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鉱物の部屋へのいざない

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ボックスアート

2013-10-21 12:56:07 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「ボックスアート」です。

「ボックスアート」と言っても、箱絵(プラモデルなどの箱に描かれるパッケージアート)の事ではなく、芸術家ジョセフ・コーネルのアッサンブラージュの箱のような立体的な箱型アートの事です。

昨日、常連客のKさんが面白いものを持ってきました。それは「石の華」で購入されたブルーレースアゲートのスライスを厚みのある箱型の額縁に入れたもので、それをお店で飾りたい、というお話でした。私的にはこの種の話は大歓迎で、早速、目立つ場所に飾りました。

Photo
南アフリカ産 ブルーレースアゲート

これがそれです。
Kさんはこれまでにも「石の華」で購入された天川村産レインボーガーネットの原石やミスティックトパーズのルース等を自ら加工してオリジナル・アクセサリーを作られており、私はそれらの趣味を超えた芸術的作品の数々を見せてもらいました。そして今回は「ボックスアート」のような作品です。

この「ボックスアート」にはフジイキョウコさんの「鉱物アソビ」や「鉱物見タテ図鑑」に相通じる感性が感じられます。この種の新しい鉱物趣味は新しいタイプの鉱物愛だと思いますし、そこには古典的な鉱物趣味よりももっと自由な感性があり、芸術の世界と同じような現代的な現象のひとつのようにも思えます。

「ボックスアート」はシュルレアリスムの影響を受けた現代芸術の新しいジャンルのひとつです。アメリカのジョセフ・コーネル以外にも複数の有名・無名の作家達がいらっしゃいます。思いつくままに挙げれば、マルセル・デュシャンや野中ユリや合田佐和子の作品がありますし、映像作家の山田勇男や作家名は忘れましたが、何年か前のアートインナガハマで見た宮沢賢治・稲垣足穂的な作品世界をボックスアートにしていた方、等々、他にも大勢の方々がいらっしゃると思います。

そのような「ボックスアート」はある意味、箱庭的なミクロコスモスとも言え、その閉ざされた空間の中に独自の芸術空間と物語性を閉じ込めていると言えます。それはその作者によって選ばれた日常的な好物としてのオブジェから構成されています。それらのオブジェの中で鉱物も重要な意味を持ちます。ボックスアートの中の鉱物結晶は物質的な存在から芸術的な存在へと飛躍します。

「ボックスアート」の中の鉱物、何か新しい価値を持つもののように感じます。単なる物質が何かしらの芸術的な意味を持つのです。それはパワーストーンの持つ意味とはまた別の意味です。

それは純粋芸術なのだと思います。

コメント (2)
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