今日は「考古学」です。
ひとつ前のブログの最後に「変なものを拾ってこないようにしましょう。」と書いてしまったのですが、一昨日に見た「公園で拾った小学生の宝物、国内最古級の重文」というニュースには驚きました。そのニュースは神戸の小学生が自宅近くの公園で拾った金属片が、20年以上前に発掘された1世紀後半の青銅鏡の一部だった、という内容でした。それはその少年の「僕の宝物」だったのですが、歴史の教科書の副読本に載っていた青銅器の写真と特徴が似ていることに気づいた事がきっかけで、それは詳しく調査され、国の重要文化財だった事が分かった、という仰天のニュースでした。
それは寄贈され「僕の宝物」から「国の重要文化財」になった訳ですが、そのニュースの良さは、その少年の夢が野口英世のような医者になる事で、考古学にはアマチュアとして興味を持ち続けたい、という言葉でした。拍手です。その少年が拾って本当に得たものは「考古学」への好奇心だったのです。
そう言えば、石川県白峰村桑島(現白山市)の化石壁で発見された日本初の肉食恐竜の歯の化石は女子中学生によって発掘された事を思い出します。偶然とは言え、小学生や中学生が新発見に関与するケースは他にもあると思います。彼らの無欲なところが良いのです。
私は「考古学」にはそれほど強い興味・関心がある訳ではありませんが、それらが鉱物と同じように地下から出てくるものとしては親近感がありますし、地球史には強い興味・関心があるので、その一部としての「考古学」も無視できない存在だと思います。
そうそう、「考古学」の一部である「産業考古学」では鉱山の歴史や遺構が対象となる事を考えると、鉱物趣味的には無視できないどころか、それらは密接に関係している事になります。「考古学」の歴史は18世紀末から19世紀にかけての地質学者らから始まり、人類学や歴史学との関連性をもちながら学際的に進んできたものだとするならば、それは統合された知の集大成とも言えそうです。
ただ、かつての「神の手」事件のような虚偽があってはいけません。
どうも新発見には偶然性と子供のような無欲が必要なようです。
皆さん、無欲に変なものを拾ってきましょう!