今年の「大胆占い」をしてから3ヶ月経って振り返ると、私の予測は当らずとも遠からずだとほっとしている。このあと9ヶ月ずっと言い訳するのは辛い。先ずは従来の方程式では説明できないパラダイム変換が数十年以上かけて起こるという大風呂敷からレビューを始める。
≪大風呂敷≫ グローバリゼーションは富の移転を促し有史以来貧困の極にいた数十億の民に飛躍の機会を与え、新たな「変革競争」に入った。グローバル・リスクマネーが必然的に通貨と地政学上のリスク分散技術に磨きをかけ投資先を見直し繁栄を拡大していく。このプロセスは少なくとも30年、長ければ1世紀以上のサイクルで生じる地殻変動の中に我々はいる。 →正しいかどうか私が死ぬ頃には判るだろう。
≪中風呂敷≫ 米国経済減速するが途上国の経済成長が世界経済を牽引、米国と世界の連動性が徐々に弱くなる。ユーロが第2の基軸通貨の地位を固めつつある。米国初の女性大統領が誕生も、予備選が泥仕合化し傷を残す。ブッシュ政権はレームダック化する。中国経済はスローダウン、途上国の成長がカバーする。 →女性大統領以外ほぼ予測どおり。
≪ハンカチ≫ 日本経済のみ変革競争から取り残されプレゼンスが低下。予算成立後衆院解散は五分五分、総選挙後政権交代もしくは政界再編、バラマキで経常赤字増大。株価をはじめ資産価格は下がり、個人マネーには底値買いの機会が来る。年後半はサブプライム問題の収束見通し、株価は一時的に回復に向かう。 →予想通り。
≪個別数字≫ 大方の予測は、世界経済成長率が4%半ばだったのに対し、私は1%低い3%前半と見ている。その差はサブプライム問題・米国の影響力と欧州や途上国の成長の重み付けの差であり、今のところ私の予測というより直感のほうが当たっていた。問題はもっと悪くなるかもしれないことだ。
≪楽観はリーダーの条件≫ 昨年予測した時、専門家の目は私ほど厳しくなかった。日本の600人のエコノミストの成長率予測平均は1.9%だった(日本経済新聞)。私は1%前半と見た。違いはサブプライムに対する危機感の欠如だと私は思う。だが見方を変えれば、常に楽観的であることがリーダーやエコノミストであることの条件かもしれないと思う。
1.女性米大統領誕生、信用不安で成長率1%後半に失速(0.7) △ 予想に反し共和党は早々にマケイン氏が大統領候補を確定、一方民主党は予想通り泥沼の予備選となったがオバマ氏優勢は予想しなかった。経済面では予想通りサブプライム問題が長引き経済停滞に入った。
2.Euro第2機軸通貨化、途上国が補い世界成長率3%台前半(0.5) ◎ 予想通りドル安が進行、ユーロ切り替えが進んだ。米国経済失速の影響が連鎖的に影響するまでは予想通りで、成長率が3%台に落ち込むと予測もそのまま。
3.北京五輪後、中国経済は調整段階に入る、成長率10%台へ(0.6) ○ チベット騒乱は予想外で北京五輪に暗雲、株価暴落と人民元高で経済成長は10%割れもありうる、ハードランディングは回避されるかどうかやや微妙になってきた。
4.予算成立後、解散総選挙、政権交代か政界再編両睨み(0.51) ○ 予算成立後解散総選挙はなくなったが、ガソリン暫定税と宙に浮いた年金が全面解決に至らず、流動的な政局が続いている。内閣支持率低下、民主党も支持が低迷しており、水面下で政界再編の動きが。
5.日本経済は米国失速の影響を受け、成長率は1%前半(0.6) ◎ 予想通り米国経済後退、円高の影響を受け経済停滞は避けられなくなってきた。
6.日経平均13000円台へ低落、年後半18000円に盛り返す(0.4) ○ 予想通り株式相場は日経平均13000円台にさがり推移している。米国経済回復次第の状況に変わりはない。
7.日本サッカー、岡田新監督も決め手不足でW杯予選苦戦(0.3) ◎ 残念なことに予想通り新監督はオシム前監督の方針を理解しておらず、独自色も出せずチームとして全く機能しておらず、先行き危うい。岡田氏の下では欧州組を召集し、個人技で打開するしかなさそうだ。
8.日本人MLB存在感増す、松坂・イチロー活躍、福留・黒田苦戦(0.5) ○ まだ始まったばかりだが、松坂・イチローはまずまずのスタート、福留・黒田はまだコメントする状況にない。
【注】 ( )内の数字は予測時点で的中すると思う確率、占いが当たる自信の程度■