元!吹奏楽部顧問の日常 

顧問を離れて早数年。今やただの音楽&ラグビー大好き親父です。

2月26日

2019年02月26日 | 鑑賞
ということで、福井敬テノール/リサイタルの感想を。

前半は日本の歌曲、後半はミュージカル/オペラのアリアという、いつも通りの構成。
しかし、前・後半とも新ネタが幾つか。

前半は山口百恵の『秋桜』。

さだまさしの作品だが、百恵の高音域の魅力を最大限に引き出した名曲。
テノールでは苦しいのでは・・・、とちょっと心配したが、
そこはさすがの福井。
男声ながらも、結婚前の母と娘の心情と風景を、しっとりと丁寧に描いてゆく。
張り上げるテノールではなく、柔らかく紡がれる弱奏のコントロールが絶妙。

これから『秋桜』の曲を聴く時、福井の顔を思い出しそうで嫌だなあ(苦笑)。


前半のハイライトは、武満の『死んだ男の残したものは』。

福井得意のレパートリーで、実演でも録音でも何度も聴いているが、昨日は特に良かった。
淡々と、切々と、そしてひたひたと、谷川俊太郎の言葉が、武満の旋律によって、
そして福井の歌によってステージに描かれていく。

福井が日本の歌曲にこだわって歌っている意味が、改めて伝わってきたように思う。


後半は打って変わって、明るいアメリカミュージカルとイタリアオペラのアリア集。

こちらの新ネタは、『ウェストサイド・ストーリー』から‘マリア’。
映画の情景が鮮やかに目が浮かぶ。
これまた最後の弱奏が見事。


最後は『リゴレット』、そして十八番『トゥーランドット』!

最後の最後、「誰も寝てはならぬ」の決めのHigh-Cを最も輝かせるのが
プロの技。

いやあ、堪能しました。


考えてみれば、ここ2年間2月と言えば、
二期会オペラでタイトルロールを歌う福井を聴きに、東京文化会館に
行っていたのだった。

今年の『金閣寺』(黛敏郎)を聴けなかったのはちょっと残念ではあったが、
その分地元で福井を聴けて大満足なのでした(^^)。

高校の同級生や、吹奏楽部の先輩・後輩にも会えて、
とても思い深い一日。


PS
で、会場で買ったCDがこちら↓



福井敬:六騎(ろっきゅう)

日本歌曲集・第三弾とか。

早速聴いたけれど、『さとうきび畑』が断然よかった!
そして締めの『旅立ちの日に』も、季節柄心に染みた。

お薦めしますm(__)m。




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