かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

2009大胆占い-1Q 見直し

2009-03-31 22:44:21 | 社会・経済

お正月に今年を占って早くも3ヶ月経った。その頃はまだ世界経済がどこまで底なし沼に落ちて行くのか分からず恐れおののいていた。その後オバマ大統領が誕生、各国の経済対策が策定され、少しずつ良いニュースが聞かれるようになってきた。依然悪材料も報告されており、まだまだ先行き不透明だが、第1四半期が経過したところで「大胆占い」のレビューを行いたい。

現状認識: 早すぎた春?

先週半ばに米国NASDAQが年初来の下落を回復しチャラになった前日、私の僅かな金融資産も年初来プラスに転じた。尤も昨年9月のリーマンショック以前に比べれば大幅マイナスに代わりは無いが。そこまで回復するには、NYタイムズの簡易シミュレーションでは、楽観的に見ても7‐8年かかる。私がまだ生きているかどうか分からない。

ダウ平均が上向きになる転換点は、Citi-groupが1-2月の業績が好調に推移していると社内向け発表し、続けてバンカメなど他金融機関の好業績が後を追い、金融システムが思ったより早く回復に向いつつあるという見方が広がったからだ。2月までは悪いニュースしか聞けなかったが、その後も耐久消費財販売、中古住宅販売などの指標がプラスに転じた。

米国の株価が回復すると、世界市場も後を追ってリアルタイムで株価を上げ、結局のところ世界は米国頼りであることを改めて実証した形になった。日経平均も8000円台半ばまで回復した。だが、この間の日本株上昇の原動力は外人買いによるもので、自律性は感じられない。何とも複雑な気持ちである。

山と谷がまだある

それでは、この世界的な回復基調は続くのだろうか。私の知る限り、殆どの専門家はそれ程楽観的ではない。天邪鬼の私も敢えて反論するほど自信が無い。実例として世界大恐慌後の株価推移が良く引き合いに出される。3月の雇用と住宅市場がどうなるか注目される。

昨日は米国自動車産業の救済と引き換えにワゴナーGM会長が辞任すると伝えられ、株価は大幅に下落した。税金を使ってGMを救済するためには国民の理解を得る必要があり、その一環として労働者や投資家に一層の犠牲を求めた訳だが、過剰なポピュリズムに陥らないよう祈りたい。GM会長の辞任は極めてシンボリックなものに感じる。

しかし、市場もまた過剰反応したきらいがある。 本日前場の東京証券市場は昨日の過剰な下げを修正しているように感じる(後場下げに転じた)。均してみて株価は半年先の投資家が考える景気の反映であり、単純に金儲けの為の投機ではない(そういう投資家や首相もいるが)ことを忘れてはならない。

占いの見直し: 予測通りです!

さて今年初めの私の「大胆占い」のポイントは、1)世界経済が底を打つ時期は年後半でその最初の兆しは住宅市場である、2)回復の牽引車は米国でそれを新興国が加速させる、3)日本は悲観論が充満し後追いするだけ、4)巨額救済はモラルハザードと過剰流動性を招き、次のバブルのタネを蒔く懸念がある、というものだった。今迄のところ、予測は見事に当っている(我田引水!)

その中でも現状が予測通りになり、却って不安なのが欧州と日本の混迷だ。特に欧州の状況は予想をはるかに上回る深刻さのようだ。欧州はサブプライムに端を発した世界同時不況で米国を非難したが、EU諸国の東欧への度を越えた投資とそれを実行した国家規模を遥かに超える金融システムの問題は、我国では一般には認識されていないが実態は米国より危機的状態にある。

象を飲み込んだヘビ

EUはまさに「象を飲み込んで動けなくなったヘビ」で、米国の銀行救済の資金が間接的に欧州の救済に向っている状況にあるといえる。一時期好んで論じられたユーロが基軸通貨の役割を果たすというのは非現実的であるし、EUの回復も米国頼りであることが明確になった。

もっと驚いたのは、自律回復などありえないと予測はしたものの、日本経済がこれほど悪化するとは思わなかった。これほど政治が無策でマスコミが悲観論をばら撒き、国内のセンチメントが実力以上に後ろ向きになるとは思わなかった。国家が老いて若々しさを失うとこうなるのか。

日本急降下の訳

日本経済は表向き数字で見るより輸出依存体質だった。短期間で急速に経済が悪化したもう一つの原因は、生産調整がかつて無い速さで進んだことだ。私の経験から、ITバブル崩壊を前後してIT導入が進み、サプライチェーンと経営を結びつけリアルタイムで在庫管理が出来るようになった最初の成果が出たため、と推測される。

これだけ早くブレーキが踏まれた上、設備投資は完全に中断し大幅な雇用調整が一気に進んだので、かつて無い早い速度で経済活動がスローダウンし、それが恐怖を呼び起こした側面があると感じる。即ち、日本企業の経営が改善されたために起こったことで、バブル時代に比べ傷はまだ浅いと見ることが出来る。在庫が短期に適正値に戻れば、回復の速度も早いことが期待できる。

結局、お荷物はEUと日本?

3ヶ月経った段階で個別の予測と数字について見直す必要はなさそうである。私の見方は依然として楽観的な少数派だが、米国経済は秋には回復に向い始め、中国を初めとする新興国の内需が堅調となって、世界経済が徐々に落ち着きを取り戻すシナリオを変える理由は思いつかない。楽観的で現実を見ないのは困るが、かといってメディアの超悲観的な論調は人々に不安を与え何も生み出さない。

リスクは欧州の金融システムの不安定さが、巨大銀行破綻イコール国家の破綻という構造的なものであることである。換言すると、東欧諸国の救済をEUトータルの問題として取り組めるかどうかにある。一方、日本は世界経済の不安定要素にはならないが、西松献金問題で不透明な政局となり、新たなパラダイム構築に貢献できず世界から取り残される恐れがあると懸念する。

お楽しみ

最後にお楽しみのスポーツについて。サッカー日本代表のW杯予選突破は確実な状況だが、日本独自のスタイルを作るまでに至ってない。何故日本の誇るトップクラスのFWは、チャンスにシュートを打たず、打てば殆ど枠に飛ばないのだろうか。監督名のジャパンではなく、野球と同じようにチームの特徴を現すニックネームにし、誰にでも分かる目標にしたらどうだろうか。

今回難しいと思われた野球はWBC連覇した。年初の占いをした後で、上原・川上というメジャー・リーガーが誕生し、楽しみが増えた。彼等は最盛期を過ぎたと感じるが、まだ蓄えが残っていると思う。今年は期待通りに働けないだろうという私の占いの心は、「是非大活躍して欲しい」という素直でないファン心理の表れです。■

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 理想のクラブ | トップ | G20は期待外れ? »

コメントを投稿

社会・経済」カテゴリの最新記事