西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

ピラミッドの意味と形

2006-04-30 | 色々な仮説や疑問
今朝のNHKTVで「ピラミッドの意味と形」をやっていた。エジプトのものは有名だが他にマヤのピラミッドもやっていた。時空を越えて良く似たものが出来たものだ。どうも両方とも太陽を信仰することが根底にあるようだ。雲間に輝く太陽光の形が△と言っていたが本当かな。注目しておこう。マヤのピラミッドも四角錘であるが、一面91段、四面で364、最後に上る1段を加えて365段、即ち1年の日数となる。エジプトのピラミッドの意味としてギリシャのヘロドトスは10万人の奴隷を20年間使って築造したクス王の墓と言ったが、実際、石棺にミイラはなかった。壁に書かれた当時の字を解析すると、奴隷ではなく普通の民が「労賃」も貰って働き休みも取っていたようだ。まあ公共事業と言うが・・。一方マヤのピラミッドは考古学的発掘で、神殿の台座+王の墓と判明したようだ。今後とも情報に注目だ。

家づくりフォーラム主催の第三回住宅建築展に行く

2006-04-30 | 住まい・建築と庭
今日、奈良市ならまちセンターで行われた家づくりフォーラム主催の第三回住宅建築展を見に行った。15人の建築家達の共同事業である。阿久津友つぐ(「つなね」住民)、小笠原絵里(奈良女子大住居学科卒)、勝村一郎、門脇哲也、菅家克子、窪田謙二(家具)、坂本昭、武市義雄、竹原義二、長坂大(奈良女子大助教授)、林敬一、藤岡龍介、牧岡一生(造園)、森村政悦、山下嘉明さんだ。何らか奈良に「つながり」のある人達だ。阿久津事務所の小澤さん(奈良女子大・物理出身、B型)も参加者チェックしている。去年、阿久津事務所で飲んだっけ。(ブログ05年7月3日参照)
15時から2時間、市民(私も含む)を交えたフリートークがあり、面白かった。女性ジャーナリストの司会のもと、長坂大、藤岡龍介、阿久津友つぐ、小笠原絵里さんが話した。常日ごろ、クライアント(施主)とどのようにコミュニケーションしているのか、垣間見えて面白いと思ったのだ。最後に市民の一人として私は、感想的に発言した。「建築家は何人、何十人のクライアントと対話をしてきた対話プロであるが、クライアントは初めてか、せいぜい2回目の対話のアマだ。だから、ポイントを示す「施主学」が必要だ。ま設計監理料とは、生活のプロの話を聞いてもらう費用、矛盾する多くの要望を整理し、すっきりした設計にまとめてもらう費用、安全第一の構造チェック費用、施工業者をチェックしてもらう費用だろう。」(一寸、「よいしょ」したかな・・)
慣熟居住のことも話したが、それは既に「私の考え出した言葉」に載っている。(ブログ05年7月16日参照)

早川文夫先生亡くなると聞く

2006-04-30 | 名古屋・豊田の思い出
昨日、安藤元夫君の告別式で名古屋の佐藤圭二さん(中部大学教授)に会った。佐藤さんは、先だって早川文夫先生(名古屋大学の初代計画系教授)が亡くなられた、95歳の大往生だった、と言われた。昨年の7月10日ブログに、昔、佐藤さんと早川先生を訪ねた話を書いている。その他「早川文夫」で検索すると多数の記事が出てくる。私の二十歳台、名古屋・豊田時代の4年間、色々世話になり連名で建築学会大会に投稿している梗概もある。豊田市における自動車公害に関する調査研究である。
佐藤さんと訪れたとき早川先生は90歳を越え、我々は60歳を越えたばかりだった。
再度、書くが早川先生は別れ際に「今日は若い人々に会えて楽しかった」と言われた。私は思わず(後ろに誰か「若い」人がいるのかと)振り返りそうになった。

そのときの感慨:若き人に会えて楽しと言われけり卒寿を訪ぬ還暦うれし 市路

読後感の書き方

2006-04-30 | 生活描写と読書・観劇等の文化
私は、本を読んで(速読)の「読後感」ある意味では「書評」をブログにいろいろ書いている。これは後から整理し、再度「精読」するためのメモの積もりだった。ところが、昨日、私のブログの熱心な読者の一人のF.さんから「あんなに筋を詳しく書かないでよ。本体を読む楽しみがなくなるから・・」といわれた。『ダ・ヴィンチ・コード』のことである。そうかもしれないが、私のは自分用メモで書いているので、もし読む楽しみがなくなると言われるなら、私の「読後感」は読み飛ばしていただきたい、と思っている。

安藤元夫君の告別式と精進落としの会

2006-04-29 | 2005年4月以降(平女、高槻、学研都市等)
今日、昨日のブログに書いた安藤元夫君の告別式が神式であった。近鉄富雄近くの会場だ。こういうやり方は初めて経験した。神主が一人仕切っていた。我々参列者は立ったり座ったりさせられた。神主の口上は、全部はよく分からない。何処かで安藤君の経歴を言っていた。弔辞は近畿大学の窪田先生(構造系、東京都立大学出身、高見沢邦郎さんと同期か)と安藤君の京大での恩師・三村浩史先生の二人だった。神式なので我々は順々に「二礼二拍(音をたてない)一礼」で榊を安藤君に捧げた。安藤君と奥さんのイツ子さんには2男1女がいるが長男は、東大を出て経済産業省の役人、次男は日立製作所勤務と言う。最後に長男がしっかり挨拶していた。私は安藤君のお棺に花を入れて安藤君に最後の挨拶をした。顔は闘病の壮烈さを物語っていた。京大建築計画系研究室の後輩では初めての「お棺入り」で何とも言えず寂しく悲しかった。霊柩車を見送ってから、旧三村研、旧西山研卒業者を中心に、近鉄学園前に「精進落とし」に行った。30人近くの参加、ビール、ワインでわいわい進んだ。最後に先輩の広原盛明さんが挨拶された。「・・精進落しが相当盛り上がったが、今後も誰かが亡くなるごとにこういう会をしたい。さて最後に残るのは?といったところです・・」皆、苦笑いで会は終わった。

三村浩史研究室、西山卯三研究室

2006-04-29 | 京都の思い出(助手時代)
私が京大で助手をしていたのは、1970年から1974年の4年間で前半の2年間が三村研、後半の2年間が西山研だった。当時の院生は、安藤元夫君をはじめとして皆、元気がよかった。今、大学をはじめとしてそれぞれ大活躍している。
それに対して、自分としては、前半の2年間でやったこと、というかやりだしたことは二つあって、一つは水俣地域の調査研究、もう一つはパトリック・ゲデスの「Cities in Evolution(進化する都市)」の翻訳に取り組んだことである。水俣のことは、後に宮本憲一編『公害都市の再生・水俣』(筑摩書房)にまとめて載せてもらった。ゲデスの本は後に奈良女子大に移ってから1982年に鹿島出版から私の編著で出してもらった。後半には、西山先生のご退官間際で「ざわざわしていた」こともあって、京都府伊根町(漁村)の計画に関する調査に取り組み簡単な報告書をまとめただけである。水俣、ゲデスゆかりの地、伊根町等へは、又ゆっくり行って見たいと思っている。言ってみれば「35年後の訪問」である。

安藤元夫君の思い出

2006-04-28 | 諸先生・諸先輩・同輩・諸後輩の思い出
昨日、安藤元夫君が亡くなったと奥さんから知らせがあった。享年62歳、胃がんだった。安藤君は近畿大学教授であったが、私が京大で助手の時に一寸年下の院生(三村浩史研究室)だった。非常に粘り強い性格で、友人の田中 明君が失踪した時、院生の先頭に立って捜索を指揮した姿が目に浮かぶ。その後、卒業して学位も取り近畿大学で活躍していた。阪神淡路大震災復興都市計画の仕事で日本建築学会賞を受けている。西山夘三先生が遺された資料を管理・活用する西山夘三記念すまいまちづくり文庫の現・理事長をしていた。奈良女子大学の院生のために特別レクチャーをしていただいたこともある。昨日、安藤君が亡くなった時刻(13時)頃に私は新井 満さんの「千の風になって」(ブログ昨日参照)を読んでいた。今から考えると「虫の知らせ」か。奥さんにその「千の風になって」をおくりたい。ご冥福をお祈りしたい。

告別式:4月29日(土)14時-15時(神式)
会場:公益社会館富雄
 (奈良市富雄北1-7-7、近鉄奈良線富雄駅から北へ徒歩5分、Tel0742-51-3581)


嵐山光三郎著『悪党芭蕉』を読み出す

2006-04-27 | 生活描写と読書・観劇等の文化
嵐山光三郎著『悪党芭蕉』(新潮社)を読み出した。ほんの一部読んだのだが、「目からウロコ」というか、「へーそういう見方もあるのか」と思った。この「思い」は一寸前に読んだ『ダ・ヴィンチ・コード』でも同じ感慨だった。
つまり、これらの本は、レオナルド・ダ・ヴィンチや松尾芭蕉の普通のイメージを「本当か?」と問い直し、通説ないし常識的見方を覆そうとしているのだ。まあ仮説と言っても良いが、中々面白い仮説だ。嵐山さんの本では「俳聖・芭蕉」は嘘っぱちで、俳諧では確かに抜きん出ているが、その裏で、妾持ち、同性愛(『奥の細道』は弟子・曽良との道行きだ、という説)、目くらましの出家、俳号・芭蕉の謡曲から取った意味、生類憐みの令(将軍・綱吉)への配慮、写生でなく虚構(嵐山説では「古池や蛙飛び込む水の音」で、蛙はめったと飛び込まない、ずるずると池端から池に入るのは一般的、だからそれは虚構ではないか・・)等々「ヘー」の連続だ。ほんの一部を読んでこうなのだから、今後どうなるか楽しみだ。やはり通説、常識を崩すのが仮説であり、学問的方向だろう。

新井 満著『千の風になって』を見る、読む

2006-04-27 | 生活・空間・芸術と俳句・川柳・短歌・詩
今度、芥川賞作家・新井 満さんが平安女学院大学の客員教授になると言う。理事長・学長の山岡景一郎先生がペンクラブの仲間であるよしみで招いたのだ。それで、でもないが今日、本屋をぶらぶらしていたら、その新井さんの『千の風になって』という講談社のかわいい本(原詩、訳詩、写真、新井さんの文により構成)に出会って、すぐ買って見て、読んだ。原詩は英語で「読み人知らず」のようだが、それを新井さんは次のように訳している。

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

秋には光になって 畑にふりそそぐ
冬はダイヤのように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
夜は星になって あなたを見守る

私のお墓の前で 泣かないでください
そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

千の風に
千の風になって
あの大きな空を
吹きわたっています

あの大きな空を
吹きわたっています

これは「死者から生者へのメッセージ」という形を取っている。万物流転、輪廻転生の考えが裏にある。心にしみる詩だった。

JT生命誌研究館の山岸 敦さんの話

2006-04-27 | 色々な仮説や疑問
先週の土曜日に高槻のJT生命誌研究館に行き、スタッフの山岸 敦さんから色々説明してもらった。その中での二つ:(1)私の質問「猿学者・河合雅雄さんは人間が緑を心地よく思うのは、長年の「猿時代」に緑の森にいたからではないか、と言っているが・・?」山岸さんの話・・最近、森で録音したそのままでは人間の耳に聞こえない音を人間に聞かせるとリラックスする、という報告もあるようだ。「へー」である。昔、森林浴は、フィトンチッドが良いと神山恵三さん(故人、生気象学者)に聞いたことがある。とにかく、機会があれば森をもりもり歩こう。(2)「どんな猛獣でも赤ん坊は可愛い。狼少年も、狼が人間の赤ん坊を可愛いと思って育てたのではないか?」山岸さんの話・・ある動物行動学者の調べでは、色々な動物の赤ん坊の顔の「部品」の各寸法の割合を調べると良く似た値になる、という。これも「へー」である。

幅広い教養とは?

2006-04-26 | 色々な仮説や疑問
ある所で、「学問力」についてショートレクチャしないといけない羽目になって、その一つに「幅広い教養」をあげてみた。このブログでも「広く、深く」ということを書いた記憶がある。(05年7月14日、私の好きな言葉(3))つまり学問力は、狭く深くではなく広く深くではないか、ということだ。その教養について、
(1)小中高で学習したことは、全て教養である。時々残っている教科書やノートを読むと良い。私自身も、漢文や「源氏物語」「枕草子」「徒然草」などは再度読みたいと思っている。(2)日常キャッチする情報は全て教養の元、但し、消化力、蓄積力(記憶、記録力)、検索力をつける必要がある。(3)日常読む新聞、雑誌、本も全て教養。平安女学院大学の山岡学長も「本を読め!」と言っておられた。4年間で約200週だから毎週か二週に一冊読めば、4年間で100~200冊は読める。最近の私の読書:『釈注 萬葉集』、『発熱』(辻原登)、『ダ・ヴィンチ・コード』、『悪党芭蕉』(嵐山光三郎)など。(4)時々「出力」する、例えば、身近には風呂に入っている時とか散歩の折に口に出して言ってみる。例えば「建学の精神」、「高槻市の市民憲章」など手始めに・・

ギリシャ建築の背景としての地中海気候

2006-04-25 | 住まい・建築と庭
講義のため『建築史』(堀口捨己、村田治郎、神代雄一郎、相川 浩、川上 貢共著、オーム社)を読んでいて、そうだなと思ったこと・・・「天候に恵まれたギリシャでは市民の生活はおもに戸外で行われたので、アゴラと呼ばれる広場を中心として、神殿、官庁、劇場、列柱廊などが設けられた。このような生活は必然的に主要建築を外から見るものとして扱う傾向を強めた。」(p.23)ここは、アンダーラインするように学生に指示した。
翻って日本の寝殿造り、書院造り等は、建物の内から外を見るような構えではないか、と思った。さりげなく書かれているが(この部分の筆者は相川先生か)大変重要な指摘と思った。

ライラック(リラ)

2006-04-25 | 時論、雑感
今日の花は、ラジオを聞いていたらライラック(フランス語ではリラ)のようだ。寒い地方で良く咲く。日本でも北海道が有名か。花言葉は、「思い出を大切に・・」、そうなら別れにプレゼントする花かもしれないが、私は「思い出し・思い入れ」と言っているので、すぐ頭に入った。

exterior plannner、外開き内開き、炊事手伝い・・

2006-04-24 | 住まい・建築と庭
今日の基礎ゼミでは『キラッと輝くいい住まい』の導入部をやった、玄関、台所、食堂のところである。玄関に到達するところで「気分転換」するのが「玄妙なる関門」であるわけだ。そこには、門扉、見越しの松、植え込み、飛び石等が配されている。それらの配置計画は、造園とも関係あるが、exterior planningで女性にあっているのでは、と言っておいた。玄関扉に関して外開き内開きを日本イギリスを比較して説明した。個室の扉について聞いたら、外開き内開き半々だった。外開きは、親に「有利」、内開きは、子供に「有利」と説明しておいたが分かったかな?
台所のところで「炊事手伝いしているか?」聞いたら、殆どの子が「している」と答えた。結構である。その他、家具を買いに行くときの二つの注意:一つはメジャーで実際の寸法を測っていくこと、何故なら家具売り場は広いので個々の家具は実際より小さく見えるから。もう一つは、ハイヒールを履いていかないか、家具に座ったりする時には脱ぐこと、これは説明せずとも分かるであろう。