今日は「グリーン魚眼石」です。
Poona,India産? グリーン魚眼石(GreenApophylite)
上の写真は先日の京都ショーで入手したグリーン魚眼石です。先日、鉱物の世界ではまだまだ新しいものが出てくると書いたのですが、私はこのような色の魚眼石も初めて見ました。これはどうもつい最近出て来たものらしく、以前からあったグリーン魚眼石とは全く違うタイプです。いくつかあった中から結晶がしっかりとした、しかも左右に双晶になっているものを入手しました。
こちらは以前から流通していたグリーン魚眼石です。その透明感のある緑色と魚眼石らしい結晶の美しさで人気があります。
グリーン魚眼石には鉱物結晶ならではの美しさがあり、その美しさには鉱物好きの初心者からベテランコレクターまで誰もが魅了されるような力が備わっていると思います。それは万人が好む透明な緑色の結晶なのです。
ところが今回出てきたグリーン魚眼石はこれまでのグリーン魚眼石とは何か?違った魅力があります。それは一見、エメラルド(ちょっと質の悪い)のようにも見えます。これはどうしてでしょうか?
Web検索でちょっと調べてみましたが、新しいタイプのグリーン魚眼石というせいか?なかなか探せませんでした。ただ、少数でしたが、それとよく似たものを見つける事ができました。ただし、産地名が違っておりました。もしかすると産地名の違いはどちらかの間違いでそれらは同じ産地の可能性もあります。
その辺の情報から察するに、どうもそのグリーン魚眼石の発色は魚眼石の中に入っているセラドン石の色から来ているようです。セラドン石は恋路の霰石と一緒に産出するあの緑色の部分です。そう言われてみれば、確かにそれと良く似た色をしております。
上の魚眼石の母岩部分にも確かにセラドン石のようなものが付いております。それは恋路のセラドン石にも良く似ています。それを見ているとセラドン石が魚眼石の中に入り込んでいても不思議ではありません。
そう言えば、緑色の輝沸石は以前から良く知られていますし、その色も今回のグリーン魚眼石の色によく似ています。
鉱物の発色には様々なタイプがありますが、今回のグリーン魚眼石の色はどうもインクルージョンとしてのセラドン石の色に起因しているようです。
どうもセラドン石と魚眼石や霰石や沸石には何か特別な関係がありそうです。