週末のNHK特別番組で、このところの原油高騰を取り上げOPECの影響力の低下をその背景として説明していた。一旦落ち着いたように見られた原油が再度騰勢を強めNYMEX Light Sweet Crudeが17日に$59.37をつけた。60ドルになるのも時間の問題である。番組では世界の原油総産出量に占めるOPECの比率が50%を切ったと報じていた。OPECが臨時総会で増産決議したが市場は反応せず高値が続いている。OPEC諸国は既に能力を目一杯使って生産を続けておりこれ以上の増産など出来るはずがないと市場は判断したのである。
それには理由がある。90年代の供給過剰による大幅値下がトラウマになって、産油国や石油資本はこの10年間油田探査や開発をしなかった。残っている油田は投資効果が低いと見られているのも原因のようだ。長谷川慶太郎氏によると鉱山業界など他の資源産業も新規投資に対し同じ消極的な姿勢をとっているという。例外は旧ソ連諸国で結果としてロシアは最大の石油輸出国になったと言われている。実はそれ以上に米国での製油所の建設が長らく滞った結果大幅に石油精製能力が不足し、日本の製油所から輸入する構造的な問題が投機的な動きを助長しているのである。
こう考えると現在の高価格原油は長期化し、1バレル100ドルの時代が来るのもそう先ではないかと思われる。グローバル経済の成長にはかなり影響がでるだろう。しかし私は余り悲観してはいない。原油価格高騰は決して日本には逆風ではないと思う。日本は恐らく世界で有数のGDPあたりの石油依存度が少ない国であると思われる。昨年見た報告書によれば記憶は定かでないが同じGDPをあげるのに米国の1/2、中国の1/6の石油しか使わない。今後更に技術力を高め産業構造の転換を図り石油依存度を下げ、車だけでなくその他の領域でも化石燃料依存度の少ない商品を作れば、嘗てのように原油高が日本の競争力の後押しをしてくれるであろう。
脱化石燃料のための技術開発は加速がかかり世界的な競争が行われ、10年後世界の石油依存度は劇的に変わるであろう。1バレル100ドルにもなれば環境汚染を撒き散らしていた中国やインドの経済成長にブレーキがかかり、結果的に環境汚染の抑制に時間を与えてくれそうである。私は人民元の切り上げでドルの値打ちが下る年末以降に変化が来る可能性が高いと思うがどうだろう。■
それには理由がある。90年代の供給過剰による大幅値下がトラウマになって、産油国や石油資本はこの10年間油田探査や開発をしなかった。残っている油田は投資効果が低いと見られているのも原因のようだ。長谷川慶太郎氏によると鉱山業界など他の資源産業も新規投資に対し同じ消極的な姿勢をとっているという。例外は旧ソ連諸国で結果としてロシアは最大の石油輸出国になったと言われている。実はそれ以上に米国での製油所の建設が長らく滞った結果大幅に石油精製能力が不足し、日本の製油所から輸入する構造的な問題が投機的な動きを助長しているのである。
こう考えると現在の高価格原油は長期化し、1バレル100ドルの時代が来るのもそう先ではないかと思われる。グローバル経済の成長にはかなり影響がでるだろう。しかし私は余り悲観してはいない。原油価格高騰は決して日本には逆風ではないと思う。日本は恐らく世界で有数のGDPあたりの石油依存度が少ない国であると思われる。昨年見た報告書によれば記憶は定かでないが同じGDPをあげるのに米国の1/2、中国の1/6の石油しか使わない。今後更に技術力を高め産業構造の転換を図り石油依存度を下げ、車だけでなくその他の領域でも化石燃料依存度の少ない商品を作れば、嘗てのように原油高が日本の競争力の後押しをしてくれるであろう。
脱化石燃料のための技術開発は加速がかかり世界的な競争が行われ、10年後世界の石油依存度は劇的に変わるであろう。1バレル100ドルにもなれば環境汚染を撒き散らしていた中国やインドの経済成長にブレーキがかかり、結果的に環境汚染の抑制に時間を与えてくれそうである。私は人民元の切り上げでドルの値打ちが下る年末以降に変化が来る可能性が高いと思うがどうだろう。■