西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

メディアと消費税、TPPのこと

2011-02-27 | 時論、雑感
今晩、NHKスペシアルで「日本人はなぜ戦争へと向かったか」で当時のジャーナリズム、メディアの熱狂を放映している。

メディアは、国民の冷静な判断に資するため国家権力の政策をあおるのではなく賛否両論を公平に報道すべきであるのに逸脱した教訓をここからくみ上げるべきではないのか。

「二度と戦争への旗を振らない」とマスメディアは言うかもしれないが、それは現在の国の政策にたいする報道姿勢で検証されねばなるまい。

ところが、現在のマスメディアー『朝日』『読売』『毎日』『日経』『産経』などーは、消費税アップ、TPP推進一辺倒に流れている。まあ太平洋・アジア戦争時代と少し違うのは、こういうブログとかSNSの「草の根」情報発信があることだ。

読まれた方々は、是非、消費税やTPPのことについてマスメディアに踊らされることなく冷静に検討し判断していただきたい、それを更に発信して頂きたい、と切に思う今日この頃です。

危機対応と関係意識、無関係的意識

2011-02-27 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
今、ニュージランドの地震災害のこと、リビア等の「独裁打倒、民主化」の動きのこと、民主党政権のごたごたのこと等がニュースのヘッドラインとなっている。

これらは、それぞれの組織にとって「危機」と言えよう。これらに対してわれわれ直接に「利害関係」がないか、希薄な場合、どのようなスタンスで考えたらいいだろうか。

普通、毎日のニュースの大半に対して「世の中凄いこと起こっているな。でも自分に無関係で良かったな。今後もそうあってほしいな。」という反応が一般的ではなかろうか。

でも、地震は日本では何時でも身近で起こりうることも分かっている。またリビアのようではないかも知れないが国民の一人として強く政府に抗議すべき時もありうる、と思う。更に政府のごたごたに無関心でいいのか、という声も聞こえてくる。

だから、毎日、全ての事件、イベントに対応はできないが、自らの状況に鑑み、身近に引きつけて具体的危機にたいして関係意識を強く持って身近な状況を変えていくことも大切と最近思っている。とりあえず特に地震対応は急ぐべきと思っている。

江戸時代は面白い、三浦梅園など

2011-02-26 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
今朝の『朝日』の「b3」で磯田道史さんが「この人その言葉」で三浦梅園(1723~1789)の「理屈と道理のへだてあり。理屈はよきものにあらず。」を取り上げている。

勿論、梅園は江戸中期の人である。大分の人。「彼は人間が作った理屈と自然の道理は違うといった。親が羊を盗み、その子に、たとえ親でも悪は悪、訴えろ、というのは理屈。親の悪事を子が隠したくなるのは道理。」とのこと、ウン?ではあるが・・・。

「・・・寝食忘れて天地宇宙のしくみを考え続けた。」と言う。湯川秀樹先生も三浦梅園に関心を抱き注目していた。まあ「江戸中期の日本で宇宙と世界を最も理解した人物」であったろう。

私達は、子供の頃、江戸時代は封建時代で「息苦しい」時代、明治以降が「文明開化」で大局的には「良き時代」のような教え方をされたのではないか。

しかし、私は1990年代に『江戸時代とはなにか』(尾藤正英著、岩波)を読み、目が開かされ、最近は貝塚益軒のことを『養生訓』を読みながら更に紀行文や朱子学批判などを読みたく思っている。さまざま多様な論者が江戸時代に「のびやかに」論を展開しており、そういうベースが明治以降に「効いている」と思うが、一旦は「西洋化」が進んで現在にきているが、我が国の江戸や更に古い時代のことも「温故知新」で勉強したいと思う。

リビアの行く末と日本の戦略

2011-02-23 | 時論、雑感
今夕の関西テレビのアンカーで元共同通信記者の青山さんの政局解説を聞いた。まあ、過去にも色々政局予想を語っているが、ピタリと当たったためしがない。

しかし、そこは記者の取材力で色々とヒントがある。

今日の話は、リビアの(カダフィー大佐一派の)行く末と日本の「エネルギー戦略転換」のことだ。まあ、それにヒントを得て僕の読みの一つを言う。

カダフィー一派は首都を爆撃し、デモに無差別発砲をしているというのだから今までになかった無茶をやっている。これはアフリカ人の傭兵を使ってやっているからアラブ人の正規軍が離反しているのだ。

これに対してアメリカは厳しく批判していない。それもそのはず、元々は反米、反イスラエルだったのにイラクのフセインがアメリカにやられるとリビアのカダフィーは次は自分の番だと恐れて、2003年にアメリカと妥協したためだ。

アメリカがリビアに乗り込み、石油資源の利権をメジャーに渡して、カダフィー一派が濡れ手に粟の利権を得ていたのに目をつむって、カダフィー独裁政権を容認してきたのだ。この事実はface book等を通じてリビア国民に知れ渡っているからこそ凄いデモが繰り返し起こっているのだ。

こういう口では「民主化」、実際は独裁容認をしていては、アメリカが「民主化」と言っても中国も北朝鮮も足元を見てしまって馬鹿にしている。
本当にアメリカは現在、民主勢力なのか。どうもそうではないようだ。

日本は、そういうアメリカの後ろから黙って付いて行っていてメジャーに儲けさせるだけで、尖閣列島の海底石油も試掘していないし、日本海の優良なメタンハイドレートにも「手」をつけていない。

私は、日本のエネルギー戦略として、近々のこととして日本列島の周りの海洋資源の活用を考え着実に「手」を打っていくべきだと思う。メタンハイドレート発掘はもちろん、黒潮、親潮利用の海流発電だってありうる。更に自然エネルギー(太陽光、風力、地熱等)の開発(濃縮・平準化)も戦略的にやっていくべきだろう。

更に長期的に言えば、密度濃い国土に鑑み、アメリカのような自動車べったりを、物流は一応おいておいて、人流は省エネ、健康にも役立つ歩行や自転車に戦略的に転換する道を目指すべきではなかろうか。

リビアはどうなるか。それに次いでどうなるか。アメリカはどうなるか。日本をどうするか。しっかり見ていきたい。 .

八木 博さん(シリコンヴァレイ)の講演聞きつつ

2011-02-22 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
昨日、けいはんな学研都市の一角(「あわさい」)で八木 博さんの話を聞き、後で懇親、駄弁リングをした。八木さんには地域snsのネットでは大分前から繋がっているが、リアルに会うのは久しぶりだ。

八木さんは「IMAnet」を立ち上げ活躍しておられる。http://www.imanetinc.com/imanet_inc.html
(ここをクリックしたら即繋がるようにしたいのだけど、このグーブログではどうするんだ。分かっている人教えて!、とりあえずコピーして貼り付けてアクセスして下さい)

昨日の話は「クリーン技術の技術革新」という話で、米国での取り組み状況を中心に多彩な話し、じっくり噛みしめ、「けいはんな」で応用できるものは応用していきたいが、技術革新(Innovation)の捉え方での現代化をしないといけないと思った。

全体で、一つだけキーワードとあげろ、言われれば、Mesh(メッシュ)をあげたい。ネットという言葉も近いが、やはりメッシュ(網)の方が良い。正に「天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして洩らさず」である。何もどんな小さな「悪」を見逃さないと言う意味だけではなく、どんな小さなアイデア、呟きでもメッシュで大きく育つ、という理解である。

八木さんは、政府組織、コンピューターシステム、電力供給(スマート・グリッド等)、メディア(face book revolutionなど)、財務、運輸、教育などに適用したらどうなるかの簡単な説明をされたが、これらを自分らの関心や取り組みに合わせて豊富化をはかる方向性が面白いということが見えるような気がした。

小型化についても色々な例を言われたが、久しぶりに「Small is beautiful!」という言葉を思い出した。都市に応用すると、compact mesh cities となるだろう。cityのかわりにtownが良いかもしれない。

これって、大分前に故・絹谷祐規先生が言っていたことではないか。(1960年代)

まあ小型化の行きつく先が「ナノテクノロジー」であるが、八木さんによると米国がその「標準化」も含めてほぼ「全面勝利」で、今後、その仕組みの下に全世界が「ナノ」の世界では動かざるを得ない気配だ。

先先の技術を戦略的に見通すことが重要、主な戦略フィールドは、環境、健康、安全などとのことだ。(福祉や教育もあげておきたい)政府が、先々を読んでしっかりサポートするのかどうかが問われるだろう。

今日は何の日?100年前

2011-02-21 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
NHKラジオでは毎日「今日は何の日?」をやっている。まあ、毎日それの一つをテーマにして駄弁ればブログ日記も「簡単」かもしれない。でも、そればっかりでは面白くない。

でも、今日は「今日は何の日?」から一つ取り上げたい。
今日は、100年前の、つまり1911年(明治44年)の2月11日は、夏目漱石が文部省が授与しようという文学博士号を拒否した日(つまり、第一回の医学、文学の博士号授与式に欠席した日)なのである。当時は、現在のように大学院を出て博士論文を書いてパスしたら博士号が授与されるのではなく、世の中で既に博士に相応しいと文部省が認定した人に「貰ってもらって」いた訳だ。

当日は、医学博士に野口英世、文学博士に幸田露伴がなっている。

ところが文学博士号「文部省認定」の夏目漱石が文部省あての文書に「小生は今日までただの夏目なにがしとして世を渡って参りましたし、これから先もやはりただの夏目なにがしで暮したい希望を持っております」とあるようだ。

時々、名刺の真ん中に名前だけ書いてあるものを貰うことがあるが、まあ夏目漱石だったら当時でも日本人で知らない人はなかったのだから、名前だけで十分に違いない。文学博士などの「肩書き」というか「頭書き」が不要な訳だ。

この夏目漱石の文部省宛て文書の写しは、確か夏目漱石が教鞭を取った旧制・五高(現・熊本大学)のレンガ造りの「記念館」で見たことがある。そこには京大で習った福山敏男先生(旧制・五高卒、京大教授歴任、建築史専攻)の関係資料も展示してあった。

ところで今から100年前は、ほぼ明治の終りである。再来年になると「大正から百年」となって明治は1世紀以上前となる。正に「明治は遠くなりにけり」である。
(わが師 西山夘三先生は明治44年生れ、今年が生誕100年である。)

「5,6人会」初の会合

2011-02-20 | 地域居住学
一昨日は「ふれあいトークの会」の楽しみを書いたが、今日は別の「会合」への期待を書く。
昔、付き合いのあった5,6人で時々集まって談論風発を楽しもうということになり、昨日、初会合を奈良でした。会場は私がセット、「健康料理」と一寸したアルコールを楽しみながら2,3時間駄弁った。昨日集まったのは私を含めて5人、男性3人、女性2人である。50台2人、60台1人(私)、70台2人だ。あと一人(70台)は、海外に行っていて不在、次回は6人で集まろうとなった。

久しぶりだったので、近況報告から最近の関心、昔話、等など。皆、大学関係者、教育学、福祉学、文化人類学、建築計画学、地域居住学(私)が一応の専攻だが、垣根を取り外しての議論で、どこに話が飛ぶか半分楽しみ半分緊張と言った感じ、話を聞いて読んでみたい本も現れる。

日本人の研究者の動向なども話題に少し出ていたが、外国人ではブルノー・タウト、レヴィー・ストロース、リルケなどの名前が出ていた。

最近読んでいる本も一寸紹介、私は5冊あげておいた。
○健康論:『養生訓』(貝原益軒、中公文庫)、『病気は自分で治す』(安保 徹、新潮文庫)
○経済・社会論:『「分かち合い」の経済学』(神野直彦、岩波新書)、『経済成長なき社会発展は可能か?』(セルジュ・ラトウーシュ、作品社)
○文化論:『雑種文化』(加藤周一、講談社文庫)

まあ「温故知新」で、新しい「健康像、経済・社会像、文化像」を統一的に追求したいと思っている今日この頃だが、この会でも議論してほしいと思っている。

次回は、京都で、となった。新学期、温かくなってからである。


「ふれあいトークの会」に行く

2011-02-18 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
昨日、近所で月一で行われている「ふれあいトークの会」に行った。夕方から、一品持ち寄りで酒は飲みたい人、持っている人が持って来る。17時頃からまあ長くて4時間かな。私はまあ3時間までで切り上げている感じ。昨日は、河豚のひれ酒が飲めて良かった。

カテゴリーにあるように「食物栄養、健康、医療、農業、教育」の問題が話題の中心だが、それらにこだわらず森羅万象、古今東西のことが話題になるのは愉快である。

昨日は、男6人、女2人で「末広がりの」8人だった。

時節柄、雪の話や天候の話もした。関連して山の動物、猪や鹿、猿などが里に下りてきて困るという話、まあ日本狼を復活させたら(どこかに遺伝子はないか。なければカナダ狼でも良いのでは・・・)猪や鹿は少なくなるはず、と私は言っておいた。実際、アメリカのイエロストーン公園ではカナダから狼を導入し増えすぎた鹿が大分減ったようだ。バランスがとれてきた。

北海道出身のIさんは熊と人間、他の動物の共生について説明された。私は、それはアイヌの智恵ではないか、と言っておいた。

雪国と住まいや都市のありかたについて、あとは、健康、医療の話、千島喜久男学説(赤血球重視、癌細胞新生説、・・・)のことなど。体を温めることと冷やすこと、外傷部は冷やすべし、体がビックリして血液が患部に集まる。人間がぬくぬく過ごすのが体を弱くしているのではないか。私は、腰痛が起こるのは、和式生活を「楽な」洋式にしたからではないか、と言っておいた。

北海道は、一見広々としているから平屋の豪邸を建てたらよいように見えて、良く考えると集合住宅が良い、と言っておく。つまり、一階部を「ピロティ」にして通り抜けれるようにすれば、雪すかししなくてよい、雪は春まで屋上に置いて置いて大丈夫、上下左右壁で隣りと接しているので暖冷房費は節約できる等と根拠を言っておく。(これは亡くなった足達富士夫元北大教授の説である)

この会合で話し合ったことを一寸頭の隅に置いておくと、一ヶ月は考える楽しみが続くと思う。


TPP参加は大問題、6月までに拒否を

2011-02-16 | 時論、雑感
今日、国会の予算委員会(衆議院)をテレビで聞いていたら、社民党の照屋さんが「民主党が新自由主義になったのは情けない」と菅総理に言ったら、菅さんは気色ばんで「小泉、竹中さんのようにはけっしてならない、雇用や内需は尊重している、まあしかしTPPは一寸違うが・・・」と発言。

実は、このTPPこそ大問題、「環太平洋自由貿易協定」に入らないと大変、と菅総理が急に言い出したのには恐らく「裏」があるとみていい。すぐには「馬脚」を現さないが、仮説として「アメリカ筋」の存在をあげておきたい。

今夕の関西テレビの「アンカー」で、この問題を特集、これに日本が参加しないとアメリカは困るので、そんなに慌てて入る必要がない、と言っていた。私は6月までに「結論」と菅さんは言うが、それならはっきりと拒否したら良いと思う。

これを結ぶと、アメリカに日本の市場を農業だけでなく全面的に「明け渡す」ことになる。金融と投資の分野もそうだし、弁護士など司法分野まで踏み込まれる。英語で裁判やるの?!と聞きたい。(うーん、小学生から英語を学ばせるのも「深謀遠慮」なのかな。)

農業分野でも肉やトウモロコシ、大豆等のさらなる売り込みだけでなく(自給率14%に急減)、農地や農業法人もアメリカ資本攻勢に曝される。農業用水も押えられる。

まあアメリカ企業というかアメリカ中心の多国籍企業への拝跪(はいき)にならざるをえない。農業、農地だけでなく国土丸ごと「売り渡し」で、前代未聞の事態となる恐れがある。

今日、インドとの二国間で「自由貿易協定」が結ばれたようだが、こういう二国間でしっかり議論し、まずやったらどうか。日米でやれば、米国は露出して、TPPに隠れて、ということは無理に成る。

これらをしっかり見守り、問題点は強く言っていこう。統一地方選挙その他の機会でもしっかり主張し行動していきたい。

住まい、まちの方向性

2011-02-13 | 地域居住学
昨日、「西山夘三すまいまちづくり文庫」の研究会があり、近藤民代さん(神戸大学)の「団塊ジュニア核家族が住まいに何を求めているかー多様化する家族に対応した社会的資産としての住宅ストック形成を考えるー」という報告を聞き、議論した。

最近は、たまにこういう研究会や「市民雑学大学」等でリアルに話を聞き議論できる場を大切にしたいと思っている。本や雑誌、報告書なら静かに読んで考えることも出来るが、リアルに話を聞き、議論するのも頭を早く働かせ、より印象に残る記憶となり、大切と思う。

昨日の報告の後半で、東京での「シェア居住」ビジネス例を聞き、まあ「東京だから出来る面もある」となったが、改めて東京に人が集まりすぎ、と思った。(別の会話で、塩崎賢明さん(神戸大学)からアメリカのニューオルリンズにハリケーン・カトリーナ被害復興を調べに行った話を聞いたが、そこでは5年半ほど前に被害にあいニューオルリンズを「逃げ出した」人口は未だ完全に戻らず当時の人口の3割減が実態と言う。大災害が起これば東京はどうなるだろうか、とふと思わざるをえなかった。)

そこで前から薄々考えている「対する」戦略項目をメモっておきたい。
(1)国土における人口分散論
(2)安全な都市・居住地立地論(過去の歴史を教訓に)
(3)中・低層住宅論(高・超高層住宅批判論の深化)
(4)将来構想(計画)における住民・市民・国民参加論
(5)具体的都市計画論、住宅計画論

雪の朝と午後

2011-02-11 | 住まい・建築と庭
今日は雪の朝だった。カーテンを開けると庭一面が雪、樹木の枝にも雪、近所の見えている公園も一面雪、向こうの筋の家の屋根も真っ白だ。ここにきて16年以上になるが、何年ぶりかな。今朝は5~10センチは積もったかな。庭の雪の反射で室内の居間は、何時もより明るい。

でもまあ、生れが金沢の私は、この程度の雪では驚かない。金沢では生れて18年間で、2回ほどそれこそ2階の窓から出入りした経験がある。

午後から近所を一寸歩いたが、公園などで子供たちが雪だるまをつくっていた。懐かしい風景だな、と思った。

佐藤文隆著『職業としての科学』(岩波新書)を読む

2011-02-08 | 生活描写と読書・観劇等の文化
先月発行の佐藤文隆著『職業としての科学』(岩波新書)を読んでみた。佐藤さんは、1938年、山形県生れ、現在、京大名誉教授、甲南大教授である。大学は仙台や東京に行かずに日本海づたいに京都までやってきたのだ。

まあ、この本によると、科学者の数は人口当たりで日本はトップらしいが、まあ「制度としての科学」が出来てきた過程、問題点など、そして将来像も語っていて参考になる。現在、大学院の定員は増えたが、就職先がないことが大きな問題、「科学技術エンタープライズ」で雇用拡大を、と最後の章で訴えている。

地域での「市民雑学大学」運営・参加も今後の「科学者」のあり方に位置付けられるかな、と思った。

佐藤さんは、京大では学部は違うが3年先輩、理学部で宇宙物理学専攻、ビッグバンやブラックホールの研究で有名、佐藤さんが助教授で私が助手の時、一緒に若狭湾岸の原子力発電所の立地予定地を調べに行ったことがある。いやー長年会っていないが、この本では、世界や日本(特に江戸時代)の科学史をレビューしていて、そういう勉強もしておられたのだな、と思った。

科学者として佐藤さんの年齢に相応しいお仕事かな、と思った。

野菜の王様はブロッコリー、魚の王様は鮭・・・

2011-02-03 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
読書は、「重いもの」と「軽いもの」を織り交ぜてやるのが疲れなくてよい。

で、最近「軽いもの」として『100歳までボケない101の方法』(白澤卓二著、文春新書769)を読んでいる。「食事編」「習慣編」「運動編」に分かれているが、今「食事編」である。

「ブロッコリーに含まれるファイトケミカル(植物化学物質)が、発がん物質の活性化を抑えるイソチアシアネート、体の中でビタミンAに変わるカロテンなどです。ほかにも、胃潰瘍を防ぐビタミンU、インスリンの働きを助けるクロムなども含まれています。食物繊維も豊富なので、動脈硬化や便秘予防にも効果的です。
 ブロッコリーは、小房に分けてビタミンCが熱で壊されないようにすばやく茹でます。また、茎にもビタミンCや食物繊維が多いので、捨てないでください。・・・」(35頁)

「サケは、抗加齢という目的で食してもらいたい魚のナンバーワンなのです。サケの身は、ご存じのように赤い。この赤い身に、抗加齢効果があるのです。
 サケの赤身をつくっているのは、アスタキサンチンという天然色素です。アスタキサンチンは、元々は海藻の色素で、それを食べたオキアミを、さらにサケが食べて、サケの赤い身をつくっています。・・・サケの栄養はアスタキサンチンだけではありません。ビタミンA,B2,D,Eなどのビタミン類や、EPAやDHAも豊富です。中高年の生活習慣病を予防するのに最適です。・・・」

「つづき」も又の機会に。

エジプトの将来と世界-アメリカ、ロシア、日本-

2011-02-02 | 時論、雑感
現代は正に「世界史」の時代になっている。世界の一角が変わると世界全体の様相が変わり、従って我が日本の様子も変わってこざるをえないのである。

今、エジプトが「変わろうと」している。ムバラク大統領は秋の任期一杯まで居座るように言っているが、アメリカ(オバマ大統領)は、即時辞任を要求、新しいアメリカ寄りの穏健政権樹立を期待しているようだ。

アメリカの態度は「内政干渉」であり、おかしいと思うが、過去30年にわたりアメリカはムバラクを支援してきたので、「意見を言うのは当然」と思っているようだ。

アメリカの最大の心配は、イスラム教がベースとなる「巨大帝国」が出来て、中国も一方であるけれども、「アメリカ帝国の時代」に終止符が打たれることだ。今、「イスラム帝国」の一角はイランが占めているが、これにエジプト、チュニジア、リビア、サウジアラビア等々が加わってくると、アメリカなんて、ということになりかねないのだ。

ロシアはロシアでしたたかで、「地球温暖化」による北極海の氷融解を絶好のチャンス、新しい世界の交通路の開設、と捉えているようだ。まあ、スエズ運河がなくてもヨーロッパとアジアは北極海を通じて繋がるよ、と言っているようだ。

さて、日本は、どういう戦略を採るべきなのだろうか。考えてみてほしい。

奈良教育大学生の反応

2011-02-01 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
今日、非常勤で行っている奈良教育大学で「住居学」の今期最終講義をした。家政学専攻の1回生達だ。

私は来年度は70歳になるので、それこそ非常勤は最後となる。だから再来年3回生になる彼女らに住居関係の講義は出来ない。そういうことを言いつつ、私の年齢を言ったら「えー!」という声が上がった。

「私のお祖母さんと同い年だが、とうてい70歳には見えない、どう考えても60歳前後だ」とある学生が言った。「若く見てくれて有難うね」と言っておいた。

彼女らに「50、60は鼻たれ小僧、70、80は働き盛り、90になって「迎え」が来たら、100まで待て、と追い返せ」という言い方があるよ」と言ったら、「へー、リズムがいい言い方ですね」と言われた。是非90過ぎまでリズム良く生きたいものだ。

さてどうなりますか。