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天邪鬼・もしトラ予想

2024-05-16 21:23:11 | 国際・政治
私はトランプが好きじゃない、というか嫌いだ。若い頃にトランプは雑誌「プレイボーイ」に出てくる程度の男というイメージがあった。まさかこんな男が米国の大統領になるとは、つまり半数以上のアメリカ人が彼を支持する´バカ’だったのも驚きだった。大統領になるやTPPをはじめ国際協定や合意から身勝手にも離脱して、世界をぶったまげさせた。とんでもない奴だと。

2000年の大統領選で民主党のバイデン氏に敗れた時は、私は米国は正気に戻った復元力のある国だったと思った。だが、今年の大統領選の世論調査ではトランプが優勢と伝えられている。もしトランプが復帰することになれば、彼の滅茶苦茶とも思える政策がまた戻ってくる、言い換えると再び米国の気が狂い世界は無責任な政治が横行し混乱に陥ると恐れる。

ここまで言っておいて世界各国が「もしトラ」に備えて手を打ち始めたということは、トランプが大統領に返り咲く恐れ(可能性)を真剣に考え始めたということだ。彼の政策の謳い文句はMAGA、言い換えれば自国優先ということだ。だが、どの国でも自国優先は当たり前のことで、米国だけに私達を助けてくれというのは身勝手で都合が良すぎるとも思っていた。

米軍のヘリコプターが墜落して亡くなった乗員を一言も悼むことなく、米軍ヘリコプターの飛行の中止を要求する声を聴くと寂しくなる。逆の立場なら他国民を守るために血を流すなんて必要ないと思っても仕方がない。トランプを支持するアメリカ人はバカだと私は言ったが、日本人だって命をかけて守ってくれる兵隊の命を何とも思わないなんて酷い。そんな感じだ。

貿易についても同じで、アメリカは対等な関係にしようとトランプが主張しているならそれもありと思っていた。欧州は移民の受け入れで国が分断されて苦労しているが、最も移民を受け入れているのはアメリカだ。なので、ウクライナ支援に関しても欧州各国にまずは自国で守るべき、軍事費をGDPの2%以上にと要求するのは当たり前だと感じた。

端的に言うと米国だけは特別であり自由民主主義を守る為に金を出して欲しいという、だが誰もが認めるように冷戦時代は終わり米国が圧倒的な力を持つ時代は終わろうとしているのも事実だ。もしかしたら意識せずにトランプが先取りして結果的に実態を反映してるのかもと思う。

この拙文を投稿する前に世界から尊敬されているBウッドワードの「恐怖の男」(2018)を拾い読みした。あとがきによれば「トランプは全ての政策を衝動的な思い付きで指示を下した、適切な手順を経て意思決定するプロセスがない」という。だが、「適切なプロセスの欠如が何をもたらすか不透明で、結果が出るのは後の話」だとすれば、問題は側近が誰かかも知れない。

「もしトラ」が現実になっても「トランプ2.0」のスタッフはまだ決まっていないという。1期目のスタッフは右派のエリート層から選んだが、4年間の欧州嫌いのスタッフの経験を活かして「2.0」の要職を固めるとEルース氏は予測している。米国に頼り切って来た世界はどう対応するか、或いは覚悟ができているか、その結果は「1.0」より悪化するとは限らない。テーマは好きか嫌いかではない、どういう世界になるかだ。だが、結果を見るまで私は生きてないだろう。■

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