北海道新聞10/14 05:00
【白老、厚真】白老町内の「仙台藩白老元陣屋」が13日、NPO法人北海道遺産協議会(札幌)が選ぶ新たな北海道遺産6件の一つに決まり、町内の関係者からは「白老の歴史と文化が評価された」と喜びの声が上がった。一方、厚真町や生産者が申請していた同町産のハスカップは落選した。
元陣屋は江戸幕府から北方警備を命じられた仙台藩が1856年(安政3年)に築き、戊辰戦争勃発まで12年間、藩士120人ほどが常時駐留した。元陣屋跡は1966年に国の史跡に指定。北海道遺産には、2001年の第1回選定時にも申請したが落選しており、21年越しに選ばれた。
元陣屋跡の隣接地に、当時の様子を再現したジオラマや武具などの資料を展示する仙台藩白老元陣屋資料館が1984年に開館。展示やイベントを通し、町民に歴史を伝えてきた。同資料館の武永真館長(59)は「20年は長かったが、評価されて良かった。常に元陣屋の魅力や情報を町民に発信する『眠らない博物館』を目指していきたい」と意気込む。
10~80代の28人が在籍する同資料館の解説ボランティア団体「仙台藩白老元陣屋資料館友の会」は、会員が館内の案内や清掃活動などに取り組んできた。川西政幸会長(79)は「われわれだけでなく、先輩たちの努力の結果が選定につながった。うれしい限りです」と喜びを語った。
同資料館は2020年にアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が開業して以来、来場者が増加傾向にある。戸田安彦町長は「町の歴史と文化が評価され、大変うれしい。ウポポイと連携しながらもっと親しまれる場所にしていきたい」と話した。
一方、厚真町や生産者でつくる「厚真産ハスカップブランド化推進協議会」が北海道遺産に申請していた同町産ハスカップは落選。町宇隆でハスカップを栽培する同協議会の山口善紀会長(51)は「ハスカップは道内に自生し、古くから厚真や苫小牧の食文化を支えてきた。歴史のある特産品として自信があっただけに残念」と肩を落とした。同町の担当者は「次の選定に向け引き続きブランド力向上に努めたい」と述べた。
ハスカップは、町南部から苫小牧市東部にかけての勇払原野に自生。苫小牧東部地域の開発に伴い1980年ごろから町への移植が本格化し、作付面積で日本一を誇る。(竹田菜七、磯田直希)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/745045/
【白老、厚真】白老町内の「仙台藩白老元陣屋」が13日、NPO法人北海道遺産協議会(札幌)が選ぶ新たな北海道遺産6件の一つに決まり、町内の関係者からは「白老の歴史と文化が評価された」と喜びの声が上がった。一方、厚真町や生産者が申請していた同町産のハスカップは落選した。
元陣屋は江戸幕府から北方警備を命じられた仙台藩が1856年(安政3年)に築き、戊辰戦争勃発まで12年間、藩士120人ほどが常時駐留した。元陣屋跡は1966年に国の史跡に指定。北海道遺産には、2001年の第1回選定時にも申請したが落選しており、21年越しに選ばれた。
元陣屋跡の隣接地に、当時の様子を再現したジオラマや武具などの資料を展示する仙台藩白老元陣屋資料館が1984年に開館。展示やイベントを通し、町民に歴史を伝えてきた。同資料館の武永真館長(59)は「20年は長かったが、評価されて良かった。常に元陣屋の魅力や情報を町民に発信する『眠らない博物館』を目指していきたい」と意気込む。
10~80代の28人が在籍する同資料館の解説ボランティア団体「仙台藩白老元陣屋資料館友の会」は、会員が館内の案内や清掃活動などに取り組んできた。川西政幸会長(79)は「われわれだけでなく、先輩たちの努力の結果が選定につながった。うれしい限りです」と喜びを語った。
同資料館は2020年にアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が開業して以来、来場者が増加傾向にある。戸田安彦町長は「町の歴史と文化が評価され、大変うれしい。ウポポイと連携しながらもっと親しまれる場所にしていきたい」と話した。
一方、厚真町や生産者でつくる「厚真産ハスカップブランド化推進協議会」が北海道遺産に申請していた同町産ハスカップは落選。町宇隆でハスカップを栽培する同協議会の山口善紀会長(51)は「ハスカップは道内に自生し、古くから厚真や苫小牧の食文化を支えてきた。歴史のある特産品として自信があっただけに残念」と肩を落とした。同町の担当者は「次の選定に向け引き続きブランド力向上に努めたい」と述べた。
ハスカップは、町南部から苫小牧市東部にかけての勇払原野に自生。苫小牧東部地域の開発に伴い1980年ごろから町への移植が本格化し、作付面積で日本一を誇る。(竹田菜七、磯田直希)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/745045/