだ。

 「家畜追いの妻」のような作品は、突然生まれたわけではない。かつて一方的に語られる存在だった先住民が、1970年代の小劇場運動をきっかけに、自らについて語り出した。以来、先住民演劇は優れた劇作家、演出家、俳優を輩出し、白人中心だった豪州演劇界をけん引する存在になった。

 先住民に続くのが、近年飛躍的に存在感を増すアジア系の表現者たちだ。スリランカ系劇作家S・シャクティダランの「カウンティング&クラッキング」は、内戦のスリランカと、難民が行き着く豪州を交互に描きながら、数世代の家族の物語が展開する壮大な作品だ。各時代を生き抜いた人々に取材した現実の言葉が戯曲に盛り込まれ、舞台は英語とスリランカの言語が飛び交う。作品はこれまで顔の見えない存在だった移民や難民を、一人一人物語を背負った人間として見つめ直させてくれる。

 日本でも、社会を映し出す新たな鏡を求めて、豪州戯曲の上演機会が増えている。「カウンティング&クラッキング」は6月に、九州各地の演劇人が集まり熊本県荒尾市で上演される。近年スリランカ人女性の不幸な死をきっかけに入国管理の問題が露呈した日本でも、九州からの発信でこの作品の意義を問いたいと主催者は言う。

 東京では、劇団俳小が、白人の入植による先住民抑圧の歴史を直視するA・ボベルの「聖なる日」と「闇の河」の上演で、日本にも同様の歴史があったのではという気づきを提供した。

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https://mainichi.jp/articles/20240314/ddm/004/070/012000c


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サハリン少数民族ウイルタと出会う企画展 「ジャッカ・ドフニ 大切なものを収める家」

2024-03-14 | 先住民族関連

共同通信2024.03.13 13:00

 「ジャッカ・ドフニ」は、ウイルタ語で「大切なものを収める家」を意味する。オホーツク海に面した網走にかつてあったサハリン少数民族の資料館の名だ。東京の高島屋史料館TOKYO(高島屋)では、この「ジャッカ・ドフニ」の所蔵資料をまとめて展示公開する初めての企画展を、3月16日~8月25日まで開催する。入館無料。

 ロシア領だったサハリン島は1905年、日露戦争後のポーツマス条約で北緯50度以南が日本領と定められた。戦争や外交はサハリン島に暮らした少数民族の生活慣習を一変させた。その後第2次世界大戦にも巻き込まれ、終戦後シベリアに抑留される人もいたし、住み慣れた地を離れ日本に移住せざるを得ない人もいた。「ジャッカ・ドフニ」設立に尽力したウイルタのゲンダーヌ(日本名:北川源太郎)さんもその一人だという。ウイルタを中心に、ニブフ、樺太アイヌなどサハリンに暮らした少数民族の生活文化を伝えたこの私設資料館の所蔵資料は、現在北海道立北方民族博物館に引き継がれている。

 企画展はウイルタとその文化に出会える場所。近いところにあるさまざまな文化の交差を再認識する機会になる。

https://www.kyodo.co.jp/news/2024-03-13_3845176/


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