先住民族関連ニュース

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台湾・屏東と鹿児島の高校生が交流、熱帯農業博覧会で「おはら祭」披露

2024-03-03 | 先住民族関連

中央フォーカス台湾2024/03/02 20:29

踊りを通じて友好を深める鹿児島県と台湾・屏東県の高校生ら(屏東県政府提供)

(屏東中央社)鹿児島県の高校生12人が1日、南部・屏東県内の高校を訪問した。生徒たちは原住民(先住民)の文化を体験したり、鹿児島で有名な「おはら祭」の踊りを台湾の高校生らに教えたりして交流した。台日双方の高校生らは2、3両日、屏東で開催中の熱帯農業博覧会でパフォーマンスする。

訪問は、鹿児島県と屏東県が今年1月に交流協定(MOU)を締結したことを受け実現した。今回は鹿児島県内4校から各3人の生徒が代表して参加している。

生徒らは、同県の来義高校を訪問。原住民の農作や革の民芸品、機織り技術について学んだり、台湾原住民族パイワン族伝統の踊りに挑戦したりした。また来義高校の生徒に「おはら祭」の踊りを教えるなどして友好を深めた。

引率の教諭は、鹿児島と台湾は飛行機で2時間の距離にありながら、異文化体験ができるとし、生徒たちにとって非常にいいことだと話した。

生徒は博覧会への出演の他、日本統治時代に完成した地下ダムの二峰圳などを見学したり、夜市を観光したりする予定だという。

(李卉婷/編集:中村充孝)

https://japan.focustaiwan.tw/culture/202403020005


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字幕:ペルー先住民の農業技術「ワルワル」 気候変動対応で復活

2024-03-03 | 先住民族関連

 AFP2024年3月2日 13:00 発信地:アコラ/ペルー [ ペルー 中南米 ]

ペルー先住民の農業技術「ワルワル」 気候変動対応で復活

3月2日 AFP】空から見ると、宇宙人が作ったような巨大な円形の模様が眼下に広がる──。だがこれは、ペルーのプーノ(Puno)にあるアンデス高原で、気候危機と闘うために農家の人々が復活させた、いにしえの農業技術だ。

 2000年前にボリビアとの国境付近で行われていた農業技術「ワルワル(Waru Waru)」が、ジャガイモやキヌアなどの栽培に使われている。「ワルワル」とは先住民の言語であるケチュア語で「尾根」という意味だ。

「季節を変えてしまう気候変動に立ち向かうための農業技術だ。干ばつや霜が降りる時期にとても役立つ」と農家のセサル・クティーパさん(42)はAFPに話した。

 プーノは標高3812メートルに位置するチチカカ湖(Lake Titicaca)の湖畔に位置する。農家の人々は、水害に見舞われやすい畑の近くに六つの「ワルワル」を作った。

 長方形の溝があり、そこで植え付けが行われる。水に囲まれた苗床は長さ100メートルにもなる。作物の周囲にある水が微気候(狭い範囲の気候)をつくり出し、日中は太陽からの熱を吸収し、夜間にはその熱を放射して霜が降りるのを防ぐ。

 昨年、プーノが過去60年で最悪規模となった干ばつに見舞われた際、この「ワルワル」が水不足に対処し、食糧不足の回避に役立った。

 ある地元住民は「自分たちの育てるジャガイモやキヌア、大麦があるから私たちはここで穏やかに暮らせる。都会に行かなくても平和でいられる」と語った。

 映像は2月に撮影。(c)AFP/Juan Carlos Cisneros with Carlos Mandujano in Lima

https://www.afpbb.com/articles/-/3507171


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リトルワールド新館長に、県立大名誉教授・稲村さん 交代25年ぶり

2024-03-03 | アイヌ民族関連

中日新聞2024年3月2日 05時05分 (3月2日 11時46分更新)

 犬山市の野外民族博物館リトルワールドは、大貫良夫館長(86)が今月末で退任し、新館長に稲村哲也・県立大名誉教授(73)=写真=が4月1日付で就くと発表した。館長交代は25年ぶり。昨年、開館40周年の節目を迎えたことや大貫館長が高齢になったことが理由という。

 稲村さんは東京大教養学部卒で、専門は文化人類学。1981~88年にリトルワールド研究員を務め、本館の展示物を制作したほか、北海道アイヌの家、ペルー大農園領主の家、ネパール仏教寺院の復元も担当した。...

この記事は会員限定です。

https://www.chunichi.co.jp/article/861851


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虎杖浜ホテル、2日改装オープン 温泉棟新築/休憩所に琉球畳【白老】

2024-03-03 | アイヌ民族関連

室蘭民報2024.03.02

新しい温泉棟の大浴場

 白老町虎杖浜の虎杖浜温泉ホテルが2日、リニューアルオープンした。温泉棟を新築したほか、ホテル棟のロビーと5階の客室をリノベーション。木材をふんだんに使用し、若者や女性客をターゲットに、木のぬくもりを感じるスタイリッシュな空間に仕上げた。

 既存施設の老朽化に伴い、昨年5月から温泉棟の建設工事などを進めていた。新しい温泉棟は鉄筋コンクリート(RC)造り平屋で床面積は748・09平方メートル。ホテル棟はRC造り5階建てで延べ床面積は2060・40平方メートル。両棟は渡り廊下で接続した。

 同ホテルは「美人湯」と呼ばれる良質な温泉を掛け流しで提供。大浴場は男女同じ造り。高温湯(約44度)や中温湯(約42度)、露天風呂(同)、ジェットバス(約39度)などを用意。サウナは30分に1回の間隔で自動的に水が流れ、蒸気が放出されるオートロウリュと50型のテレビを設置した。

 温泉棟の休憩処は紺とベージュの琉球畳60枚を交互に敷き詰め、アイヌ文様を意識。75型の大型テレビがあり、スポーツ観戦などのイベントにも利用したい考え。19型テレビやスピーカー内蔵のヘッドレスト、読書灯などがある電動リクライナー11台を設置した「リクライナールーム」も用意した。

 温泉棟とホテル棟の1階部分には床暖房を新たに導入した。熱源は浴槽からあふれた温泉を利用し、履き物を脱いで入場するスタイルになった。

 レストランはコンセントを完備したカウンター席や最大24人が使える個室などを新たに設けた。特にランチ営業では、炊き込みご飯とかけうどんのセット「かやく定食」を500円(税込み)で提供するなどコストパフォーマンスが高い。5階の客室は琉球畳の和室を新設したほか、ツイン8室をリノベーションした。

 ホテルの運営会社・虎杖の笠師利章代表取締役は「若い人にぜひ利用してほしい。たくさん町に来ていただくことで、虎杖浜エリア全体を盛り上げる一助になりたい」と話した。

 日帰り入浴は営業時間が午前9時~午後10時。年中無休。料金は中学生以上の大人850円(土日祝日950円)、小学生500円(同550円)、1~5歳300円(同350円)。問い合わせは同ホテル、電話0144・82局8267番へ。

https://hokkaido-nl.jp/article/33036


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「もっとお話を引き出しておけばよかった」野田サトルが「ゴールデンカムイ」監修者の解説本を絶賛[新書ベストセラー]

2024-03-03 | アイヌ民族関連

ブックバン3/2(土) 6:00

『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』中川裕[著](集英社)

 2月27日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『メンタル脳』が獲得した。

 第2位は『磯田道史と日本史を語ろう』。第3位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』となった。

【写真を見る】原作再現度ハンパない! 映画版「ゴールデンカムイ」の登場人物たち

 4位以下で注目は7位に初登場の『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』。累計発行部数2700万部を突破し1月には実写映画版も公開された大人気マンガ「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修者である千葉大学名誉教授・中川裕さんによるアイヌ文化入門書。「ゴールデンカムイ」作中で描かれたシーンの由来、アイヌ語の解説、キャラクターのモデルとなった人物、樺太やロシアの少数民族の知識などが収録されており、楽しみながら作品の背景世界を知ることができる一冊となっている。野田さんは同書の発売にあたり、《アイヌ文化は、まだまだ私の知らない面白いネタの宝庫だと本書を読んで知った。 連載中にもっと中川先生からお話を引き出しておけば良かった。》とコメント。中川さんは2019年に『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(集英社)も出版しており、こちらでも創作の裏話や登場人物の名前の由来などを解説している。

(続きあり)

https://news.yahoo.co.jp/articles/c255ec4d27dc4d322a0bac9f2bb4d6df64b8822d


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山﨑賢人さんのパワーチャージ方法は? 映画『ゴールデンカムイ』撮影中のエピソードも

2024-03-03 | アイヌ民族関連

MAQUIA3/1(金) 20:40

逆境もプレッシャーも力に変えて 山﨑賢人 ピュアな向上心

一歩一歩着実に成長を遂げ、日本映画界を牽引する存在となった山﨑賢人。大作の主演が続く今も纏う空気は軽やかで、どこか飄々としたムードが漂う。想像不可能な重責を担いながらも走ることを止めず今年30歳を迎える彼の、純粋かつ強靭な瞳に映る未来とは。

【写真】山﨑賢人さん

●俳優 山﨑賢人

1994年9月7日生まれ、東京都出身。2010年に俳優デビューし、ドラマや映画など数々の話題作に出演。現在公開中の『ゴールデンカムイ』のほか、映画『陰陽師0』(4月19日(金)より全国公開予定)などの作品も控えている。

発汗によるデトックスが肌の状態を保つ秘訣

「体調や肌のために心がけているのは、デトックスをすること。大好きなサウナや温泉で体を芯から温めて、しっかり汗をかくようにしています。水をたくさん飲んだり、寝る前にパックをしたりして、保湿することも意識しているかな。睡眠も重要なので、地方に長期ロケに行く時は自分の枕を持っていくことも。枕を持参しない時はバスタオルを程よい高さに重ねて代用しています」

パワーチャージは肉&ニンニクにおまかせ

「僕の中でパワーチャージに欠かせないものといえば、ニンニクや生姜を使ったスタミナ系の肉料理。もちろん、魚や野菜、お米もバランスよく摂ることもすごく大切。特に映画『ゴールデンカムイ』の撮影時は杉元佐一としての役作りで体重を増やしたかったこともあり、北海道の海の幸やジンギスカンを食べまくっていました(笑)。筋トレも取り入れて半年で約10kgほど増量しましたが、食べないとやっぱり体重って落ちちゃうんですよね。撮影を終えて通常通りの食事に戻した今は、体型もだいぶ戻っている気がします」

INFORMATION

©野田サトル/集英社

©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

『ゴールデンカムイ』

2024年1月19日(金)全国東宝系にて公開

累計発行部数2700万部の大人気コミックを映像化。舞台は明治末期の北海道。元軍人の杉元佐一(山﨑賢人)を始めとするアクの強い登場人物たちが、埋蔵金を巡って繰り広げる争いを描く。杉元が出会った少女・アシリパ(山田杏奈)が教えるアイヌの風習も見どころに。

MAQUIA 3月号

撮影/酒井貴生〈aosora〉 ヘア&メイク/髙橋幸一〈Nestation〉 スタイリスト/伊藤省吾 〈sitor〉 取材・文/真島絵麻里 企画/萩原有紀(MAQUIA)

ジャケット¥418000、シャツ¥126500、パンツ¥220000、ブーツ¥159500、リング¥33000、ブレスレット(黒)¥33000、ブレスレット(シルバー)¥77000/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ) 

※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b834649e88b001d7559ffef7fa7b5d5ceb8b6897


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《ブラジル》メタル「セパルトゥラ」解散=さよならラ米欧州ツアー開始

2024-03-03 | 先住民族関連

ブラジル日報3/2(土) 8:07

セパルトゥラのメンバー(Sepultura公式Instagramより)

 昨年解散を発表した、ブラジルを代表する世界的ヘヴィメタル・バンド「セパルトゥラ」(Sepultura)が3月1日、さよならツアー「セレブレーション・ライフ・スルー・デス(死を通じて生を祝う)」をスタートさせた。ベロ・オリゾンテを皮切りに、欧州とラ米40カ国以上を18カ月にわたって巡る予定だ。

 1998年にアルバム『アゲインスト』を発表した際、収録曲「カマイタチ」では日本の和太鼓集団鼓童と共演した。2001年と2018年に訪日公演もしている。

 バンド名はポルトガル語で「墓」を意味する。彼らの40年にわたる活動では、メンバー交代や音楽スタイル変更などの変遷をたどりつつも国際的成功を収めた。日本でもライブ経験があるこの伝説のバンドを2月26日付フォーリャ紙が紹介している。

 1984年にミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテで、マックス(ボーカル兼ギター)とイゴール(ドラム)のカヴァレラ兄弟によって結成され、セカンド・アルバム「スキッゾフリーニア」(87年)がヨーロッパで注目を集めた。これより、米国のレコード会社であるロードランナー・レコードと契約してリリースした「ビニース・ザ・リメインズ」(89年)が国際的バンドに押し上げた。

 メンバーはカヴァレラ兄弟に加え、ベースのパウロ・ジュニオールとギターのアンドレアス・キッサーを含む4人編成だった。93年までは、従来のヘヴィメタルにハードコアの過激さを加えた音楽形態スラッシュメタルでのツアーを行い、スピード感あふれる荒々しいスタイルが人気を博した。

 しかし、93年の「カオスAD」でバンドは大きな転換点を迎える。同アルバムでは、スラッシュメタルの速さをグルーヴメタルというスタイルに変え、ギターのリフ(楽曲の中で繰り返される印象的な短いフレーズ)をよりゆっくりとしたテンポで演奏し、バンドはさらに注目を集めた。

 その3年後にリリースした独創的なアルバムの一つ「ルーツ」(96年)では、先住民族の打楽器を使用してメタルと民族音楽を融合させ、世界中のファンを引き付ける斬新なサウンドが生まれた。米国ロックバンド「フー・ファイターズ」のリーダー、デイヴ・グロールはこれをメタル・アルバム史上最高の5枚のうちに入ると評価している。

 その年の12月、セパルトゥラ6枚のアルバムを制作した後、マックスはバンドを去った。バンドのマネージャーであった妻のグロリアを、他のメンバーが解雇しようとしたことがきっかけだった。彼は別のバンドを結成。イゴールはさらに10年間バンドに在籍し、その後は他のプロジェクトに参加した。デリック・グリーンという米国人がバンドのボーカルを担当し、バンドはその後も9枚のアルバムを制作。カヴァレラ兄弟が不在となった後も、セパルトゥラはメタルシーンでの評判を保ち続けた。

 今回のツアー中に演奏される40曲を収録した最終盤をリリースする予定だ。「バンドの歴史上、今が最高の瞬間、とても平和的にシーンを去ることになる。これは、終わりと新たな始まりのサイクルだ。我々は解散を祝いたい。喧嘩別れするのは嫌だし、ステージ上で年老いてしまうのも嫌だった」とギタリストのアンドレアス・キッサーは説明した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f5405ea2bef9eb1a4c0f0d4fd3759c4a5fc232d3


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倉本聰 原作 新作オペラ「ニングル」本当の豊かさを、地球の未来を問いかける力作

2024-03-03 | アイヌ民族関連

シアターテイメントNEWS2024/03/02 23:10

テレビや舞台を中心に数多くの名作を世に送り出してきた脚本家 倉本聰の代表作「ニングル」が新作オペラになった。
本作が書かれた40年前、環境問題が今ほど取り上げられていなかった時代、早くもこの問題に警鐘を鳴らしていた意欲作が、オペラ「ニングル」として新たな一歩を踏み出す。作曲はテレビ、映画の劇版で活躍し、オペラ「禅 ~ZEN~」の作曲で高い評価を得た渡辺俊幸。 オペラ脚本は原作者・倉本聰の信任が厚い吉田雄生が担い、オペラ脚本家としてデビューを飾る。倉本聰は、40年ほど前のこの作品で、欲望のままに自然環境の破壊を繰り返す、行き過ぎた文明社会が招く悲劇を既に予告しており、取り返しのつかなくなる前にそのことに気付き、引き返す知恵と勇気を持つことの大事さを訴えた力作。

1人の老人が少女に話しかける、ゆったりとした曲調。母親は少女を産んですぐに他界した、「母さんは星になった」と歌う。それから、場面は変わって賑やかな音楽、この物語のメインキャラクターである勇太、皆から「ユタ」と言われている。「結婚する」と歌い、「森を伐って農地にする」と。豊かな暮らしをしたい、それは誰しもが思うこと。場面変わって宴のシーン、彼の結婚式、祝いの席らしく、皆が歌い踊る。お祭りを彷彿とさせるメロディ。その夜、勇太と才三は勇太の姪のスカンポを連れて森へ。彼らは不思議な生き物に出会う。この不思議な生き物こそ、このオペラのタイトルにもなっている「ニングル」だ。ニングルは、アイヌの伝承における小人。アイヌ語では「ニン」には「縮む」、「グル」には「ひと」を意味する。ニングルは「森ヲ伐ルナ、伐ッタラ村ハ滅ビル」。才三はニングルの言葉を信じるが、勇太は信じない。なぜなら、ニングルの言葉を信じたら前に進めなくなるからだ。ニングルの長は歌う「計画は知っていた、悪いことは言わん、森を伐るな」と。だが、勇太は信じないどころがニングルなど見ていないと言い出す、才三とは真逆。他界した母親、「いつも見守っている」「なぜ人は前ばかり見るのでしょう…なぜ人は大切なものを忘れてしまうのでしょう」と歌う。

勇太は計画を進めようとする、だが、才三は「森を伐ったら水が枯る」「森を伐ったら滅びる」と。勇太はそれでも前に進む「家族のことや生活を考えて」、彼は後には引けないと思う。そして次の場面は伐採のシーン、皆が電動ノコギリなどを手にし、生きた木を倒す、何百年と生きてきた木々を。ダンサーたちのダンス、苦しそうな様子、才三は「生きた木の悲鳴が聞こえる」と歌う。だが…才三やニングルの言った通り、うまく行かない、借金は増えるばかり、また、パチンコ屋ができて借金を拵える人も出てきた始末。事態は悪い方へ。激しい楽曲、畑が全滅したり、気がふれたようになる人も。勇太の引き返せない苦しみ、ついに才三に「木を伐ってこい」と言い、才三は木を伐りに森へ、木にお神酒をかけて手を合わせる、哀しみに溢れた曲「君の声が聞こえない」「ごめんよ、ニングル」「人は傲慢」「誰かを傷つけている」と歌う。曲調が変わり「悲鳴が聞こえる」この才三のアリアは1幕ラストの最大のハイライトシーン、切々と歌い、最後にノコギリを木に当てて「ごめんよ」と。切なく哀しく、才三のやり切れない気持ちがほとばしる。

2幕冒頭は葬儀の場面、才三は伐採した木の下敷きになってしまった。悲しみに暮れる人々、とりわけ勇太の悲しみと後悔は計り知れない。彼の死を痛む歌、勇太は「俺が殺した」と落ち込み、「死ぬつもりで伐った」と歌う、才三のニングルや自然を思いやる気持ちを知っていながらの自分の彼への行動、後戻りできないという思いからの行動だった。開発はうまくいかない、人々は勇太に借金が膨らんでいる、出ていけと迫る。八方塞がりな状況、ニングルの長が「わしらの警告を聞かなかった」と。ピエベツはどうなるのか、勇太はどうするのか。
樹の中には樹齢何百年というものもあり、それによって森は生きている、と言っても過言ではない。だが、豊かさを追い求めて人間はそれらを伐採したり、あるいは「開発」と言って山を崩したり。樹はしゃべらない、だが、無言で語りかける。ラストは未来にかすかな光を感じる。シンプルなセットだが、想像力をかき立てるような奥行き、様々に変化する。地球の温暖化、20世紀半ば以降の温暖化は人為起源の二酸化炭素などの温室効果ガス (GHG) が主な原因であり、過去の現象より急激に起こっているため、問題となっている。ハリケーンや干ばつ、洪水といった異常気象の要因にもなっているそう。「ニングル」の舞台化は1993年、オペラ化は初。人間にとって本当の豊かさとは何か、未来に向けて何をしたら良いのか、

あらすじ
富良野岳の山裾にピエベツという村があった。勇太や才三ら若者たちは森を伐採し、農地の新たな開拓を計画していた。勇太とかやの結婚式の夜、勇太と才三は勇太の姪のスカンポを連れて森を訪れ、そこで不思議な生き物と出逢う。15センチくらいの小さな人間。かつてアイヌの先住民たちは彼らを「ニングル」と呼んだ。ニングルは勇太と才三に告げる。「森ヲ伐ルナ、伐ッタラ村ハ滅ビル」。ニングルの言葉を信じる才三とニングルの存在を否定してしまう勇太。才三は村から孤立してしまった。しかし、やがて。村は大洪水に襲われ、豊かだった水が枯れた。増えるはずの収穫は思い通りにはいかず、人々は借金に苦しめられた。ニングルの予言通り、村は破滅へと向かってしまったのだ。本当の豊かさとは、本当の幸せとは何なのか、そして人間は、「生命の木」を未来に繋ぐことができるのだろうかーー。

概要(公演終了)
日程・会場:2024年2月10日(土)~12日(月・振) 14:00 めぐろパーシモンホール 大ホール
*13:15~ 会場にて作品解説あり
※2月10日・11日は、公演終了後アフタートークあり
※上演時間:約2h30m(休憩1回)
台本:吉田雄生(オペラ脚本)
作曲:渡辺俊幸
指揮:田中祐子
演出:岩田達宗
出演
勇太(ユタ):須藤慎吾/村松恒矢
才三:海道弘昭/渡辺康
かつら:佐藤美枝子/光岡暁恵
ミクリ: 別府美沙子/相樂和子
スカンポ:中桐かなえ/井上華那
光介:杉尾真吾/和下田大典
信次:黄木 透/勝又康介
民吉:久保田真澄/泉良平
ニングルの長:江原啓之/山田大智
かや:丸尾有香/長島由佳
信子:佐藤恵理利(両日)
合唱:日本オペラ協会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

公式サイト:https://www.jof.or.jp/performance/2402-ninguru

https://news.goo.ne.jp/article/theatertainment/entertainment/theatertainment-125021.html


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