西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

野口孝博さんの思い出

2007-01-29 | 諸先生・諸先輩・同輩・諸後輩の思い出
私のブログコメンテーターの一人「Asami編集長」とメールやりとりしていたら、彼の出身大学の北海道大学の現役教授である野口孝博さんが亡くなった言う。58歳。私は野口さんと京都の祇園の料亭で会ったことがある。当時、野口さんは足達富士夫先生(私の奈良女子大の前任者、北大教授で転任のため私が京大助手から奈良女子大助教授に移籍できた)の助手をしていた。何か北海道の住宅の特性研究のため比較で関西にも足達先生と一緒に来られたのだ。私は当時、助教授で、教授の扇田 信先生と一緒に会ったと思う。野口さんについては、中々芯のある人物と思った。その後、やっていることも少し違い、遠く離れていることもあって、疎遠になっていた。どういう原因かわからないが、「若い」と思う。ご冥福を祈りたい。

平城宮跡・大極殿復原現場に行く

2007-01-29 | 住まい・建築と庭
今日の午後、奈良市建築審査会があった。私は副会長なので出席した。で、奈良での耐震偽装ホテルの例の事後対応の報告があった。元々10億円ほどかかる12階建てのホテルを「耐震偽装」で7億円余でつくったのが悪かった。耐震補強のため色々なこと、柱の新設、壁の補強、梁の補強等々で2~3億円かかって、今年の8月に漸く出来るという。結局、きちんとやると合計元々必要な10億円ほどかかって、替わりに信用を落とし、時間も無駄にしている。結局は「耐震偽装は損だ」との考えを広める要がある。
その後、特別の現場見学で平城宮跡・大極殿復原現場に行った。平城京スタートから1300年の2010年に完成予定だ。地下(基壇下)の免震構造を見た。柱の下、44基のRC構造、三種があり、一番多いのは桁行き、張間行きに上部構造が動くもの(Ⅹ軸、Y軸にレール上を自由に動く)、次にゴムが上の柱と下の基礎間に挟まっていて地震で動いても元に戻るもの(6基)、最後に上下振動を吸収するものがあった。これは年に二回やっている一般公開でも見られないもののようだ。これを見て、これは「現代建築」ではないか、と思った。JR奈良駅近くの磯崎 新さん設計の「百年会館」が170億円に対して大極殿は190億円、まあこちらがより意味があるのかな、と思う。柱は殆ど紀伊半島の檜のようだ。階段を上がって「2階」「3階」も見た。屋根のカーブが写真のようで、印象に残った。既に出来ている朱雀門もそうなのだが、どうも宮殿建築にしては、寺院建築の「匂い」がある。上部構造は法隆寺や薬師寺等を参照したためであろう。柱の跡や大きさなどははっきりしているが、上部構造を特定する資料は今のところない。だから「想像」と「創造」の世界でもあるのだ。また、「そうぞうりょく」涵養のため奈良女子大の学生達を連れて来たらどうか、と思った。見学希望者は言ってよね。
(写真は、大極殿の2階(?)屋根面)