先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

知里幸恵の生涯描く一人芝居「神々の謡」 10日、江別・シアターども

2022-10-08 | アイヌ民族関連
北海道新聞10/08 05:00
 【江別】「アイヌ神謡集」の著者として知られる知里幸恵(1903~22年)の生涯を描いた、舞台女優舞香さんの一人芝居「神々の謡(うた)」が10日午後5時から、ドラマシアターども4(江別2の2)で開かれる。
 「神々の謡」は長野県在住の舞台女優舞香さんが脚本、演出を手がけ、2009年から全国各地で上演。江別での公演は、11年にアートスペース外輪船で行って以来となる。
 心臓病に苦しみ「アイヌ神謡集」の出版目前に急逝した知里幸恵と周囲の人々を舞香さんが演じ分け、シンガー・ソングライターのいわさききょうこさんが音楽や歌を担当する。
 入場料は2500円。事前予約が必要。問い合わせはども、電話011・384・4011へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/742583/

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最優秀賞に沢田さん 伊達美術協会展・公募展、10日まで

2022-10-08 | アイヌ民族関連
北海道新聞10/08 05:00

会場に展示された伊達美術協会賞の色鉛筆画「伝承」
 【伊達】第50回記念伊達美術協会展・第15回公募展(市教委、市文化協会主催)が7日、だて歴史の杜カルチャーセンター(松ケ枝町)で始まった。油彩画や水彩画など計88点の作品が訪れた人を楽しませている。
 作品は美術協会会員や賛助出品の60点と、公募作品の28点。公募展の最優秀賞となる「伊達美術協会賞」には、アイヌ民族衣装作りに没頭する女性の姿を描きあげた沢田和子さんの色鉛筆画「伝承」、協会賞に次ぐ佳作賞には金森善哉(よしや)さんの版画「伝説のロックシンガー」が選ばれた。
 同協会の佐藤光雄事務局長は「作品はどれもレベルが高く個性が豊か」と来場を呼び掛けている。入場無料。10日まで。午前10時~午後5時(最終日は午後4時)。9日午後4時10分からは全道展会員の工藤善蔵・前室蘭市民美術館長が記念講演を行う。(山中悠介)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/742395/

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武四郎とアイヌ長老 友情描く音楽劇上演 11月に小樽で「アップダウン」

2022-10-08 | アイヌ民族関連
北海道新聞10/08 05:00

ポスターを手に音楽劇「カイ」をPRするアップダウンの竹森さん(左)と阿部さん
 道内出身のお笑いコンビ「アップダウン」が演じる
幕末の探検家・松浦武四郎とアイヌ民族の長老との友情を描いた音楽劇「カイ」(実行委主催)が11月6日午後2時から、小樽市民会館(花園5)で上演される。
 アップダウンの竹森巧さん(44)=渡島管内森町出身=が武四郎を、阿部浩貴さん(45)=札幌市出身=が長老や幕府の役人などさまざまな役を演じる。「カイ」は武四郎が長老から教わった「この地に生まれた者」を意味するアイヌ語で、北海道の名称につながったとの説もある。
 劇は2018年につくられ、道内や首都圏など各地で上演。19年には岩内町でも行われている。小樽では今回が初めてで、公演前には小樽の小中高生による地元の歴史の朗読や合唱などを企画している。
 9月27日にPRのため市役所を訪れた竹森さんと阿部さんは「楽しみながら北海道の歴史を知ってほしい」と話す。
 チケットは4千円で小中学生無料。「サルトリア フィスティ」(稲穂2)、「ゆるり庵(あん)」(花園5)で販売する。小中学生の10人以上の団体は引率者と事前予約が必要。未就学児は入場不可。問い合わせは実行委員長の宇野木洋人さん、電話080・6509・3219へ。(久慈陽太郎)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/742318/

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アイヌ団体、文化担い手募集 学習プログラム用意

2022-10-08 | アイヌ民族関連
北海道新聞10/07 06:58

アイヌ工芸作家の貝沢守さん(左)の研修を受ける岡本朋也さん=8月、北海道平取町
 高齢化で独自文化の伝承者が減る中、「アイヌ民族文化財団」(札幌市)が担い手を募集している。北海道内で衣食住をはじめとする文化を総合的に3年間無償で学ぶことができるプログラムを用意しているほか、家賃など滞在費も支給。アイヌのルーツがなくても参加でき、担当者は「それぞれの得意分野を見つけ、修了後の活動に生かしてほしい」と話す。
 プログラムの参加者は平取町で、工芸家や北大の研究者などの講師からサケ漁や山菜採取、舞踊、刺しゅう、独自言語などについて約4800時間にわたり学ぶ。同町はアイヌのルーツを持つ人が多い。
 「北海道アイヌ生活実態調査」によると、1993年に65歳以上は11・2%だったが、2017年は25・7%と高齢化が進む。
 こうした状況に危機感を持った財団が08年度に始めたプログラムでは、これまでに道内外の17人が修了。その後、白老町の文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で伝統的な踊りを披露したり、アイヌ語を教えたりして活躍している。
 20年度から参加する岡本朋也さん(25)は「舞踊など幅広く文化を学んだことを生かしていきたい」。また講師を務めるアイヌ工芸作家の貝沢守さん(57)は「自分の年齢でも若手と言われる。技術を途絶えさせないよう次の世代が育ってほしい」と話す。
 財団は現在、23年4月~26年3月の研修に参加できる原則18~35歳までの4人を募集。申し込み方法は財団のホームページで確認できる。10月21日まで。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/742003/

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札幌大学アイヌ文化教育研究センター第2回シンポジウムを開催します

2022-10-08 | アイヌ民族関連
札幌大学2022年10月 7日 学生の活動
札幌大学アイヌ文化教育研究センターシンポジウムは昨年度第1回としてテーマを「イオマンテ」とし、過去の事例から現在までを中心に語っていただきました。第2回である今回は、現代を生きるアイヌ民族にとってのイオマンテの現代的意義をあらためて考え、イオマンテが現在から未来へ、どのように引き継がれていくのかを語っていただきます。
日時 10月30日(日)
会場 札幌大学プレアホール(8号館SUcole1階)
〈第1部〉
13:00~13:10 開会の挨拶
13:10~14:30 北原モコットゥナシ氏(北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授)基調講演「イオマンテを未来につなぐ」
14:30~14:40 休憩
14:40~15:05 古式舞踊(札幌大学ウレシパクラブ)
15:05~16:30 パネルトーク(北原モコットゥナシ氏、秋辺日出男氏、門別徳司氏)
〈第2部〉
16:40~19:00 映画「チロンヌプカムイ イオマンテ」上映会(無料)
https://www.sapporo-u.ac.jp/news/student/2022/10073340.html

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行ってみたい!日高 いよいよ最終日/DAY5 平取町

2022-10-08 | アイヌ民族関連
NHK2022年10月7日(金)午後2時55分 更新

連日、巡ってきた日高。 きょうが最終日です。 最後にお邪魔するのは平取町です。 午前中、私も匠の道を巡り、中継場所である平取町アイヌ工芸伝承館ウレㇱパを見学させていただきました。この地域で脈々と受け継がれてきた思いと技術をしっかりとお届けします。 
行ってみたい!日高
これまでの足跡
☆DAY1 サラブレッドと音楽の町 新冠町 & インスタなどSNS紹介
☆DAY2 日高町・門別競馬場予告 & 新冠町情報詳報!
☆DAY3 新ひだか町・浦河町予告 & 家族で行きたい門別競馬場情報!
☆DAY4えりも町・様似町 うまいもの特集予告! & 新ひだか中継舞台裏公開!
きょうはウレㇱパから
実写版の制作が予定されている漫画「ゴールデンカムイ」や、嵐の松本潤さんが主演したNHK北海道制作のドラマ「永遠のニㇱパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎~」。さらにはセレクトショップがアイヌ文様を施した製品や工芸品を販売するなど、近年、全国でアイヌについて知る機会が増えています。
きょうの中継はアイヌ文化の拠点の1つとして広く知られている平取町からです。
静かに。
そして丁寧に文化をつないできた人たちの町。
二風谷コタンには博物館があります。
当時の暮らしで使われていた生活用具などが展示。
自然と共に生きるアイヌの人たちの暮らしをうかがい知ることができます。
地域ごとに特色がありますが、平取町は工芸の伝承に力を入れています。
技術継承への思い。
体験を通じて文化に触れてもらおうという取り組み。
アイヌ工芸伝承館ウレㇱパからお伝えします。
放送はほっとニュース道央いぶりDAYひだか「行ってみたい!日高」午後6時40分からの予定です。
えりもの“うまいもん”で
心も体もぽかぽかになりませんか?
今週は続々と冬の便りが届きますね。
きょうは、札幌・帯広・網走で初霜を、札幌と帯広では初氷も観測しました。
寒いですもんね~。
そんな時は鍋でしょ!
えりものたらを使ったたら鍋。
真だちタップリで贅沢の極みです。
さらに、キンキの煮つけも。
特大サイズを地物のコンブで煮詰めたえりもスペシャルです。
つくってくださったのはえりも町のいさみ寿しの大将・荒木穣さんです。
夜7時から常連さんの予約が入っていたにもかかわらず、放送にご協力くださいました。ありがとうございます。
その荒木さんが昨夜、力を込めて紹介してくださったのが銀聖というブランド鮭についてでした。
銀聖は産卵に向けて栄養をたっぷりと蓄えたサケ「銀毛鮭」の中でも、さまざまな条件をクリアした選びに選んだ最高級のサケで、荒木さんによると漁獲量全体のわずか3㌫ほどしか名乗ることが許されないほど貴重なものなんだそうです。
普段、握りで提供されるということで握っていただきました。
養殖のサーモンとは違いまして天然のサーモンですので脂もきつくなく美味しく食べていただけると思います。そして白身のような食感を楽しんでいただけます。銀聖は白鮭なので一度冷凍をして、提供しています。
このお寿し、私も特別に頂きました。
銀聖が口の中でほどけるようにとけていくんですが、とろけるという感じよりはしっかりお魚を感じる歯ざわりがあります。後味はさっぱりで大変食べやすくおいしかったです。
荒木さんのお店では仕入れにもよりますが1貫300円~400円ほどで提供しているということです。
なお、いまの時期はマツカワガレイの握りもおすすめだそうです。
こちらも丁寧な仕事が光っていました。
荒木さんのお店は漁協の直売店のそばです。
新鮮な海の幸がそろう
えりも漁協の直売店の魅力
灯台ツブをはじめ新鮮な海の幸がそろう直売店。
この時期そろうえりもの海産物を集めていただきました。
9月から定置網でとっているマツカワガレイやブリ。
そして今月から始まったタラ。
さらには近海であがるキンキなどなどが並びました。
さらに、中継の日に初水揚げしたというシシャモも。
なかなかとれない中、中継に合わせて顔を見せてくれたようでうれしくなりました。
もちろんサケも立派なものが並びます。
ただ、あまりに立派で一匹まるまる買って自宅でさばくのも大変ですよね?
ご安心ください。
漁協ではその時の忙しさにもよりますが、さばいてくれるんです。
さばいてくださったえりも漁協の相内浩さんは「重いです」と一言。
ですよね。
その重さ見た目から伝わります。
本当に立派。
美しいですね~。
旬をご案内いただいた漁協の藤森恭輔さんも含め、みなさま本当にお世話になりました。
2022年10月7日 瀬田 宙大
https://www.nhk.or.jp/hokkaido/caster/t_seta/slug-n250e7244ee4a

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札幌のホテルで開業1周年記念プラン 特別ディナーやイベントも

2022-10-08 | アイヌ民族関連
札幌経済新聞2022.10.07
 「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」(札幌市中央区大通西1、TEL 011-208-1555)が10月1日、開業1周年を迎えた。
1周年記念オリジナルカクテル「KIBOU #100101」
 「北海道を体感する」をコンセプトに昨年10月にオープンした同ホテル。総支配人の神田典子さんは「開業から1年、コロナ禍であったにも関わらず、道内外より多くの人に来館してもらった。ホスピタリティー業界を取り巻く状況が好転しつつある今、2年目を躍進の年と捉え、来館客を迎えていきたい」と話す。
 1周年を記念して、同ホテルでは期間限定の宿泊プランやカクテルなどを用意するほか、地元のファームやショップによるイベントを開催する。
 宿泊プラン「1周年記念スペシャルディナー付きプラン」では、地産地消を体現したフレンチを提供するレストラン「HOKKAIDO CUISINE KAMUY(ホッカイドウ キュイジーヌ カムイ)」のディナーコースと、メニュー全てに北海道産の食材を使った朝食を用意。ディナーでは、同プラン限定の特典として通常コースよりアップグレードしたメイン料理と、シェフからの1皿を追加した特別コースを提供する。
 2階ラウンジ「KOKAGE」では、道産の素材を生かしたというオリジナルカクテル「KIBOU #100101」(1,001円)を提供。積丹ジン「火の帆 KIBOU」をベースに、増毛町産洋梨とジャスミンティーを加えて仕上げた。
 キャンバスラウンジとルーフトップでは、2週にわたり1周年記念イベントを開催。10月16日は、野菜のマルシェや、北海道の味覚を提供する店が集まる「CANVAS 秋の収穫祭」を行うほか、北海道のワインを中心に「KAMUY」ソムリエが選んだ希少なワインを提供する「第8回 ナチュラルワイン飲まnight」を行う。10月22日には、オリジナルのアイヌ文様の切り絵にトライするワークショップとアイヌ料理を味わってもらう「アイヌ文様切り絵体験&アイヌ料理ランチ」を行う。
 今後の展望について、神田さんは「ホテルコンセプト『北海道を体感する』を、さまざまな切り口で感じてもらうイベントをさらに充実させ、“キャンバス”ブランドが掲げる『FUN』『LOCAL』『CONNECT』を体現するようなローカルとゲストの交流から何かが始まる場所に育てていきたい」と意気込む。
 「1周年記念スペシャルディナー付きプラン」の料金は、キャビンフロア・スタンダードツイン=2万7,600円~(1室料金、1室2人利用時)。販売期間は11月9日まで、宿泊期間は11月10日まで。
https://sapporo.keizai.biz/headline/4055/

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田端で「人間ポンプ」の映画を見た【えのきどいちろうの映画あかさたな Vol.12】

2022-10-08 | アイヌ民族関連
シネモアー10/7(金) 17:01
 シネマ・チュプキ・タバタというミニシアターをご存知だろうか。田端駅から徒歩5分、席数20の文字通りの「ミニ」シアターだ。「チュプキ」というのはアイヌ語で自然光という意味だそうだ。ネーミングの「タバタ」部分は田端なのだが、「シネマ・チュプキ・タバタ」が連なると不思議な呪文のようだ。「マチュ」「プキ」「タバ」と口腔内で音が跳ねる。幼い頃、こういう音を発語する遊びをしていたような気がする。
 駅下仲通り、業務スーパーの隣り。外観はぜんぜん映画館っぽくない。ここはコロナ禍で旅ができなかった頃、「こんなことのせいで、新しく出会う人や場所がなくなるのは悔しすぎる」と思って、都内(というか東京東側)に面白いもんないかと探してたどり着いた映画館だ。「ユニバーサルシアター(すべての人がアクセスできる映画館)」を掲げていて、車いすスペースはもちろん、目の不自由な人、耳の不自由な人にも映画が楽しめるよう上映にひと手間かけている。その代わり、いわゆる「障がい者割引」は行わないポリシーだという。
 掛かる映画が面白いのだ。僕はドキュメンタリー好きなので、ラインアップに興味津々だ。今回取り上げる北村皆雄監督の『見世物小屋~旅の芸人・人間ポンプ一座』(97)は25年前に制作された作品なのだが、北村監督の新作『チロンヌプカムイ イオマンテ』(21)の公開に合わせて掛けてもらえた。評価の定まった「名作ドキュメンタリー」であり上映がまったくないわけじゃないけれど、そう簡単に見られるわけでもない。むちゃくちゃ有難い。今回、上映初日には北村監督の舞台挨拶もあったそうだ。シネマ・チュプキ・タバタは監督さんを呼ぶんだよな。ロビーに監督さんのサインがびっしり。席数20の超「ミニシアター」で、至近距離で監督さんを眺められる(もちろん勇気を出せば話も!)。シネコンの映画体験がプアに思えるほど、個性と魅力がとんでもなく詰まった劇場だ。
 『見世物小屋~旅の芸人・人間ポンプ一座』には魅了された。北村皆雄監督は「映像民俗学」のアプローチをされる方で、つまり、記録性重視である。映画は冒頭、安田興行社・安田里美さんの葬儀シーンから始まる。棺におさまり、鼻に綿をつめたご遺体の老人が「人間ポンプ」の旅芸人、見世物一座のスターなのだ。夫であり一座の主を失った安田春子さんが悲嘆から、夫婦のなれそめ、一座のなりたちが語られていく。
 映像は時をさかのぼり、安田里美さん健在の頃の秩父夜祭である。映画は基本、この夜祭の記録映画になっている。見世物興行は各地の祭りや縁日、盛り場で行われる。トラックで搬入し、小屋掛け(設営)するところから見せてもらえる。露天商の場所決めの様子や、興行権を持つ地元の「歩方」(ぶかた)との収益の分け方もわかる。小屋が組まれていくなか、一座9人の紹介が始まる。僕はこの一座の面々にとにかく惹きつけられた。
 一座は高齢化が進んでいる。みんな他につぶしのきかないおじいさんとおばあさんだ。他に行き場のない人が拾われるようにして、一座に加わる。福島から集団就職で出て、紡績工場の劣悪な労働から逃げ、2年ほどルンペンをしていたという「蛸おんな」の女性。汚れて真っ黒で、身体も匂ったから風呂に入れてやったら、意外にきれいな顔立ちをしていたという。印象としては常にぼんやりした感じのおばあさんだ。40過ぎで見世物芸を始めたのだが、ぷいと失踪するクセがついていて、何があったわけじゃなくても急にいなくなるそうだ。失踪→戻る→失踪→戻るを猫のように繰り返して、今はおばあさんになっている。なっているのだが、カツラをかぶって化粧して「蛸おんな」を続けている。
 「人間ポンプ」の芸をご存知ない方のために説明すると、カミソリの刃とか金魚とかをいっぺんゴクリと飲み込んで、後で胃から出すという、奇術とも体技ともつかぬ芸。例えばカミソリの刃は次々に4枚飲み込んで、胃の中で4枚を重ね合わせ、後でまとめて出す。まともにやったら喉といわず食道、胃といわず傷だらけになるだろう。クライマックスはガソリンを飲んで火を噴く芸なのだが、京アニの事件を考えてもガソリン引火は危険極まりないので、本当の「ガソリン」ではないと思う。安田里美さんは胸に「人間ポンプ」とプリントされた赤いロンTを着て舞台に立つ。飲み込むとき、お腹をポンポン叩いて吐き出すときの表情に愛嬌があって、あぁ、この人は若いとき女にモテたろうなぁと納得する。僕は売店で「人間ポンプ」のロンTを売ってたら間違いなく買ってる。
 安田春子さんの呼び込みのタンカにも惚れ惚れした。これはもう実物を見ていただくしかないのだが、祭りの浮ついた客の好奇心、同情心、差別心、加虐心等々をかきたて、小屋の入り口へと急きたてる、それは見事なものだ。ひとの注意をひくときの「ホラ」という言葉がホラホラ、こんなに引力を持つとは。
 「ホラ、急いでください、急いでください、急いでください。ウソかマコトかホラホラ、前に回ってどうぞよく見てあげてください。見世物とは、はたしていかなるものであったのか…」
 安田一座は秩父夜祭の興行を終え、小屋をバラし、トラックに乗って去っていく。見終えて、一場の夢のように感じる。ずっと余韻が残る。シネマ・チュプキ・タバタ、行ってよかった。
文:えのきどいちろう
1959年生まれ。秋田県出身。中央大学在学中の1980年に『宝島』にて商業誌デビュー。以降、各紙誌にコラムやエッセイを連載し、現在に至る。ラジオ、テレビでも活躍。 Twitter @ichiroenokido
『見世物小屋~旅の芸人・人間ポンプ一座』
10月15日(土)までシネマ・チュプキ・タバタにて上映中
配給:ヴィジュアルフォークロア
(c)Visual Folklore Inc.
https://news.yahoo.co.jp/articles/19d74825f4625909dcbe860b6e72541a22097a34

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鹿追小で白蛇姫舞の授業

2022-10-08 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞2022/10/07 16:00
 【鹿追】鹿追町の伝統芸能「白蛇姫舞」を学ぶ授業が9月27日、鹿追小学校(佐藤正由校長、児童201人)で行われた。
 4年生28人が参加。町白蛇姫舞保存会の野村和夫会長、岡本紘一さん、三反崎里香さんが講師を務め、持参した白蛇を見せながら、白蛇姫舞の歴史や活動内容について説明した。
 紙芝居「白蛇姫物語」も披露され、飢饉(きが)に苦しむアイヌが夢に現われた女神のお告げ...
●この記事は会員限定です。勝毎電子版に登録すると続きをお読みいただけます。
https://kachimai.jp/article/index.php?no=572791

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ミティラー美術館コレクション展

2022-10-08 | 先住民族関連
テレビ和歌山2022-10-07(金) 17:22
インドの民族画などを集めた「ミティラー美術館コレクション展」が明日から和歌山市の県立近代美術館で始まります。
県立近代美術館では今日、オープニングイベントが行われ、在大阪・神戸インド総領事館のニキレーシュ・ギリ総領事をはじめ、関係者がテープカットをしました。
このコレクション展は、今年、日本とインドの国交樹立70周年にあたることから、インド美術の魅力に触れてもらおうと県などが、新潟県十日町市の私設美術館、ミティラー美術館の協力を得て開いたものです。
会場にはインドの3つの先住民族の伝統的な画法を現在に継承し、日本国内などで作られた絵画や陶器などおよそ50点が展示されています。
中でも、県と友好を深める覚書を交わしているマハラシュトラ州の先住民族ワルリー族の「ワルリー画」は、土壁をイメージしたコンクリートに米をすりつぶすなどして描いた作品で、見る人を惹きつけていました。
また今日は、小学生を招いてインド舞踊が披露されました。このコレクション展は、明日から12月25日まで県立近代美術館で開かれます。
https://www.tv-wakayama.co.jp/news/detail.php?id=71164

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Mastercard、「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」受賞者にソニックトロフィーを贈呈

2022-10-08 | 先住民族関連
Mastercard2022年10月7日 20時10分
試合中の音声を収録するトロフィーは受賞者の活躍をPriceless®な方法で永遠のものに
ニュージーランドの先住民族マオリのファッションデザイナー、二コラ・テ・キリ氏と伝統的な文化アオテアロアにインスパイアされた本トロフィーを共同制作
2022年10月7日(日本)Mastercardが提供する世界初のソニックトロフィーが、明日、アオテアロア/ニュージーランドで開催されるラグビーワールドカップ2021で発表されます。各試合の音声、実況、ファンの反応を特別に収録したこのトロフィーは、26試合中に勝利を収めたチームの選手一名に贈呈されます。試合終了後も永遠に「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」を祝福する新たな試みとなります。
本トロフィーは、先住民族マオリの力強く、優雅、かつ勇敢なリーダーである女性カイカランガからインスピレーションを受けたこの特別なトロフィーは、ラグビーワールドカップ2021で同様の資質をピッチ上で発揮し選ばれた選手数名に贈られます。

左:トロフィー、右:ヘイリー・マクスウェル氏
Mastercardは、文化アドバイザーであるピリ・ロンゴ・ヘテット・ワイラウ氏や、現代マオリファッションデザイナーのニコラ・テ・キリ氏など、アオテアロア/ニュージーランドの地元専門家と協力して、トロフィーのコンセプト、象徴的意義、デザインを通して地元の文化やアイデンティティを忠実に表現しています。トロフィーは、リアルタイムで編集されたユニークな試合の実写音声とMastercardのサウンド・メロディーを融合させ、ピリ・ロンゴ・ヘテット・ワイラウ氏の声を通じてアオテアロア/ニュージーランドの先住民族の文化を称えています。
マオリファッションデザイナーのニコラ・テ・キリ氏は次のように述べています。
「マオリの物語は、女性の強さとリーダーシップに光をあてます。Mastercardと協力して、マオリの象徴を、才能あふれるアスリートのためのトロフィーのデザインに生かすことができて光栄です。トロフィーのマントのような形、色、模様は、リーダーとしての女性の責任・役割と、周りの環境とのつながりを表しています。各試合の記念となる音もトロフィーに備わっており、私は優れたアスリートの個性的で唯一無二の物語に敬意を表することができ、本当に光栄に思います。」
Mastercardのマーケティング&コミュニケーション最高責任者 ラジャ・ラジャマナーは次のように述べています。
「イノベーションと共生を称えることは、Mastercardがパートナーシップを通じてPricelessを実現する方法の核心です。スポーツが持つ団結力は、Mastercardの取り組みの重要な要素であり、ラグビーワールドカップ2021のパートナーとして、チームのために限界を超える感動的なプレイを披露した選手にこの記念品を贈ることができ、とても嬉しく思います。」
Mastercardは、2021年にワールドラグビーのWomen in Rugbyプログラムの創設グローバルパートナーとなり、青少年のラグビーへの参加を拡大し、女子ラグビーの国際大会と国際試合の注目度を世界的に上げることに注力しています。また、ラグビーワールドカップ2021とラグビーワールドカップ2025の初のワールド・ワイド・パートナーでもあり、2021年にはアオテアロア/ニュージーランドのポーシャ・ウッドマン選手をMastercardグローバル・ブランドアンバサダーに任命しています。
ポーシャ・ウッドマン選手は次のように述べています。
「数々の大会や試合に出場し、幸運にもトロフィーを持ち帰ることができ、この新しい取り組みがいかに格別であるか、とてもよく分かります。多くの試合は忘れがたいものですが、音声によるハイライトを収録したこのパーソナライズされた賞品は、プレーヤーが自分のキャリアで最も素晴らしい瞬間を追体験できるようにします。それは、信じられないほど特別なことです。」
Mastercardは、長年にわたってジェンダー平等に向けて取り組んできました。世界は、あまりにも多くのことが女性のことを考えずに、また女性が関与することなく設計されてきたと、Mastercardは考えています。業界と世界の可能性を女性に開く斬新なアイデアを引き出すために、Mastercardは多様な視点を提案し、世界の設計、コード化、構築される方法の再建を主導することにコミットしています。
ワールドラグビー、女子ラグビーディレクター サリー・ホロックス氏は次のように述べています。
「ラグビーワールドカップ2021は、これまでにないような女子ラグビーの祭典となります。また、記録的な大観衆の前で、世界最高の女子ラグビー選手を称え、披露する、本当に特別な大会になると思います。私たちは、Mastercardをはじめとするグローバルパートナーと密接に協力し、女子ラグビーの知名度を高めることに全力を尽くします。私たちは、世界中の女子ラグビー界を盛り上げるというビジョンと野心を共有するブランドと提携できることを誇りに思います。」
過去10年間で、Mastercardは世界で最も充実した女子スポーツのポートフォリオを構築してきました。注力した分野には、テニス、ゴルフ、サッカー、ラグビーなどのパートナーシップや、選手、チーム、イベントのスポンサーが含まれています。
明日より開催のラグビーワールドカップ2021は、11月12日にアオテアロア/ニュージーランドのイーデンパーク/ンガアナワイで行われる決勝戦まで、女子ラグビーの観客動員数は記録を更新すると予想されています。
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Mastercard (NYSE: MA)  www.mastercard.co.jp
Mastercardは、決済業界のグローバルテクノロジーカンパニーです。私たちの使命は、決済を安全で、シンプル、スマートかつ、アクセス可能なものにすることで、すべての人にあらゆる場所で利益をもたらす包括的なデジタルエコノミーを実現し、強化することです。安全なデータとネットワーク、パートナーシップを活用し、消費者や金融機関、政府、企業の可能性を最大化するためのイノベーションとソリューションを提供します。そして、Mastercardが持つDQ(decency quotient:良識指数)が企業文化を醸成し、社内外で行うすべての行動の原動力となっています。世界210を超える国と地域とのつながりを通じて、Mastercardはすべての人々にとって特別で新しい可能性を解き放つ、持続可能な世界を構築していきます。
ワールドラグビー
ワールドラグビーは、6つのリージョナルアソシエーションと128カ国の加盟協会で構成し5億人以上のファンと1千万人のプレーヤーが組織する国際競技連盟でありグローバルムーブメントです。
ワールドラグビー(本拠地:アイルランド、ダブリン)の目的は、ラグビーを発展させることであり、ラグビーの価値に忠実であり続け、みんなのためのグローバルスポーツとしてのビジョンを持ち、より時代に沿った、より身近なスポーツにすることによって発展させていくことです。ラグビーの著しい発展の裏には、旗艦イベントである男子・女子ラグビー ワールドカップ、そして未来のスタープレーヤーを讃えるU20チャンピオンシップ、エキサイティングな男子・女子ラグビーワールドカップ・セブンズや、にわかファンを惹きつけるきっかけとして人気のあるHSBCワールドラグビー セブンズシリーズなど、ワールドラグビーが主催する主要大会の潤沢なポートフォリオがあります。
男子ラグビーワールドカップの経済的成功は、運動場から表彰台までラグビーをより多くの人々にとって身近で楽しいスポーツにしていくために、ワールドラグビーが記録的な額の投資を行い、スポーツの発展と拡大を推し進めることを可能にしています。ワールドラグビーは2020年から2023年までの間、5億6500万ポンドを超える投資を行います。これは前の4事業年度と比較し、22%の上昇に相当します。
二コラ・テ・キリ氏
先住民マオリとパケハ(ヨーロッパ系ニュージーランド人)の血を引くニコラ・テ・キリは、アオテアロア(ニュージーランド)のキリキロア(ハミルトン)で育ちました。自然と二つの文化の伝統にインスピレーションを受け、大胆で勇気のあるデザインへの美学が生まれ、作品はいくつもの賞を受賞しています。Mastercard プレーヤー・オブ・ザ・マッチ トロフィーのデザインでは、ニュージーランドとマオリ先住民に敬意を払い、正統な方法で表現することを目指しました。この大会は女性にフォーカスしているので、素晴らしいワヒネ(マオリ語で「女性」の意味)マオリ族のアーティストを見つけることが適切でした。ニコラは、その芸術的能力、個人的な輝き、そしてマオリの伝統芸術と慣習を現代的なデザインに融合させるユニークな手法で、際立っていました。ニコラは芸術と、芸術とビジネスを通して若いワヒネを励まし、力を与えることに強い関心を持っています。このことから、二コラはMastercardのパートナーとして、また女性のスポーツ振興を支援し続けるために最適な人物であると言えます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000037691.html

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『ミッドサマー』を契機に注目が集まる「北欧ホラー」。『ブラックレイク』が映し出す3つの恐怖

2022-10-08 | 先住民族関連
Fika2022.10.07 Fri Sponsored by WOWOW
各種さまざまな映像配信サービスによって、海外ドラマに触れることが多くなった昨今。なかでも注目を集めるのは英米作品ばかりだが、膨大なライブラリのなかで、それ以外の作品を見過ごしてしまうのはもったいない。
そこでこの連載では、「海外ドラマ=英米ドラマ」という固定観念を解きほぐすための「北欧ドラマ考」として、世界中で愛される北欧作品から、現地で愛される人気作までを幅広く紹介していく。今回は、北欧ホラーサスペンス『ブラックレイク』について、ISOが綴る。
『ミッドサマー』を契機に注目が集まる「北欧ホラー」。『ハッチング ー孵化ー』や『ラム/LAMB』も
モダンで洗練された街や建築に、雄大で美しい自然、高水準の社会福祉、暮らす人々の幸福度の高さーー「北欧」と聞くと多くの人が抱くのはおそらくこのような印象だろう。しかしそこにホラーという単語が合わさり「北欧ホラー」となるとどうか。一気に寒々しく厭世的、陰鬱とした恐ろしいイメージに早変わりするのではなかろうか。
もともとコアな映画ファンからは熱い支持を受けていた北欧発のホラー作品であるが、夏至祭で大学生たちが味わう恐怖を描いたアリ・アスター監督作『ミッドサマー』(アメリカ・スウェーデン / 2019年)のスマッシュヒットを契機に、ここ最近は一般層にもその存在を広く知られつつある。
『ミッドサマー』ティザー映像
直近では『ハッチング ー孵化ー』(フィンランド / 2022年)や、公開前の『ラム/LAMB』(スウェーデン / 2022年)もその不穏なストーリーと映像から大きな話題となったことが記憶に新しい。そしてViaplayセレクションで10月より日本で初放送・配信されるドラマ『ブラックレイク』(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー / 2016年)もまたそんな作品群に続く恐ろしい北欧ホラーの一つだ。北欧3か国がタッグを組み製作したこの『ブラックレイク』は、北欧より現在世界へ拡大中の配信サービスViaplayオリジナルの作品で、その映像美と練られたストーリー展開が好評を博し2018年には前日譚となるシーズン2も製作されており、WOWOWで12月に放送・配信される。
『ブラックレイク』トレイラー
資産家の息子である青年ヨハンは、恋人ハネや弟リッピ、友人らを連れて、雪に覆われた山奥のスキーリゾートホテル「ブラックレイク」を訪れる。そこは20年前の開業直前に「ある悲惨な事件」が起き、そのままオープンを待たずして閉鎖された「曰くつき」の場所。野心家ヨハンの目的は、そのホテルを購入するか検討するための視察だった。
攻撃的な近隣住民とのトラブルに見舞われながらも、雪山を楽しむ一行。一方でヨハンの恋人ハネは、閉ざされた地下室から異音がすることに気づく。音の正体を管理人に問いただすも、口籠るばかりでその理由はわからない。やがて次々と巻き起こりはじめる怪現象。子どもが書いたような不気味な絵や、ホテルの至るところで目にするサーミ語の謎の言葉、仲間たちを襲う原因不明の目の充血。次第に彼らは一人また一人と、まるで呪いにかけられたような行動を取りはじめる。そしてついに最初の犠牲者が……。そのホテルに隠された過去とは一体。果たして彼らは真相を暴き、生きて帰ることが出来るのだろうかーー。
オカルト、人間の本性、荘厳な大自然――若者たちを襲う、3つの恐怖
物語はスキーリゾートホテルの20年前の映像から幕を開ける。ホテルの地下へと降りていく手錠をかけられた男と警官たち。何かに怯えたような様子の男だが、歩みを進めると突然「彼らはどこだ!」と錯乱し暴れだす。何かただならぬ過去があるのだろうと一目でわかる不穏なオープニングだ。
そして舞台は20年後の現代、集まった8人の若者がその不吉なホテルを訪れる……この部分だけをなぞるとさながらアメリカのエネルギッシュでカラッとしたスラッシャー映画のような滑り出しではあるが、北欧がそれをつくると真逆の寒々しい陰鬱な雰囲気が作品全体に張り詰める。
北欧ホラーによく見られる特徴として、恐怖のなかにどこか神々しさや荘厳さが感じられるという点がある。『ミッドサマー』でのホルガ村の暮らしは、おぞましいながらも不思議な神聖さを併せ持つし、巨大な卵から「何か」が孵化する『ハッチング ー孵化ー』も純白で神秘的な雰囲気が作中には漂っている。
『ブラックレイク』においてもその点は共通で、主人公たちに立ちはだかる恐怖のひとつに雪山の荘厳な大自然がある。彼らを取り囲む白銀の世界は神々の住む山のように美しく描かれるが、恐怖が渦巻くホテルを社会と断絶させ極限の密室をつくり出している。
「恐怖のひとつ」と述べたのは、本作において若者たちを襲うのは複合的な恐怖であるからだ。1つ目はスキーリゾートホテル内で起こる奇怪なオカルト的恐怖。主人公のハネはそれがミケルという少年の霊の仕業であると考え、かつてその場所で起きた惨劇について調べ始める。その様相は雪山という舞台も相まって名作ホラー『シャイニング』(アメリカ / 1980年)を彷彿とさせる。
2つ目は狂気的な近隣住民や、人間不信に陥った若者たちが見せる人間に対する恐怖。近所に住む住民がある思惑を抱え敵意剥き出しで若者たちに迫る一方、若者グループも不可解な現象や仲間の死でそれぞれの本性が剥き出しとなり、やがて愛憎が渦巻く修羅場へと変貌していく。本作ではこの部分が一番容赦なく描かれる。
そして先に述べた通り3つ目は社会から隔離された雪山、という大自然の恐怖だ。『ぼくのエリ 200歳の少女』(スウェーデン / 2008年)、『テルマ』(ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・フランス / 2017年)に代表されるように、北欧ホラーは冬の厳しい寒さを表現するのが非常に上手い。観ているだけで凍えそうになるほどだ。
若者たちはオカルト現象に襲われ、みな暴走し始めるが、外は極寒の猛吹雪で簡単には逃げられない。この大自然の恐怖が内も地獄、外も地獄の極限状態をつくり出す。それが上述のオカルト的恐怖と人間に対する恐怖をさらに加速させる、という非常に嫌なスパイラル構造がつくり上げられている。全8話を使ってそんな複雑に絡み合う恐怖と謎が巧みに紡がれていき、最後にはきちんと納得のいく結末が用意されている。
サーミ人の「差別の歴史」こそが、本作において最大の謎を究明する鍵となる
本作ではサーミ語の「ギャーデク・ヤーミット」という言葉がキーワードとして幾度も登場する。それがどのような言葉かは本編でたしかめてもらうとして、本作ではそのサーミ語に潜む背景が重要な要素となるので簡単に説明しておこう。
サーミ語というのはノルウェー・スウェーデン・フィンランドの北部に広がるラップランド地方とロシアの北部にあるコラ半島に居住する先住民族サーミ人が使用する独自の言語のこと。サーミ人も居住地域によって暮らしの形態が異なるが、広く知られているのはトナカイの遊牧を生業とする山岳サーミ人だ。
アマンダ・シェーネル監督によって撮られた映画『サーミの血』(スウェーデン / 2016年)では、1930年のスウェーデンを舞台に山岳で暮らすサーミ人の少女が描かれた。
『サーミの血』予告編
山に暮らしトナカイを遊牧する民族、と聞くと自然と調和し心豊かに暮らす人々の姿を思い浮かべるかもしれないが、『サーミの血』ではサーミ人の少女クリスティーナが経験する過酷な差別と、それに必死に抗おうとする彼女の姿が痛ましくも力強く映し出される。
その作品内で描かれる通り、かつてサーミ人は他種族より劣った存在とみなされ、社会から隔離されていたという悲痛な過去がある。サーミ人が集められた寄宿学校では自らの言語であるサーミ語を禁止されるだけでなく、理不尽な精神的・身体的暴力も日常的に受け、成績優秀で進学を希望しても脳が劣っているからと許されなかった。
このあたりは、アメリカにおけるネイティブ・アメリカンに対する迫害と類似している。現在では昔に比べ社会的地位の改善はしているが、サーミ人の土地や権利に関しては曖昧な態度が取られているなど、未だ差別は残存しているのが現実だ。
このスウェーデンに暗い影を落とす「差別の歴史」こそが、本作において最大の謎を究明する鍵となる。本作をより深く理解するためにも「舞台となるスウェーデンにはサーミ人という先住民族がいて、古くから劣った民族だと理不尽に差別されてきた歴史がある」とだけでも頭に入れた上で鑑賞してもらいたい。恐怖のなかに、そのような社会的なメッセージを孕んでいる点も本作の魅力の一つだと付け加えておこう。
若手キャストの活躍にも注目
本作の主役であり、過去のトラウマに囚われる女性ハネを演じるのは日本でも人気のサスペンスシリーズ第二弾『特捜部Q キジ殺し』(デンマーク / 2014年)に出演したサラ=ソフィー・ブースニーナ。
ほかにも本国で空前のヒットを記録し、現在アメリカでリメイク製作中の『幸せなひとりぼっち』(スウェーデン / 2015年)で、主人公オーヴェの青年時代を演じたフィリップ・ベルイや、実在するメタルバンド「メイヘム」の狂気の実話を映画化した『ロード・オブ・カオス』(イギリス・スウェーデン・ノルウェー / 2018年)のヴォルター・スカルスガルド、そして上述した『ミッドサマー』にもホルガ村の住民として出演したアンナ・オーストロムなど、日本でも好評を博した作品にも登場する勢いのある若手キャストが集結。極限状態で追い詰められ、暴走していく若者たちを演じ切った。今後も活躍が期待できる面子が勢揃いしているので、それだけでも一見の価値アリだ。
『ブラックレイク』はそのように、ストーリー・映像・キャスト等々あらゆる点でこだわりを感じさせる丁寧なつくりをしていて非常に見応えのある作品となっている。北欧ホラーはサブジャンルとして成熟し始めているとはいえ、日本で観られるのは映画ばかりでドラマに関してはなかなか少ないのが現状だ。そんな珍しい作品が観られる貴重な機会、北欧ホラーファンであれば逃す手はないだろう。
https://fika.cinra.net/article/202210-viaplay_kawrk

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おもてなし再確認、観光ボランティア連絡協が道大会 元気なまち、取り組み必要【室蘭】

2022-10-08 | アイヌ民族関連
室蘭民報2022.10.07

おもてなしの重要性を再確認した全道大会
 道内各地のボランティア団体でつくる北海道観光ボランティア連絡協議会(会長・野村滋室蘭市民観光ボランティアガイド協議会会長)の2022観光ホスピタリティ全道大会inむろらんが6日、室蘭市内で開幕した。初日は中島町のアパホテル室蘭で講演などを開催。各地で活躍する観光ボランティアたちが、おもてなしの重要性を再確認した。
 大会には約130人が出席した。野村会長はあいさつで、炭鉄港の日本遺産登録やウポポイ開業など近年の話題に触れて「室蘭はインフラツーリズムに力を入れている。エクスカーションでも体験できるので、魅力を体感してもらいたい」と呼びかけた。ボランティア活動に長年功績のあった、室蘭市民観光ボランティアガイド協議会の宇野孝俊さん、川村哲司さんら8人が表彰された。
 基調講演では、むろらん100年建造物保存活用会副代表理事・山田正樹さんが登壇した。室蘭市の人口がピーク時の半分以下になっている現状を示して「2019年度に室蘭を訪れた観光客は140万人。1人当たり1万円消費すると、単純計算で144億円の経済効果になる。観光客を呼び込み、まちを元気にするような取り組みが必要」と説いた。
 コロナ禍で、団体よりも個人旅行が増加するとの見通しを示して「トレンドはモノからコト消費へと変化している。室蘭ならではの体験要素が必要になる」と述べた。
 アイヌ民族文化財団民族共生象徴空間運営本部長の齊藤基也さん、萱野茂二風谷アイヌ資料館館長の萱野志朗さんが記念講演した。
 きょう7日は、炭鉄港文化財巡りや白鳥大橋主塔登頂クルーズなどのエクスカーションが行われる。
 北海道観光ボランティア連絡協議会は、室蘭市民観光ボランティアガイド協議会の結成5周年記念事業の一環として、全道組織結成が呼びかけられて、1992年10月発足。全道大会の室蘭開催は2012年以来4回目。室蘭市開港150年と、道内6都市市制施行100年を記念して行われた。
https://hokkaido-nl.jp/article/26803

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