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鉱物の部屋へのいざない

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標本箱

2013-10-25 14:58:54 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「標本箱」です。

鉱物コレクションには「標本箱」は必須なものです。鉱物標本を保管するには「標本箱」が必要ですし、標本の数が多くなってくると、どのように保管するか?収納の問題が重要なテーマになってきます。

そもそも、対象が何であれ、コレクションという趣味はスペースを取る贅沢な趣味だと思います。鉱物コレクションという趣味もそれなりに年季が入ってくると、集めた標本をどのように保管・収納するかは重要な問題です。大袈裟に言うと、その事によってそのコレクションの価値は大きく変わるとも言えます。その最も基本的な要素が「標本箱」と言えるかも知れません。

因みに「標本箱」というワードでWeb検索してみると多くの情報が出てきました。ただ、「標本箱」だけでは昆虫用標本箱が圧倒的に多く、虫や蝶などの昆虫コレクションの方が鉱物コレクションよりもメジャーなのだ、という事が分かります。どうも鉱物コレクションはマイナーな趣味のようです。

良く考えてみると、マイナーな趣味だから良いのです。Web検索をしていると趣味ランキングというサイトが出てきましたが、趣味にランキングは必要ありません。それは好みや趣味の問題です。私は基本的にメジャーよりもマイナーを好みます。日頃からベストセラーには興味はありませんし、人気があるものには返って敬遠するようなところがあります。むしろ鉱物趣味がマイナーの方が都合が良いところもあります。趣味の世界にはマーケティング的な要素は不要です。そこには分かる人が分かれば良いという価値観があります。

今日は「標本箱」です。「標本箱」には独自の美学があると思います。

私の好きなTV番組にNHKの「美の壺」という番組があります。残念ながらまだ「標本箱」というテーマは取り上げられていません。これからも「標本箱」のテーマでの予定はないかも知れませんが、もし放送されるなら、「美の壺」の視点ならどのように「標本箱」を紹介してくれるのか?期待感が膨らみます。

「標本箱」は個々の標本を入れる「標本小箱」が基本です。それは積層厚紙製で黒色クロス貼りをした手作りの小箱です。「石の華」ではそれをベースにして使っています。他にもガラス蓋のある紙製やプラスチック製の箱もあります。標本整理容器には「標本箱」以外にもいろいろなものがあり、それらは標本によって使い分けられます。

他には、個々の「標本箱」とは別に、複数の標本をいれる間仕切りのあるマス目標本箱もあります。それには複数の標本が入る事になり、そこには集合的な意味が出てきます。その「標本箱」には分類的な付加価値が付き、その「標本箱」が、どんな標本で構成されているかという集合的な意味が付加されます。マス目標本箱には料理の懐石小箱やお菓子箱のような雰囲気があり、それにも独自の美と味わいがあります。そうそう、ブック型標本もこれらの一種です。その中でもかつての金石舎の岩石・鉱物組標本(ブック型標本)は今では高値が付く貴重なものです。

因みに「石の華」では透明なアクリルケースをマス目標本箱として一部で使っております。
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次に、さらに標本が増えてくると「標本箱」から標本キャビネットが必要となってきます。標本キャビネットは物によっては、かなり高価になってきますので、「標本箱」の延長線上にあるものの、それは別のテーマになってきます。

いづれにせよ、標本の整理・保管・収納は鉱物趣味の大きなテーマです。

その辺の事を考えていると、先日の「ボックスアート」で書いた「額に入れたブルーレースアゲートのスライス標本」は別次元の存在のように思えてきました。それは「額に入れた」事自体でアートに変化したものなのです。それはもはや標本ではありません。それはアートなのです。

コメント
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