西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

考古学者・吉村作治さんの話(隠居大学)

2012-04-30 | 歴史とのつながり、歴史の面白さ
コラムニスト 天野祐吉さんが司会のラジオ深夜便の隠居大学で、エジプト考古学者・吉村作治さん(早稲田大学名誉教授、69歳)の話を聞いた。縦横無尽で面白かった。

吉村さんの理想の最期は、映画監督のそれに似ている。エジプトで発掘調査の監督にあたり、あつい太陽光を避け、帽子を被り、椅子に座っている。

午後の部に入る頃、弟子が「先生、始めます」と言いに来た時、ころっと椅子に座ったまま亡くなっている、それが理想という。

そうだな、最期は七転八倒するより静かに過ごしたい。出来れば身近な人達に「有難う、さようなら」と言いたいな。

吉村さんは昔イスラム教に改宗してエジプト人と結婚し息子も作ったようだが、エジプトで住むと言う約束が守れず離婚、その後、恋愛はするが独身を貫いたとのことだ。

そう言えば、吉村さんが鬚(ひげ)を蓄えているのは、イスラム教徒のせいなのだな。

イタイイタイ病資料館オープン富山

2012-04-29 | 地域居住学
神通川流域で起こったイタイイタイ病は、かって「四大公害」の一つと言われた。

他の三つは、水俣病、新潟水俣病そして四日市大気汚染(ぜんそく)である。

私は熊本の水俣病に少しコミットしてきたが、富山のイタイイタイ病にも北陸出身ということもあり関心を抱いてきた。

それで、自分が建築に関心があったので、イタイイタイ病では公害裁判で勝ち取った補償金の一部を、被害者たちの「集まり」に使う「集会施設」に回したーその施設は「清流会館」と呼ばれたーという事実に注目し、一度訪ねてみたいと思ってきた。

今度出来た「イタイイタイ病資料館」は、富山県が4億円余を投じて出来上がったようだ。一度、この資料館とかっての「清流会館」へ行ってみたいなあ。

米議会は普天間の辺野古移設に懐疑的なのに・・・

2012-04-27 | 時論、雑感
日米両政府は、本日、「在日米軍再編見直し中間報告」を発表した。2日前発表予定が米議会の反対で延びたのだ。しかし、これを発表しないと、野田訪米やオバマ大統領との首脳会談が無意味になるので、無理に発表した形である。官僚の「玉虫色」の言い方だ。

一方、アメリカの政治は、国民民意と議会には勝てないようだ。特に大統領選挙が近づいているから尚更である。

まあ、米民意とそれを反映した議会が、日本の民意と議会(特に沖縄民意と沖縄議会)にも配慮して、普天間基地の辺野古への移設は無理と認定して別の方法を模索しているのに、日本政府は特に過去の決定に固執している。醜い光景だ。

日本の民主主義は、まあ「遅れている」と言わざるをえない。

4月26日は「良い風呂の日」

2012-04-26 | 言語・字・言語遊戯
今日、4月26日は「語呂合わせ」で「良い風呂の日」であるらしい。

私の誕生日は6月26日で、これは「露天風呂(6.26)の日」である。

厚労省の統計によると「良い風呂」とも言える「銭湯」は全国で5千軒ほどになって一時の1/3以下になっている。

「銭湯」は明治以降、「1銭」で入れたので、そう呼ばれたが、今や「千円湯」となりつつある。まあ、千円でも「安い」かもしれない。

さあ、自宅の良い風呂に浸かろうかな。

垣添忠生さんの話(後半)より

2012-04-25 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
2012年4月24日(25日早朝)のラジオ深夜便・再放送で昨日に続き国立がんセンター名誉総裁の垣添忠生さんの奥さんをがんで亡くした後のことを聞いた。

共感するところが多かった。ただ、肝心のがん(治療)については、?である。

仏教徒ではないらしいが、(奥さんの生前の要望で葬式はしなかったが)百日法要のようなことをやって、一種の「けじめ」をつけ、亡くなって一年後位に奥さんの絵の「遺作展」をやっている。生前、いつも一緒に旅行、山登り、カヌーなどやっていたので、今も奥さんの写真を外出に肌身離さず持って出ている。

思いを書物に「表出」することで、気持の「昇華」になったのでは、という・・・。

その本では、個人的な悲しみを社会的に受け止める「グリーフ・ケアGrief care」の必要性、前進を訴えているようだ。

また、家で安心して治療し、かつ安心して死ねる「在宅医療」の充実も訴えておられる。

関連して子供たちへの「死生教育」も大事と言っておられる。

最近では、以上のようなことに余生をかけ、何時死んでも「大丈夫」、と言っておられる。子供さんがいないので、遺産に行方(寄付など)も整理し、遺骨の行方(散骨、樹木葬、奥さんと一緒)、遺品の整理もめどをつけて頼んである、とのことだ。

国立がんセンター名誉総長 垣添忠生さん奥さんをがんで亡くす

2012-04-24 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
今朝の早朝、ラジオ深夜便で、国立がんセンター名誉総長 垣添忠生さん奥さんをがんで亡くした話を聞いた。日本のがん治療のトップ機関のトップの奥さんでも、そこの治療で助からなかったのだ。

聞いていると、いわゆるがん対処療法の三大やりかたー手術、放射線、抗がん剤ーを全てやっている。にもかかわらず、助からなかった。こういうやり方は転換していくべきではないのか。

こうなったら『大往生したけりゃ医療とかかわるな』(幻冬舎刊)でいって、「がん」を治療しないか、近藤 誠さん(慶應義塾大学医学部講師)のように『がん放置療法のすすめ』(文春新書)でいくしかないかもしれない。

しかし、垣添さんの話で一つ共感したのは、奥さんを死ぬ間際に自宅に連れ帰って、そこで最期をすごしたことである。奥さんは平成7年の12月31日に亡くなったのだが、最後にガバッと起きて垣添さんの手を握ったという。「有難う」ということだ。いやー最期はそうありたいと私も思った。

今日の番組で話の後半がある。どうなるかな。

貝原益軒(江戸)、幸田露伴(明治)を読み込もう

2012-04-24 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
日本の先人から色々学ぶことが出来るが、健康や生活のありかたについて、私は江戸時代初期の儒学者・貝原益軒(『養生訓』など)、明治末期の文学者・幸田露伴(『努力論』など)をあげておきたい。

まあ松尾芭蕉と夏目漱石をあげないところがミソである。

貝原益軒は、単に「養生」についての経験を体系化しただけではなく、『楽論』など生活そのものの楽しみの意味についても深く多様に語っている。

幸田露伴は、娘に床の拭き方などを教え、家事についても一家言を持っていた。

二人とも伸び伸びした自在な生活を理想とし、自らも実践していた。

じっくりと読み込んでいきたい。皆さんも付き合って下さいね。

古稀ー己の欲するところに従えども則(のり)を越えず、だが

2012-04-23 | 地域居住学
古稀の語源は、唐の詩人・杜甫の「曲江(きょくこう)」に由来する。で、古稀は70歳を意味するのだが、古来、中国で70歳と言うと『論語』に「70にして己(おのれ)の欲するところに従えども則(のり)を越えず」というのがある。

で、私は去年の6月に古稀となり70歳を越え、もうすぐ6月26日がくると71歳となるのだが、その古稀で、正に「コキッ」ときたのだ。

妻が突然の心臓病となり入院・手術、私は「付きっきりの看病」というか、連日の土日もない病院かよいとなった。(二三人の看護師さんが「ご主人は優しそうな方ですね」と妻に言っている。うふふ。)

70歳(古稀)にして、そうなったからには70歳代の少なくとも10年間は、妻に付き添って共に健康に留意し、時に介護するのが、自分の任務かな、と思うに至った。

それが自発的「己の欲するところ」なのかなー?!

各種学会の継続と退会

2012-04-20 | 文化論、科学・技術論
7年前、奈良女子大学を63歳で定年退職するとき、基本的に「職場人間」から「地域人間」に転換するのだ、という認識だった。

だから職場をベースとした各種学会は、整理すべしと思った。

ところがずるずる今日まで来てしまった。

で、意を決して各種学会の整理に入った。

・「建築学会」の論文会員はやめて『建築雑誌』だけ講読することにする、手続き出来るかな。

・「環境教育学会」は、今年度は退会、会費8千円が「浮く」。

・「日本家政学会」は、私が70歳(古稀)になって「功労賞」を貰うことになり(5月12日に大阪市大での大会にて)、『家政学会誌』は、「ただ」で購読できることになった。ここでも年会費8千円が浮く。

・他にも徐々に整理していく積りだ。

・で、「職場人間」から「地域人間」に転換したのだから、地域のボランティア活動(「けいはんな市民雑学大学」「地域SNSけいはんな」など)に、それらの「浮いた」お金を回したら、と今考えているところだ。

単なる縮小退会ではなく「退会転換」を図りたい。

総合診療医・ドクターG(eneral)の質的量的充実を

2012-04-19 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
NHKTVで「ドクターG」というユニークな医療エンターテイメントとも言うべき番組をやっていたのは知っていたが、今日初めて「再放送」を見て、応援したくなった。

医療のスタートは、患者が体の不調を訴えて訪れた時、問診と身体診で、病名を「確定」するのが、まあ総合診療と言えるやり方だ。(血液を採取したり、X線写真を撮ったり、CTやMRIを使ったりしない。)

まあ、人間の体(と心)は、ホメオスタシスで全体的均衡を保とうとしており、分析的にある器官だけに注目したり、ある症状だけに注目するだけでは、本当の不均衡(病気)は分からない、総合的に判断すべきというべきだろう。

個々の医師でも総合診療マインドを持つべきだし、医療チームとしても連携して総合的判断をすべきなのは論を待たないだろう。

医療の将来に関しては、患者の目線から、専門化・高度化と共に、総合的に連携的に各科が協力すべき関係を真に再構築すべき地点に来ている、と言えよう。

物忘れ対応:「失礼ですが、お名前は?」

2012-04-17 | 言語・字・言語遊戯
中村メイコさんがラジオの「隠居大学」で面白い「老人」の物忘れ対応を語っていた。メイコさんのお父さんの「発案」らしい。

パーティか何かで、確かに前に会った人だが、名前(姓名)が思い出せない。そういう時は5分間は思いだすよう努力する。

それでも思い出せない場合は、その人に対して「前にお目にかかったと思うのですが、お名前が思い出せません。失礼ですが、お名前を教えてくださいませんか。」

答え「ああいいですよ。私は西村です」 対応「西村さんは分かっているのですが、思い出せないのは、下の名前です」 答え「一朗ですよ」 対応「ああそうでしたね。有難うございます。」

どうでしょうか。使えるのでは・・・。

「ドイツ流生活術」に学ぶ

2012-04-15 | 生活描写と読書・観劇等の文化
私が夜中、眠れないときなどラジオ深夜便(NHK)を聞いている。特に早朝の4時台の「明日への言葉」は色々な人が人生経験を披露してくれて興味深い。

昨夜は、「祖父から学んだドイツ流生活の極意」で話者は、料理研究家 門倉多仁亜さんだった。母ドイツ人、父日本人、母方祖父ドイツ人、その祖父は90歳を越えている。祖母は「寝たきり」を経て10数年前、祖父の介護もむなしく亡くなった。

爾来、祖父はドイツで一人暮らしなのだが、同世代でやや若い女性と「茶飲み友達」付き合いをしつつ、孫娘の門倉さんとも週一で電話会話を楽しみ(それもドイツ人らしく、時間指定、門倉さんの「前」にガールフレンドとの会話時間帯を取っている)、毎日の生活も「予定通りに」こなしているようだ。

朝は自動車を転がしてカフェに行き、朝食、コーヒー嗜みつつ新聞に目を通すことより始めている。

門倉さんがお祖父ちゃんから聞いたドイツ諺:「人生の半分は、整理整頓」、「安らかな眠りを得たいなら、ベッドを自分できちんと管理せよ」「始まりがなければ、終わりはない」など。

物も平均して日本より少ないが、家中がきちんと管理されており、お祖父ちゃんは「探し物皆無」とのことだ。あと10年は生きたいとのこと、門倉さんは、そういう生活の師お祖父ちゃんを尊敬し、毎年2,3回は、ドイツを訪れたいと言っている。

私も、きちんと整理整頓された家を見てみたい、と思った。

3月より4月ですよね

2012-04-10 | 時論、雑感
わが人生では、3月は良いこと(結婚、子供生まれる)もあったが、悪いこともあった。特に今年の3月は「最悪」だったと言えよう。

だが、それを越えて4月は、良くなっていくと思っている。

孫たちが1級進むし、誕生日が以後7月まで次々やってくる。1歳進むことでもある。

桜も咲くし、卯の花も垣根の辺りで咲いてくる。

今年は阪神タイガースもスタート調子がいいようだ。

本当にいいこと多い4月になってほしいな。

小冊子『家政学、生活環境学と私  1974/4~2012/3』つくる

2012-04-09 | 教育論・研究論
この度、古稀(70歳)になったのを一つの節目と考え、『家政学、生活環境学と私 1974/4~2012/3』という小冊子をつくった。

主に「日本家政学会誌」に掲載した小文を数編と学会の役員としての「年頭挨拶」および2004年夏の京都国際会館で行われたIFHE(国際家政学会大会)の私的記録などをまとめたものである。

100部ほど作った。家政学、生活環境学、住居学・住環境学等で小生と「付き合い」のあった方々、興味ある方には謹呈したいと考えている。

お声掛けを宜しく願います。

小生メイル:ichiro@cc.nara-wu.ac.jp
 

祈ることと念じること

2012-04-08 | 生活描写と読書・観劇等の文化
病院に入院して、手術を受ける羽目になったら、その手術をする医師に全生命をゆだねることになる。

本人や身近な親族が、やれることと言ったら「うまくいきますように」と祈ること、「何とか生き延びろ」と念じることしか残されていない。

そういう祈りや念じが、通じるといいのになあ。