かぶれの世界(新)

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山陰旅行記(5)蛇足の蛇足

2019-12-22 18:15:01 | 旅行
山陰旅行はたった2日間だが、楽しみ、驚き、発見、教わりの旅だった。これで一応ネタ切れで連載を終わる。最後にこの旅行で知った一般的情報を紹介したい。

府中から羽田までの直行リムジンバスを初めて利用した。行きは京王バスで中央高速から湾岸道路を経由、早朝で渋滞が無く予定より早く50分で着いた。帰りは東京交通バスで中央循環を通り中央高速で調布、20号線を通り1時間余で府中。大井から初台まで都心の地下を走った。家内の勧めで初めて経験、府中から羽田まで電車以外に安価な交通手段があった。だが、LCCだと羽田はない。

私は何かと若い女性にアプローチする助平ジーサンと家族間での共通認識だったが、今回48時間一緒に旅行して誤解だと証明できた。飛行機やバスなどの乗り物とか食事等で、家内の目の前で誰にでも手助けし仲良く会話する姿を見せ、動機は純粋に手助けして喜んで貰いたい為だと。そうした方が圧倒的に旅が楽しくなるし、実は便利で実利的でもあることも。

今回初めて男性用のオシメを持参した。飛行機内は大丈夫だとしても、最近ますますトイレが近くなりトイレのない長距離バスで我慢できるか心配だった。近くのマツキヨに行き女性店員と相談して「超薄パッド」を買い持参した。最早私に「聞く恥」などない、詳細に状況を話し選んだ。お蔭で旅行中は安心感が生まれた。皮肉にも必要になったのは深夜バス停から自宅に戻った時だった。

今回山陰地方は例年より暖かい予報だったが、最悪ケースを考えた防寒の準備をした。日米での山歩きの習慣で荷物が増えかさ張っても万一を考え準備する。ガイドは熊を警告し旅行のメンバーは誰もやらなかったが、私が早朝まだ暗いうちに山歩きをした時は気温が低く役に立った。

観光資源に満ちた鳥取島根県の人口が何故60-70万人と国内最少なのかずっと考えたが分からなかった。厳しい地形と気候だけではないと思う。もっと厳しい所は全国にある。素人の私は神話と伝説を関連付け考えてしまう。2日間考えて分かるようなら、とっくに手が打たれているだろう。

食事については多少後悔がある。旅行前も旅行中も松葉ガニなど美味しいものが沢山あると聞いていた。だが、いざホテルのバイキング料理で何でもありの状態になると普段の食事と変わらないものを選んだ。後から家内に聞いて「しまった!」と思う。だが、元々食べ物に拘らないからそれで終わりだ。結論、人生初の山陰旅行は本当に行って良かったと思う。■
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山陰旅行記(4)神話と伝説の国

2019-12-20 14:58:14 | 旅行
2日間の短い旅行で3つの神社に行った。岡山の最上稲荷に島根の八重垣神社と出雲大社だ。何れも縁結びの神だという。自宅に戻り旅行案内を落ち着いて見ると、それも旅行会社の狙ったプランの一部だったと気付いた。旅行に行く前は自分の行きたい所のみに目が行っていた。

私は神話とか縁結びとかには興味が無いが、未だ独身の末の息子については話が別だ。与えられた機会は生かせば何でも良いと割り切った。彼も表面上はガイドや神官の言う手順を踏み、拝殿で祈願を受け、お守りを頂き、恋占いに参加した。私も来年こそ良い縁に恵まれて欲しいと願った。

最初に驚いたことがある。岡山の空港の近くの最上稲荷はお寺と神社が一体になった日本三大「神仏習合」の一つだという。事前に調べていた家内は知っていた。いわば土着信仰と大陸から伝わった宗教の対立を防ぎ融合させたいかにも日本らしい解決法であり、排他的でない珍しい宗教だ。

実家には家の中に仏壇と他の三か所に神様を祭り、庭に神様と仏壇が同居した祠がある。珍しくない風景だ。長年の疑問が解けた。3ヵ月前頃に実家に招いた歩き遍路の米国人女性は、神仏とサンタクロースの人形がある部屋に驚いた。今なら驚かすだけでなく背景を説明できると思った。

最上稲荷から湯郷温泉を経由し高速を走り鳥取砂丘に向かった。岡山県を走っている間は柿や梨など名物の果物について弁舌を振るったバスガイドだが、鳥取県に入ると話題は子供の頃聞いた神話に変わった。大国主神とか因幡の白兎の神話の舞台はここだと言われても、私も含めバスの乗客の多くは寝てた。今時の人は神話や伝説を聞く機会があるのだろうか。この質問は次のテーマに続く。

三つの神社ともに参拝者が思ったより少なかった。外国人観光客はほぼ皆無、日本人参拝者も出雲大社を除くと我々団体旅行一行の他数人見かけただけ。先月の明治神宮とは大違いだった。神社周りの広大な駐車場にバスや車の姿はなく、参道の3-4割の店のシャッターが降りていた。

心配になって最上稲荷のガードに聞くと、三が日の参拝者で1年分を稼ぐのだそうだ。ホンマかいな? 別格の出雲大社といえども決して参拝客は多くはなかった。更に日本各地を回る添乗員によると、全国区の出雲大社でも外国人参拝者は少ないという。ましてや、ということだ。

私の素人考えでは、日本人なら誰もが知っている「神話と伝説に神社」プラス何かが無いと観光客を呼べないと思う。鳥取島根の両県が日本で最も人口が少ないのは何故か、バスの中で素晴らしい景色を見ながら何故か考えた。多分、この原因が分かれば観光客数を増やす鍵があるかも知れない。明治神宮には周りに観光客をひきつける竹下通りとか表参道がある。何かそういうものが必要だと。

【蛇足1】祈祷が終わり見送りしてくれた若い神官は国学院出身だと言った。明治神宮で聞いた通りだった。東大出の官僚が地方の職場のトップを経験するみたいなものだろう。とすれば地方神社の参拝客の傾向は彼も感じているはずだが、勿論聞けなかった。

【蛇足2】八重垣神社の本殿の脇に木製の巨大な男根が祭ってあった。ガイドも参拝者もスルーしたが、目ざとい私は気付いて写真を撮った。その後バスに乗る時そのことをガイドに聞くと、お客様には色々な方がいるので話せないという答え。それ以降彼女の私への態度が冷たくなった気がする。

【言い訳】普段から信仰心が薄く神社仏閣に興味のない私は、本テーマについては一貫性が無い記事だと自覚している。読み返してみると結局のところ、神社やお寺を経営的視点でしか見て無いようだ。付け加えると口の減らない助平ジーサンだった。■
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日韓関係を公平に見よう

2019-12-18 16:45:54 | ニュース
楽しかった山陰旅行記は一休みして政治報道を語りたい。

戦後最悪と言われる日韓関係の対話が再開したことについて、特にマスコミ報道について急ぎ私見を述べたい。先月、韓国政府がGSOMNIA維持を決めたのは米国の圧力を引き出した安倍外交の成果だと投稿した。その間、一部マスコミ報道は桜に熱中した。今回、関係改善の転機になるかも知れない会談はどうだっただろうか。

両国代表が対話後に「相互理解が進んだ」と述べ一定の評価をしたが、基本的な考え方に齟齬があり直ちに関係改善が進む可能性はないという見方でマスコミの大方が一致したと思う。それでも対話は決して悪くないと私も思った。だが、TBSの昼のニュースバラエティ番組の報道の仕方には従来と変わらない違和感があった。

該番組の背景説明で、韓国政府や国民が日本叩きするネタ(情報)ばかり説明した。これだけを見れば、如何に韓国が政府・国民ともに日本が大嫌いなのか見せつけられ、観光客や日本製品不買運動で日本経済にダメージを与えている印象を与える。理不尽にも日本人に韓国大嫌いになれという報道の様に私は感じた。

テーマによってだが、この手の一方的な報道が特にTBSに多いように感じる。昨日の番組ではゲストの評論家のコメントがある程度バランスをとっていたが、時には酷く偏見に満ちた結論を押し付ける印象を受けることがある。それでも私がこの番組を時折見るのは、メディアの中で最も一方的な見方は何かを知りたいと思ってのことだ。

先日、雑誌AERAが日韓両国民が同じ質問に対してどう答ているか意識調査して得た興味ある結果を報じていた。私の記事の総括は、「日韓国民は心ではお互い好意を持っており報じられる程嫌ってはいない」だ。ただ、特に韓国メディアの伝え方に強く影響され不買運動など韓国世論が動いている傾向が強いようだ。

参考のため上記記事の一部を引用する。「韓国メディアで、安倍首相を是々非々で論じる社はひとつもない。何をやっても批判する。2015年に韓日慰安婦合意を達成したときも、韓国メディアは安倍氏を評価しなかった」、「安倍氏を悪者にしないと、自分たちが批判される」という強迫観念がある… 私もそういう印象がある。

一方で日本人の冷静な反応にも驚いた。同じ記事で、日本人に「韓国の印象がこの半年以内で変わりましたか」との質問に、「いいえ」と回答したのが76人で、「はい」と答えた24人の3倍超に上った。メディアで盛んに日韓政府の対立が伝えられ、中には両国の分断を煽るような言説も目立つ中、市民感情に大きな影響は見られなかった… 

一見TBSのニュース番組は露骨に扇動してないように感じる。だが、性根は変わりないと私は感じる。視聴者に上記のような日韓両面から見た情報を与えて判断材料を提供するというメディアの基本姿勢がないのだ。韓国の反日運動のみ伝え、結果的に視聴者を煽っている。TBSほど酷くはないが他のマスコミにも同じ傾向があると感じる。

一方で、日本人の反韓感情が盛り上がらず冷静な反応をしているのに、私は正直驚いた。日本人が知的に成熟したからか?推測するに韓国の不買運動のインパクトが特定の地域や企業に限られているからかもしれない。日本の経済は停滞しているが、世界的に貧富の差が少ないからだろうか。ここまで見て多少楽観的な気分になった。

(補)最後に公平の為、私のポジションを明らかにしておきたい。韓国に国と国との約束を守るという姿勢が無い限り、韓国と約束しても無駄だと思う。大統領が変わったら、又、何を言い出すか分からないのでは約束する意味がない。安倍首相と同じ考えだ。一代前の大統領との約束でさえ反故にされ、新しい約束をするお人好しになるな!■
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山陰旅行記(3)伯耆富士

2019-12-16 18:01:46 | 旅行記
山陰の旅の個人的な目的は鳥取砂丘と足立美術館を自分の目で感じることだった。だが、全く期待してなかった大山の美しさに出くわしたのが、旅の最大の成果だった気がする。私の知る大山は広島から見た1700メータークラスの平凡な山、近年縦走路が崩落し登山の対象でも無かった。

ところが高速道路を西に走り名和を過ぎた頃から大山の形が変わり、大山ICを出て南に走りホテルに向かい始めるとまさに富士山の様に美しく変身した。大山は見る角度によって山の形(魅力というべきか)が激しく変わる。ここまで来て何故「伯耆富士」と呼ばれるか分かった。

ガイドによるとこの季節に大山の全容が見えるのは珍しい、殆どの日は曇りか霧に覆われ山は見えないのだそうだ。ホテルの前に駐車した観光バスも4台だけ、通常は8台駐車し宿泊客で溢れレストランや風呂は混雑するという。何処に行っても閑散としており、我々は運が良いのだそうだ。

ということで、勧めに従い部屋に荷物を置いて揃って最上階に行き大山全体を見た。富士山等に比べ規模が一桁小さく、周囲の山から裾野を含め一際美しい山容が窓から見えた。ならばもっと他の場所から見てみたいと思い、フロントでお勧め散歩コースを聞き地図を貰って歩いてみた。

薄暮の中歩き始めたが勧められたコースを間違え途中から急坂になった。かまわず歩き続けると別荘群を抜け、山中なのに平坦で広い畑が続く道に出た。南側に緊急避難用の飼料倉庫が見えた。あぜ道を北側に歩くと大山が右(南東)に、左(東)に丸い月が登り始めていた。絶好のシャッターチャンスだった。

畑を歩き回って山と月が両方入る場所を見つけ写真を撮った。夕闇の中では旧型スマホにとって光量不足で、鮮明な写真が取れなかったのが残念だ。ガイドに熊が出ると脅されていたのを思い出し怖くなり、早々にホテルに戻り一風呂浴びて家族に合流した。下山途中、美保湾沿いに光る境港の夜景も美しかったが時間切れだった。

翌朝も暗いうちにホテルを出て昨日勧められた散歩コースを歩いた。これが私だ。ホテルの最上階で家族と一緒に見た山が美しかったので、それならと家族を部屋に残しもっと美しい姿が見える場所を探して山道を歩き回る。素晴らしい景色に出会うと、次は時間と場所を変えてどうなるか見る。

ガイドからは西から夕陽にあたる大山が最も美しいと聞いていたが、朝日の中の山影の姿(シルエット)も見たかった。散歩コースを更に延長して林の中を歩いたが、大山は雲と霧の中、里の風景も幽かに見えただけだった。二日続けて晴天とはいかなかった。山陰の富士は嬉しい驚きだった。■
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山陰旅行記(2)足立美術館

2019-12-15 21:27:03 | 旅行
鳥取砂丘から日本海沿岸を西に走り、その日は伯耆富士と呼ばれる大山が見えるホテルに泊まった。この時期には珍しく晴天で見たこともない大山の姿を見たが、その前に旅行の第二の目的だった足立美術館について紹介する。そのたたずまいには違和感があったが、期待通りの美しい庭が待っていた。

テレビ報道などで何度か紹介され足立美術館のことは良く知っている積りだった。専門の庭師がいて365日庭の手入れをし、借景の概念を採り入れ単なる庭を超えた雄大な風景、一方で窓を額に見立てて風景を切り取った日本庭園など、番組を見て是非とも現物を見てみたいと思っていた。

そこは安木ICを出て両側が田んぼの道を南に暫らく走ると、農村の風景とは似合わない白い建物群だった。足立美術館の中に入ると周りとは場違いな手入れの行き届いた美しい日本庭園があった。普通の農村ではただの山々が、館内の日本庭園とマッチして一体感があるのは驚きだった。

このギャップの大きさは、修学旅行で行った栗林公園で説明された「借景」とは異なり、やや人工的なものを感じさせた。案内してくれた館の専門員に聞くと、普段から借景の山々もチェックして、相応しくない状況が生じると他人所有の不動産でも時折り手入れをするそうだ。成程と思った。

庭園の素晴らしさはテレビ等で紹介されて期待した通りだったが、皮肉っぽく言うとそれ以下でもそれ以上でもなかった。天邪鬼な私のコメントだが、誉め言葉だ。その後に続いて見学した横山大観メインの日本画の展示と魯山人などの陶器は、私の好みとは違い良さが分からないとだけ言っておきたい。

余談ながら、足立美術館の創立者は不動産業で成功した金持ちで、バスガイドの説明を私風に曲解すると女好きの遊び人だった。彼女の説明によると最初は美人画を集め始め、大観の絵が景気に拘わらず価値が高まるのを見て、積極的に収集し展示するようになった。彼の性根は私と変わらない。

ということで鳥取砂丘と足立美術館を見て今回の旅の目的はほぼ達成しそれだけで満足した。次回は伯耆富士こと大山を紹介する。その美しさは伯耆富士の名前に相応しかったと思う。

【蛇足】最後に一言、旅行の2日目に米中貿易交渉と英国のEU離脱問題が進展し、市場に世界景気持ち直しの期待感が生まれ、帰宅した翌日に私の金融資産の評価額が旅行費用を賄うだけ増えていた。旅行が終わっても気分良好です。ただ、その翌日は市場は正気を取戻し値動きはなかった。■
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