かぶれの世界(新)

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多摩川異変と富士山

2019-12-27 20:46:13 | 日記・エッセイ・コラム
実は異変という程の大したことではない。私が驚いたというだけのことだ。いつもの散歩でアレッと思い立ち止まって考えたことを文章にしただけ。

今朝方、天気予報通り晴天になりそうな空模様なので途中で何度か富士山が見えるコースを選んで散歩した。旧下川原線跡の遊歩道を歩き多摩川に出て、堤防の歩道を下流の調布に向かって歩いた。歩いて直ぐに気付いたのが多摩川の水量で、(私的には)異常に少なく見かけは流れる川が途切れて池になっていた。

多摩川沿いの府中市に住んで約50年間で見た記憶のない風景だ。と言っても今まで多摩川の水量など気にしたこともなかった。「私の経験では異常」という程度の現象だと思った。しかし気になった。

ちょうどその時すれ違った熟年夫婦に声をかけてこの現象について何か知っているか聞いた。川が途切れると言っても、この程度ではそれ程珍しいことではないと彼は言う。実際には伏流が何本かあり、対岸寄り(神奈川県側)にきらきら光って見えているのは伏流が表に出て来た為だという。川が途切れた訳ではないと言っていると理解した。そりゃそうだけど、と思ったが議論する気はしなかった。

彼等は多摩市に住んでいて70半ばになって車を売り、この多摩川沿いの遊歩道を歩いて府中に買い物に来るのだという。道理で多摩川のことは良く知っている。「歩けなくなったらお終い」と思って歩いているのだそうだ。私の母も言っていた。多摩川のことなど忘れて世間話をした。

私もただ誰かと話したかっただけかもしれない。我が家でも家内の車を処分したこと、田舎では車が無いと生きていけない、みたいなごく普通の世間話だ。それにしても多摩市から府中迄歩くとなると相当の距離だ。何時まで続くかと思ったが、勿論それは言わなかった。お礼を言ってその場を辞した。

肝心の富士山だが、歩き始めた時は西の空はちぎれ雲に隠れ多摩丘陵越しに富士山の一部しか見えなかった。今日は風が強く暫く歩き続けると時折りシャッターチャンスが出て来た。堤防から多摩川越しに聖蹟桜ヶ丘の町並が見え、北の高層ビルと南の遠景の富士山がまるで対峙している様に見えた。

夕方買い物に出かけた時、本町駅横の崖上から見えた富士山のシュルエットも美しかった。北風が強く頂上を越えて南側に吹き下ろす吹雪が黄金色に光って見えた。とても風が強い日を象徴した風景で、こちらでも帰宅するとベランダに干した洗濯物が数枚竿から飛ばされていた。こっちの方が異変だったかも。■
コメント
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