西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「がんになって良かったですね」

2007-01-27 | 生活描写と読書・観劇等の文化
患者に凄い言葉を言える医者がいたもんだ!「がんになって良かったですね」だって・・、「エーーー」と思った。香川県立中央病院泌尿器科主任部長の朝日俊彦さんだ。1946年生まれだから今年還暦かな。1983年から「がん告知」をはじめたようだ。上記はラジオ深夜便「こころの時代」での発言だ。(2006年9月10日、11日、雑誌に概要採録)インタビュアーに「どこからそういう言葉が出てくるのか」と聞かれて、朝日さんは次のように答えている。少し長いが、ポイントなので引用する。「どんな病気になるかというのはくじ引きみたいなもので、日本人ならば確率が高いのはがん、心臓病、脳卒中の三つです。心臓病の場合は心筋梗塞などで割りとぽっくりいくことが多いのですが、ぽっくりいったらいいかというと、本人はいいかもしれませんが、残されたほうは大変です。遺産相続などの問題があるし、遺族の方も非常に愛している人が突然死んだとなると、心の痛手がかなり強いわけですよ。「自分が死んだらもう終わり」という考え方もあるでしょうが、人間と言うのは支えあって生きているわけですから、病気になってこの世から旅立たなければいけないことになったら、良いお別れの場を整えて、本人も気持ちよく送られ、周りの者もしっかりお見送りするほうがいいと思うんですが、ぽっくり死ぬと、そのお別れができません。また、脳出血や脳梗塞で倒れて寝たきりのような状態が続きますと、あえて申し上げれば、看病する側が「飽きて」しまうんですね。介護の年数が長くなると、どうしても愛情が憎しみに変わってしまいます。その点、がんという病気はふだんはわりと元気で、いよいよ悪くなってから亡くなるまで二、三か月です。これは看病する側も送られる側も、ちょうどいい長さなんですね。看病する側にしてみたら、二、三か月なら「がんばろう」という気持ちになりますし、本人も二、三ヶ月の間に身の回りの整理をして、気持ちよくみんなとお別れするんだ、と考えることができます。・・・僕は泌尿器科の医者ですから男の患者さんが多いんですけれども、そろそろあの世に旅立つ時期が近づいてきたら、患者さんに「奥さんの手を握って『一緒になれて良かった。幸せだった。ありがとう』と一言言ってください」と言うんですよ。そうすると、ほとんどの患者さんは奥さんに「お母ちゃんありがとう」と言われます。先日亡くなられた方はかなり年配の方でしたけれども、「お母ちゃんありがとう」と言った後、奥さんの顔をまじまじと見ながら「母ちゃん、べっぴんや」とおっしゃったんですよ。すると、奥さんの頬がポッと赤くなりましてね。」「言われた奥さんも、きっと満足されているんじゃないかと思います。僕は奥さんに、前もって入れ知恵をしておくんです。「だんなさんはこういうふうに言いますから、お返しの言葉を言ってください」とお願いして、「私はお父ちゃんのことを心から愛していますよ」と言ってもらいます。お世辞でもお芝居でも、臨終まぎわの人が奥さんからその一言をもらいますと、それはもう満ち足りた気持ちで亡くなることができますし、さらに「あなた、先に行ってよい場所を取っておいてください。私もあとから行きますから」という言葉があれば完璧ですよ。こんなふうに、いかにして「終わり良ければ全て良し」というところにもっていくかという視点が、僕は非常に大事だと思っています。」
こういうことが言える医者だから、頃合いを見計らって治らない患者に「がんになって良かったですね」といえるのだな、と思った。
(写真は、朝日俊彦さん)

「たかつきエコフェスタ2007」を覗く

2007-01-27 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
今日の午前、高槻市立生涯学習センター展示ホール(高槻市役所の建物1階)で昨日から明日(午後16時)まで行われている「たかつきエコフェスタ2007」の展示を見に行った。平安女学院大学生活環境学部としても参加、出展しているからである。口上「生活環境学部では地域から学び、地域に貢献できる人材の育成を目指して、生活環境フィールドワークや他のさまざまの科目で、地域の課題に沿ったテーマに取り組み、地域・現場主義の教育を心がけています。その中から、高槻市や森林組合のご協力で実現した竹細工や間伐材活用のテーブル・椅子作り、自然素材活用の染物、環境に配慮した洗濯、地産地消による郷土御膳や寒天コンテストによる商品開発など、一部を展示します」ご覧になった市民から、寒天コンテストの入賞作品のレシピが欲しいとの要望もあったようだ。たかつき環境市民会議で活躍の元奈良女理学部教官のS先生にもばったりあった。元気そうでなにより。大人、学生ばかりでなく小学生も参加、午後に取り組み発表があるようだったが、私は他の用事もあったので失礼した。明日まで展示はやっているので、関心のある方はどうぞ。竹細工の実技指導もやっていた。竹は、どんどん使わないといけないようだ。雨水利用の器具開発、堆肥製作コーナーなどもあった。

けいはんなプラザ危機

2007-01-27 | 地域居住学
我々が住んでいる「けいはんな市」(関西学研都市)の「中心」にある「けいはんなプラザ」が膨大な赤字で身売りの危機にあるようだ。(昨日の『京都新聞』)住友ホールでの音楽会など楽しんできたのにどうなるのだろうか。貸し出しラボ(研究室)も全部埋まっていない。ホテルも足場が悪く経営難のようだ。時々、研究会などにも使ってきたが・・。裏にある駐車場の土地も「売り戻し」になるようだ。
前にお知らせした厚生労働省関係の「私の仕事館」も何とかしないと潰れる。まあ関西国立国会図書館は、税金で何とかもつのであろうか。「けいはんな市民」レベルでも活性化、活用をもっと考えねば・・と切に思う今日この頃です。
「私の仕事館」:http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/70d809aeab5fcb85224adc8f5bc4d750
けいはんなプラザのページ:http://www.keihanna-plaza.co.jp/