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かぶれの世界(新)

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往く人来る人(10)

2016-07-19 23:18:17 | 健康・病気
午後2時半過ぎ母が入院している病院から電話がありすぐ来てくれという。死んだと言わないで心停止と電話の女性は言ったがメッセージは伝わった。東京の家族には来る時が来たと、Lineに書き残し車で松山市の病院に向かった。1時間半弱で病院に着くと、母の病室に案内され先生が待っていた。死亡宣告は受付も看護婦もせず、まず先生からという訳だ。

母は今朝ゼリーを食べ、昼食は流動食もとったという。しかし、午後2時過ぎに脈拍が停まり2時27分に死亡を確認したという。私は覚悟していたというと、先生は突然の心停止で驚いたと言われた。こういった病状で長く生きながら得たのは施設の丁寧な介護があったから、直接の死因は老衰で大往生だと説明された。

その後続けて、遺体はその日のうちに引き取れ、支払いはどうだとか事務的な話が時間をおかず出て来た。何も準備できなかった私は泡を食って、ご近所が良く利用している農協の葬儀サービスに一切を依頼した。松山市の葬儀サービスに連絡して地元の葬儀サービス場に遺体を運んでくれた。万事手順が決まっているようだ。

私は母の荷物を纏めて車に積み込み遅れて葬儀サービス会館に着くと、母は会場に安置されていた。そこで担当者に説明を受けながら、お通夜・葬式・火葬・収骨・法事の日程、お坊さんの員数から御花や食事等々矢継ぎ早に決めて行った。なるべく質素にと思っていたが話を聞くと費用が100万円以上になりそうで驚いた。最近の質素なお葬式のトレンドとは違うようだ。

葬儀費用は母親の預金口座からと思っていたが、火葬を市役所に届けると自動的に口座が凍結されるという。その前に預金を引き出さないと、当座の葬式費用が払えないという恥ずかしい事態になりそうだ。その間に母の兄弟に連絡し葬儀の概略を伝えた。こんなに色んなことをやらねばならないとは思わなかった。

一つだけグッドニュースがある。我が家は二代続けて母親が息子の葬式を出した。男が早死にし祖母は60年以上(多分)後家さん、母も40年以上後家さんを勤めた。三代目にして私は遂にこの哀しき伝統を打ち破った。順序通り母の葬式を息子が出すことになった。我が家の男にとっては慣れない役目を勤めることになる。今後もそうあって欲しいものだ。■
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2016年大胆占い 2Q見直し

2016-07-19 12:07:58 | 社会・経済
今月頭から帰京して色々な行事をこなすうちに、定例の「大胆占い」の3ヵ月毎の見直しをすっかり失念していた。その間に英国の国民投票、世界各国でテロ続発、日本の参院選などが起こった。市場は一時過剰とも思われる反応をしたが現在は沈静化に向かい、見直しの2週間遅れの間に雑音が取り除かれ中長期トレンドがより鮮明になったと考える。

それでは、中長期トレンドは何か。それは「世界経済成長は押しなべて緩やかに鈍化」している。その中で米国は成長を続けているが世界を牽引する力強さはなく、欧州・新興国も若干の下方修正された。端的に言うと年初に期待したバラ色の世界は少しずつ萎れて来た、それが半年後に見える世界経済の姿だ。

一方で、市場は個別事件に過剰反応し易くなっている。実体経済の倍以上のマネーが溢れ、少しでもリターンの大きい所を求めグローバル規模で動く、その動く速度がIT化され益々加速される。英国民投票のEU離脱決定直後の過剰反応が最も良い例で、実体経済への影響を見定めないでただ右往左往したように感じる。メイ首相に決まったあたりから今後の道筋が見えて来て沈静化した。問題はこれをきっかけに欧州の相対的な地位低下が進むという私の予測がどうなるかだ。

経済成長が最も大きく落ち込むのはブラジルなどの例外を除けば、残念なことに日本になるだろうと私は予測する。理由は輸出・設備投資とも伸びず消費は弱含み、頼りは政府の財政投資のみになる可能性が高い。先々週上京時に見た街の様子は今一活気がなかった。

1Q見直しで私は大胆占いの成長率予測を据え置き、IMFが予測を下方修正し大胆占いに擦り寄って来たと自画自賛した。IMFは次回更に下方修正し、大胆占いを下回る成長率になる可能性が高いと予測する。私もそう感じる所はある。だが、冒頭に予測したように「緩やかな下方修正」なので、敢えて今回も据え置き半年前にどう予測したかを明らかにしておきたい。

成長率    大胆占い IMF161 IMF164
世界経済    3.2   3.4   3.2
米国      2.4   2.6   2.4
欧州     1.2   1.7   1.5
中国      6.1   6.3   6.5
新興国     3.9   4.3
日本      0.7   1.0   0.5
(注)単位%、IMF161は2016/1、IMF164は2016/4時点の予測 

2Qの個人資産は山谷があったものの終わってみるとチャラだった。英国のEU離脱決定の前には順調だったが、離脱決定後に年初来の儲けが吹き飛び2週間後にほぼ取り戻した。予想はしたが全くのバカ騒ぎだった。EU離脱後の大幅下落時、絶好の買い場だと思ったが、そういう投資はとっくに止めた。今は住宅新築中、そんな余裕もない。ちょっと残念な気分だ。■
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往く人来る人(9)

2016-07-19 09:22:48 | 健康・病気
母は短期間に小さく醜い塊のようになった。頭の毛が殆ど抜け、骸骨の周りに肉付きがなく薄い皮で覆われていた。顔の形から容易に頭蓋骨の形が想像できた。子供としてこんなことを言いたくないが、まるで仏教の地獄絵図に描かれた餓鬼というのが今の母の姿にピッタリの表現だ。

一方で、栄養が補給される母の首元の小さな四角いプラスティックが、SFの遥か遠くの星にある基地のように見えた。この基地に繋がる小さな管が母の生命を維持している。大きな声で何度も呼び掛けたが反応がない。頭や顔を撫でると、母はぎょろ目の顔を動かし口をもぞもぞさせた。生きている人間の顔に戻った様な気がする。

口では延命措置は望まないと言ったが、今の母は既そうなってしまった。後に残った者が人の生き死にを決めるのは辛い。それは意外にも医者ではなかった。しかし私以外の他の誰にもお願いできるものではない。私自身はこうなるまでは生きたくないと思った。

20年前に家内が母と子供を連れて赴任先のシアトルを訪ねてきて、スペースニードルという東京タワーみたいな街のシンボルの上からシアトル市内を背に撮った写真を今見ている。その頃の母は今の私と同い年で若く見えたが、既に糖尿病で病んでおり長年にわたり体を蝕んだ結果が今の姿だ。最終的に脳梗塞等の合併症を誘発した。母は元気な頃何度も医者の誤った治療が原因と言っていたが、だからと言って助けにならない。

若々しく穏やかな顔の母の写真を見て、20年後の私がこうなるのかと思った。しかし、そんなに長生きするはずはない、母はもう89才で昔風に言うと90才だから長生きしたことになる。わが家の歴史では男は早死にすることになっている。だが私自身は正直こうなってまで生きたくない。

この記事は本当に書きたくなかった。しかし、母の最期をきちんと伝えるのも私の役割だと思い昔風に言うと重いペンを握った。■
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